スピード昇進の謎
海軍二大事件とも言われる13年前と4年前の事件。
その両方に桜木が関わっているかも知れない。
甲上は事件及び桜木について書庫で調べ始めた。
4年前においては、甲上が知っていること以上のことは書かれていなかった。
13年前の夏。当時元帥だった本宮が海賊に殺されている。それによって海軍は混乱し、当時大将だった弓長が元帥になったり、その他でも突然の昇進者が数名出た。
甲上の手が止まる。
妙なことに気づいたのだ。
13年前の事件のあとすぐ、桜木はいきなり曹長から大尉に昇進し、当時少将だった神矢の船の副船長を任されている。13才の桜木。仕事を始めて4年目で曹長だったことも、ノンキャリアでは珍しい話だが、そこからいきなり大尉、しかも翌年に中佐はあり得ない。キャリア組の昇進が早いのは当然。しかし、桜木はそれを上回る昇進スピードで現在の地位に就いて9年目になる。
キャリア組が増えたこと、また、ノンキャリア組も、10年前ぐらいから、実力や才能が有り試験に受かった者は、ほとんど年数関係なく昇進できるようになったことや、体力の衰えや新体制への不満を理由に年配のベテラン勢が離職傾向に有ることから、若い世代が士官の座にいることが珍しくない現在のリアンの海軍でも、桜木の昇進は異様だった。
「そこにいるのは誰だ!」




