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海の守り人~私は私のやり方でこの海を守る~  作者: アオサマ
最初の事件編
17/86

張りつめた空気

容疑者笠原が甲上の目の前に現れた。

甲上に緊張感が走る。


しかし、強鷲号の中は別の緊張感で溢れていた。

原因の半分以上は神矢大将という存在。そもそも、大将という地位は兵士たちにとって雲の上の存在であり、また神矢大将の厳しさは有名で、植村・指宿をはじめ、兵士の何人かはその厳しさを実際に味わってきた。同席していた相馬中将もその一人で、緊張した面持ちだったし、彼は桜木とは同期だが、あまり仲良くはない。しかし、彼の中将昇進を薦めたのは桜木だったという噂も有り、不思議な空気が2人の間を流れていた。

「今、お茶を…」

と言いかけた植村の言葉を遮るように桜木がお酒の入ったグラスを神矢の目の前においた。

この二人の関係が深いのはある程度有名な話だった。二人と4年前の大事件関連で殉職した伊賀崎輝夜(いがさきかがや)は天才と呼ばれ、異例中の異例の速さで昇進してきた『天才三人組』。『いずれ、神矢か伊賀崎が元帥になる』という話は昔から有名だった。桜木とは桜木が13才の途中からと14才の時、17才の時に神矢船の副船長を桜木が勤めていた。ケンカが絶えず、他の船員たちの方が苦労したと噂だが、神矢の船は副船長がすぐにやめていくことで有名な中、二年半の配属期間、辞めたいと言い出すことなく過ごしたのはすごいことではあった。

ちなみに笠原は4年前の大事件後すぐ、神矢船の副船長となり、そこからずっと辞めずにいる。

「ねえ、何でここに集まったの?」

「特に俺的に意味はない。

笠原がお前に会いたがってたからな…」

グラスに手を伸ばす神矢。

しかし、グラスを手にすることはできなかった。

桜木がそのグラスを持って笠原に駆け寄り、後ろに回って抱きついたからだ。

「りょうちゃんてば~。

だ・い・す・き」

今にもキスしそうなくらい桜木の顔が真横に有るのに、笠原は微動だにせず無表情のままだった。


やはり、4年前以降もこの二人の関係は深く続いているのだろうか…。

だとすると、桜木も共犯又は指示した可能性が出てくる。

甲上はそんなことを考えていた。


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