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海の守り人~私は私のやり方でこの海を守る~  作者: アオサマ
ドーナツエンドの事件編
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あまい

「まあ、いろいろ思いはあるのでしょうが、仕事ですから頑張りましょう」

雑務を押し付けられた植村を甲上が励ます。

「呑気な…」

桜木が鼻で笑う。

甲上は桜木を思わず睨み付けたが、桜木は甲上を見ることすらなかった。

「オーソドックスな仕事で実績を積んだ人間か、注目を集める仕事を成功させた人間が基本的には出世してる。

つまり、こんな雑務をしたってこの船のメンバーにはなんの利益にもならない。

結局、目に留まらない仕事をしている人間は、仕事をしているという認識すら持ってもらえない。

それが、現実なんですよ」

淡々と話す桜木。

「その割にあなたは飄々としていますね」

「私はずっとこういう仕事ばっかりしてきましたから。

それに、もう中将だから、出世とかあんまり関係ないし…」

「少しは降格や、追い出される危機感を持った方がいいんじゃないんですか?」

「追い出せるもんなら、追い出してみればいい」

また、鼻で笑う桜木。

そして、甲上の目の前に立った。

思わず恐怖を感じ、一歩下がる。

「前から中将、いや、海兵として不適格だって言われてきた。それも、あなたのような部外者からも…

でも、“首”どころか中将からもはずされない。

私だって別に中将なんていう面倒なポジション好きじゃない。

追い出すのも、降格するのも好きにすればいい」

桜木はそこまで言い終わると、植村の方が見た。

「ただね、一華。

この一件はどういう展開になるか見当もつかない。

どんな事態にも冷静に対応できる、でもって、雑務でも黙って引き受けてくれる人間を人選しなきゃいけない。

そういう意味では、きーきのあんたに対する信頼の証だと私は思うよ」

この言葉で植村の表情は変わった。

航路変更を雨宮に命じた植村の声は、やる気に満ち溢れていた。


時々見せる飄々とした表情とは別の表情。

そこに何が隠されているか。

そんな思いを巡らせていた甲上に、桜木が勝ち誇ったような視線を向けた。

「なんにもわかってない人間に励まされたって頑張ろうと思わないし、なんにもわかってない人間に注意されたって直す気にはならないんですよ」

甲上はもちろん不愉快だったが、同時に違う感情も有った。

「なら、教えて下さい。

あなたが知る海軍のことを。

あなたのことを」

思ったより冷静な自分に驚いた。

この発言に桜木は驚かなかった。

しかし、真面目な表情になった。


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