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海の守り人~私は私のやり方でこの海を守る~  作者: アオサマ
最初の事件編
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最初の事件1

キャリア体制に反対する人間が事件を起こしたのは、甲上が赴任してきた5カ月後のことだった。


昇進試験の解答が盗まれたのだ。


「こんなバカげた事件起こすなんて理解できない」

「これだけの数がいる中で自分の存在を認識してもらえる一番の手段が地位なんだ。仕方ないところでもあるのだよ」

甲上の怒りに、監査主任が冷静に答えた。

上級学校を卒業してすぐ、決して人数の多いわけではない監査本部に入った甲上には理解に苦しむことだった。


まず、解答が保管されていた書庫の鍵を持つ大佐以上で、その日いた人間に甲上は話を聞いた。

基本的にそれぞれの軍艦でそれぞれの場所に行ってしまっているため、帰ってくるのは定期報告や何かあった時だけ。

普段から本部内にいるのは内勤業務担当と待機兵、訓練兵のみ。

この日いた大佐以上は

元帥の桐生(きりゅう)

内勤担当の藍沢(あいざわ)中将

定期報告のため帰還していた、相馬(そうま)中将

少将2名

大佐3名

計8名だった。

誰も怪しい様子はなく、鍵も手元に有った。


その次に疑ったのは、その日、警備にあたっていた兵士9人だった。

事件が発覚した前の日の晩、南西側の警備をしていた兵士から有力な証言が取れた。

それは、西側区域近くまで見回りに行った際、西側の警備あたっているはずの兵士の姿が見えなかったということだった。それも2回も。

北西側に見回りに行っていただけだと思うと、証言した兵士はあえて付け加えていたが、監査官たちにはこの証言を有力とするだけの材料があった。

それは、その日西側担当の兵士と本部内の見回り兵士は、以前からキャリア体制に異を唱え、小さい問題ではあったが、いくつか起こしていたからだ。

そして、盗むなら本部内にいる兵士が一番やりやすい。


取り調べで2人はあっさりと犯行を認め、「昇進試験に合格したからったから」と話した。


昇進試験に合格したところで、必ず昇進できるわけではない。実績や態度も昇進する上で必要な項目に上げられる。

問題を起こしてきたこの2人は試験に合格しても昇進は難しい状態に有り、愚かな犯行としか言いようがなかった。


残った問題は一つ。

鍵はどうしたのか。

2人とも2等兵で鍵は持っていない。

保管庫の予備の鍵が盗まれた形跡も無かった。

書庫の錠が壊された形跡も無かった。

自分たちの犯行を認めた2人も鍵については何度取り調べをしても、話そうとしなかった。


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