第3話 目安箱と冒険者登録
初めてトパーズと会った日から2日今日は目安箱が置かれる日だ。ついでに冒険者登録もしておこう。
「トパーズ。今日ギルドに目安箱置かれるのよね。目安箱の用紙の書き方とかってあるのかな?」
私はトパーズに聞いた。
「きっと、ギルドに行くとわかるわ」
トパーズが答えた。
ーギルドー
「本日はどのようなご用件で?」
ギルド嬢が微笑んでいる。
「目安箱に意見を書きに来たんです」
トパーズとハモってしまった。2人の息はぴったりだ。
「ではこの用紙に年齢と性別、良ければ職業も」
ギルド嬢は終始微笑んでいる。
「16歳、女性、学生っと」
2人とも書き終わるタイミングが同じであった。もちろん意見は、書いてある。以下内容。
「16歳から勇者になるのは良いが、試験を課し政治の質を高めるべきである。というのも、試験も無しに16歳の子に政治を行わせるのは、浅はかな政治になりかねない。よって、勇者を目指す者はそれに合う何かを試されるテストを作るべきである。」
ギルド嬢は驚いている。たった16歳の子供達が政治について、まじめに考え、それに対してしっかりと意見を言ったのだ。開封されるのは明日だが、チラッと見えたその紙でもう凄いとわかった。
「トパーズもそんなに考えてるって事は、何かの部門の勇者を目指してるの?私は魔界部門のところ狙ってるけど」
アメジストは自分はなれる前提があると思っていた。
「そうなんだ。私は福祉のところ狙っているの。そこで、男女同権とか、雇用機会の均等化、賃金の同一化とかやりたいな」
トパーズはそういうと微笑んだ。
「凄いわね。トパーズ。私は本を読んだだけでなれると思っていたけど案外甘くないものね」
トパーズの意見を聞いてそう思った。討伐は実力次第で男女同権だが、そのほかのところは、平等でないかもしれない。また、女性では無理っと工事などをする時言われるようだ。
魔界部門の問題点はどこだろう。自分がしたい事ってなんだったのだろう。魔界は良いところではないか。なにが足りない?そのような疑問がずっと頭から離れない。
あ、冒険者登録。
「アメジスト?大丈夫?」
トパーズが心配そうに私を見ている。
「あ、うん。冒険者登録もしておこう」
私が提案する。
「登録ですね。水晶に手をかざしてください。大丈夫そうですね。ゴブリンは判定が難しいのでスライムにすると良いと思います」
そう。この時代にはもう人間と魔物になっていた。魔人も人間の方に入り、魔人ではあるものの人間と結婚もできれば、子供だって作れる。ほぼ見た目が変わらないためだ。
アメジストは登録を終え、トパーズと共にスライム狩りに来ていた。スライムは物理攻撃が効きにくい。
アメジストは闇属性のダークネスフレアを停滞させ、スライムを倒した。似たことをトパーズは光属性のシャイニングフレアで高温で焼き殺しながら更に中に向かってどんどん引きずり込んでいく。
ーギルドー
「えー。スライム千体ですね。全部で、500万ゴールドですね。とりあえず、あなたたちはSランカーです。スミレハイビスカス事件を思い出させますね。あなた達は」