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海の守り人~私は私のやり方でこの海を守る~  作者: アオサマ
最初の事件編
5/86

平和な時間

甲上は平和な時間を過ごしていた。

配置された強鷲号は、若者が多く、経験値が少ない点から不安を感じていたが、船長の植村大佐・第一副船長の伊竜(いりゅう)大尉を筆頭に優秀で真面目な青年揃いだった。特に伊竜はキャリア組で、副船長は初経験だか、船長初経験の植村のことを懸命に支えていた。

強鷲号には14才以下の兵も数人いるにはいたが、キャリア体制に批判する者たちでは無かったし、千人近くが乗船するこの船で特に悪目立ちすることも無かったため、気にも止まらなかった。

また、兵士指導官の指宿(いぶすき)曹長は厳格で、かつて山賊たちに育てられたとは思えないほど、真面目で熱い青年だ。


『裏町』

大概どの島にも存在する海賊や山賊も含めた荒くれ者たちが集う一角。村並の広さのところも有れば、店一つ分しかないところも有り、それは島によって様々。他の村よりも裏町の方が広いというところも有る。


甲上はもちろんこの船に来た理由を忘れてはいなかった。

しかし、植村が昇進試験の解答を盗んだ共犯とは思えなかった。

証拠は無かったが…

植村は高卒で海軍に入り、普段は優しく明るい性格だか、真面目で

『女だから』

『女のくせに』

などの言葉をひどく嫌うタイプだった。

海軍は男社会。

医務官や給仕官の中には女も多いが、海兵の中では2%しかいない。

監査本部も海軍ほどではないが、それでも男のほうが圧倒的に多い。

同じ女性として、犯人であってほしくないという甲上の希望も入っていた。


問題なのは他の3人についている監査官からも同じような報告が上がっていること。

いったい誰が共犯なのか…


そんな疑問を抱えながらも、統制のとれたこの船で甲上は平和な日々を過ごしていた。


しかし、そんな日々は一ヶ月もしないで終わった。

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