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さぼってみない?
「ねぇ、王宮行こう!」
満面の笑顔で桜木が言った。
「あなたが暴走しないように見張るのが私の仕事です。
だから、王宮へは行かせません」
甲上は真面目に答える。
「ねえ、甲上さん。
たまには、仕事、さぼってみない?」
「はあ?」
「真面目すぎるんだよ!
真面目なのっていいことでも悪いことでもあるんだよ」
「何を言おうと行かせることはできません」
「行きたいくせに」
「行きたくありません!」
甲上は声を荒らげた。
「嘘つき。
答えしってるんでしょ?」
桜木はニヤッと笑った。
「はい?」
「裏切り者の正体。
調べものはお得意分野だもんね」
桜木は恐ろしいほど不気味な笑顔だった。
「知ってたらなんです?」
甲上はそっぽを向く。
「言いたいこといっぱいあるくせに」
「だからと言って、私が戦場に行けば邪魔になります」
甲上は冷静に答えた。
「私が守る」
「その体で何を言ってるんですか?」
そう言いながらも、内心嬉しかった。
「お迎えに上がりました」
いきなり、笠原が入ってきた。
「お二人の事は私が守ります。
どうぞ、決着の場へ」
相変わらず、無表情のまま頭を下げる笠原。
3人は王宮へと向かった。




