ドーナツエンドへ
次の日、桜木はいつも通りに起きてきた。
下は軍服だったが、上はレインボーカラーの派手なタンクトップを着ていた。
いつものように注意する甲上。
でも、どこかで違和感を感じていた。
昨夜のことがあったからだろうか?
ほぼ一色の中で光るには淡い色ではきっとぼやけたり、消えてしまう。
どぎついぐらいのほうがいいのかも知れない。
彼女の場合は歪んだどぎつさにはなってしまった。
それでもどぎつくて、しかも七色に輝くぐらいだから、ぼやけることもなく光り続けてこれた。
注意しながら、戸惑う顔をする甲上を見て、桜木は思わず、笑った。
周りは何が何だかわからなかった。
朝練が終わり、朝食の時間になると、話題はドーナツエンド島のことになった。
リアン王国内とは言え、閉ざされた島であるドーナツエンド。
独自の防衛隊(門番)を組織していることも有り、海軍も陸軍も基本的には介入していない島のため、桜木ですら、行くのは初めてだという。
「独自の防衛隊だけで、本当に安全なものなのですか?」
そう疑問をぶつける甲上。
首をかしげながら互いを見つ合う植村・伊竜・指宿を見て、桜木はため息を漏らした。
「ドーナツエンドという島の名前の由来を考えればわかるよ」
桜木の言葉に皆が一斉に考え始める。
「エンドは終わりという意味ですよね?」
「ドーナツはあの食べるドーナツ?」
ドーナツのように丸く、真ん中に海が有るから船のまま島に入れるにも関わらず、門番によって一隻一隻徹底的に調べられ、海賊とわかると門を閉ざし、出られなくする。
一度入ったら出られない島として、昔恐れられ、そういう名前がついたと言う。
今では、海賊船とわかっても出入航できるが、記録は残るというシステムになっている。
今回通報してきたのは、島の長。
まずはその島の長に会うことになっている。




