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海の守り人~私は私のやり方でこの海を守る~  作者: アオサマ
最初の事件編
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変人桜木

船の空気が良くない状態が続くなか、甲上には桜木に対して他にも気になることが有った。

1つはいつ寝ているのかということ。

伊竜、指宿と共に桜木と同室で、部屋の両サイドに置かれた二段ベットの右側の上が甲上、下が桜木だったが、横になっている姿は見たことが有っても、眠っている姿を何日経っても見ることはなかった。

本人曰く、ショートスリーパーとのことで、夜は海の見える人のいない場所で酒を飲んで過ごし、眠くなったらそこで少し寝るのがスタイルだとのこと。

2つ目は、常に金属製の極太のバングルを両腕につけていること。

食事のたびにバングルが机にあたり、その音が気になった甲上は、とある食事時また桜木に詰め寄った。


「桜木中将、その腕に付けてるものは何ですか?

とても耳障りです。

それに、仕事に必要の無いものは付けないで頂きたい」

周りが一旦手を止めるなか、桜木は食べ続けた。

「聞いてますか?」

甲上の怒りに、桜木はため息で返した。

「せっかくの楽しい食事の時間を台無しにするなんて、あんたも趣味が悪いね。

耳障りなのは謝りますが、仕事に必要だから付けてるんですよ。

私、これでも海兵なんだけど」

また、嘘っぽい笑顔を向ける。


甲上はそれから、なぜつけているのか気になって仕方なくなってしまったのだった。

3つ目は基本的に笑顔で飄々としているということ。何が有っても動じないのは、さすが中将と言うべきところなのか。ただ、何を言われても笑顔でいることは、時と場合によっては相手を大変苛立たせることだった。


強鷲号では解答の事件も話題に上がっていた。

強鷲号の兵士たちは盗む危険を冒すぐらいなら、勉強すると言う真面目か、盗むという発想が無かったと言う純真な者たちしかおらず、少しぐらい悪い心も持てと思うほどだった。

「でも、どうして盗んだんでしょうか?

盗むよりその場で書き写してしまったほうが、発覚しなかったのでは?」

この質問に真面目に答えたのは植村だった。

「確かに成功すれば、解答もそのままなわけだし、事件にもならなかったかもしれないけど、書き写すのは2人で分担しても時間がかかる。その間に見つかる可能性の方が高い。

どちらを選択するにしても危険度は半々だったと思うよ。

それに、事件が発覚した今、問題なのは鍵を渡した人物。

例え書き写すにしても部屋に入るための鍵は必要だからね」

もし、植村が犯人だったら今の台詞をどんな思いで言ったのか。

甲上は落ち着いて話す横顔をまじまじと見つめた。

そして、そんな甲上を見つめている桜木の姿に、ただ一人、伊竜だけが気づいていた。

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