桜木奪還作戦
桐生を船長とした船が出港した。
桜木を奪還するためだ。
王宮は神矢や今吉たちに任せた。
これが本当に合っている決断かは不明だ。
それでも、桜木を助けたい、それがみんなの思いだった。
カイルの国境に近づく前に緑川とも合流した。
国境前には一隻の船が船があった。
誰かが手を振っている。
塩谷だ。
船に乗り込む。
「お前がなぜここにいる?」
桐生が聞く。
「桜木とはずっと内通していました。
とにかく中へ」
塩谷に案内されて船内にはいるとそこにはソファーの上に横たわっていた桜木の姿があった。
傷だらけで、とても見られる状態ではなく、息をして話せる状態でいるのが不思議なくらいだった。
王宮と海軍本部に乗り込んできた先陣。
その数を少なくしてあの程度で押さえたのは桜木だった。
「何を抱え込んでるんですか?」
緑川が桜木に聞く。
桜木は語ろうとしない。
しかし、塩谷が話し始めた。
「まだ、4年前の事件は終わっていません。
カイルはこの国を手にいれることを失敗した。
だから、ずっと攻撃の機会を狙ってきた。
消えた海賊たちは元々カイルの出身です。
奴らは今のこの国の状況を探ってきました。
そして、このキャリア体制に向けた混乱してる今がチャンスだと知らせるためカイルに戻った。
他の入ってきたスパイたちを桜木と笠原と俺でなんとかしてきました。
でも、まだ大元がいる。
もう俺も限界だよ、桜木」
「じゃあ、どうしろって?
大事にすればすぐに戦争になる。
それこそ相手の思う壺だ。
それに、大勢の死体が海に浮かぶことになる。
そんな海、見たくない」
桜木は泣きそうだった。
「大元とは誰だ?」
桐生が聞く。
「リアン内でカイルのメンバーを先導している人物がいるようなんてすが、誰だかはわかりません。
ただ海軍の情報がかなり漏れてる。
海軍の中に裏切り者がいるとしか…」
塩谷の言葉に皆の顔がこわばる。
「その裏切り者を早く見つけ出さなければ…」
桐生が言う。
「それもそうですが、早く王宮へ向かわないと。
本軍を送り込む先はおそらく王宮です」
塩谷は焦っていた。
「桜木、もうお前一人でどうにかできることじゃない。
例え戦争になってでも海軍もこの国も守らなきゃいけない」
桐生の答えは決まっていた。
その気迫に桜木は何も言わなかった。
王宮へ向かった。
甲上は桐生から桜木の見張りを頼まれ、隠れた場所で待つことになった。




