女子会
翌日、休みなく強鷲号は出航した。
夜、甲上は植村に女子会に誘われた。
女子会と言っても、この船の女性群は甲上、植村、平木、医務官2人、給仕官2人と桜木だけだ。
桜木を除いた7人で女子会は行われた。
監査官の職務からは逸脱しているが、役職関係なしと言われ誘われたこともあって参加した。
たわいもない話で盛り上がる。
たまにはこういうのもいいと思った。
そこに桜木がやってきた。
「何、やってんの?」
桜木は扉を開けた途端、この女性だけの世界に驚いていた。
男ばかりの社会で育ってきた桜木にとっては、あまりにも見慣れない光景だった。
「女子会。
渚も混ざりなよ~」
植村は酔っていた。
「女子会って何?」
桜木にとっては新鮮な響きだったらしい。
「私のこと羨ましいって言ったでしょ?
だったらね、渚もね、みんなと積極的に関わってかないと…」
桜木は困った顔をしながらも大人しく従った。
座った場所が甲上と平木の間だったため、平木が緊張してしまった。
「それでいい」と呟きながら、また酒を飲む植村。
「強くないんだから、やめときなよ」と桜木。
「やーだ。
ここ最近、ストレスたまることばっかりだったんもん。
少し飲ませてーよ」
植村の酔い具合に桜木は困っていた。
「桜木さんはストレスとか無いんですか?」
甲上が聞く。
「…有ると言われれば、ほとんどのことがストレスのようにも感じるし、無いと言われれば、無いかな」
「なんだそれ」
口に出したのは植村だけだったが、全員が思っていた。
「いちいち、どれがストレスかを考える方がストレスじゃない?」
「なるほどね。
あーあ!
私も渚みたいに考えられたらいいのにな~」
と言いながら、植村は寝てしまった。
「だから、やめとけって言ったのに」
そう呟きながら、桜木は軽々と植村を背負った。
そのまま船長室に連れていったため、会はお開きになった。
朝。
「2日酔いですか?」
伊竜が頭を押さえていた植村に水を手渡した。
「うん、飲み過ぎた」
「船長!大変です!」
慌てた様子で雨宮がやってきた。
兵士の一人が高熱を出して寝込んでいるという。
「なんで?風邪?」
「医務官にもわからないそうです」
「他に風邪気味の人は?」
甲上が聞く。
「いません。
みな、元気です」
その兵士は謎の病に冒されていたのだった。




