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やらかしちゃった賢者さんとやらかされた邪神様  作者: シオン ロット アストレア
1・邪神様は下界に降り立つ
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9. アルヴァントリア記録

まず一つ、これは魔導具だ。

本が認めた者のみがみることができる。

二つ、昔の記録には自信はあるけど最近の記録にはいささか自信がない。

三つ、これはアルヴァントリアの記録であると同時に僕の日記の様な何かだ。

四つ、"本体"の性格上戦闘関係に偏ってしまている。

最後の五つ、これは神書であり魔書でもある。

望めば与え必要なら与える。

警告するなら君達は少なくともまともには生きられない、そう断言しよう。

前置きはここまでにして本題に入ろう。

何が読めるかは君次第だ。

願わくば君達が僕に出会うことがないことを願おう。




NO.8669



昔々そのまた昔、今から約6500年ほど昔のとある国で一人の少年が産まれた。

銀髪黒眼の少年は平民から冒険者へ、冒険者から聖剣へ、そして聖剣から王子まで成り上がった。

少年は天賦の才を持っており、やがて冒険者の頂点に達した。

しかしかれは数年後突然姿を消してしまった。

それから1500年後少年によく似た姿の何かが現れた。

何かは1500前より前より強くなっていた。

何かは残っていた仲間を集め旅をした。

彼はやがて結婚し、何かは大事な物を守るため戦った。

彼は強くなり何かは消えて行った。

彼は伝説をいくつも残し、彼らは己が信念を貫き通すため動いた。

やがて彼らは首輪を外し、糸を引きちぎり運命に抗った。

時には神々すら巻き込んだ彼はいつしか抗う側から定める側に変わっていた。

それでも彼は変わらなかった。

やがて仲間は老いてゆき、一部のものをのぞき死に絶えた。すると今まで変わることのなかった彼は今まで以上に仲間を大切にするようになった。それこそ世界と仲間を天秤にかけたとき迷いなく世界を切り捨てるほどに。

人間だった彼は気づけば化け物に変わっていた。

それでも周りは彼を愛し、また彼も周りを愛した。

いつまでも変わらないと、そう約束した彼は皮肉にもこの世で最も変化してしまっていた。

そんな男は後にこう呼ばれた。

白黒の聖剣(はっこくのせいけん)



NO.2162



魔法とはこの世に漂う魔力を使い術に流し込み、一時的に世界の理をねじ曲げた現象のことを指す。

錬金術等はその最たる例のひとつだ。

錬金術は魔力を使い物質を作り出し変質させ、存在そのものを書き換えてしまう。

スキルや武技と違い魔法は完全にゼロから一を生み出し、作り出す。

地域や国によっては魔法は神聖視され神の領域とまで言われている。

それと同時に魔法は破滅の象徴でもある。

いくつもの国が魔法によって破壊され朽ちていった。

魔法により文明は発達し、衰退するのを何度も繰り返した。

時代を遡れば、不老不死を成し遂げた者もいる。

戦争は魔法師の数と質によって決まるとまで言われている。

事実、過去にはたった一度の魔法により滅びた国も有り、一部の勇者や魔王、神獣は一人でそのような魔法を行使する事が出来た。

私自身もそのような者達と面識があったが、あれは生物としていろいろおかしい。

頭を切り落としたと思ったら次の瞬間には再生していたり、いくら攻撃しても汚れすらつかなかったり、そんな化け物達が束になってかかっても勝てなかったり神々が逃げて行ったり、兎にも角にも敵対しないに越したことはない。

私も昔賢者などと呼ばれていたがあれには勝てる気がしなかった。

話が逸れてしまったが要するに魔法とは世界に漂う魔力を術式に流し込み、世界の理に干渉する事を一般的にさす。

術式の組み方は基本、詠唱にて済ます事が多く最も簡単な術式の組み方になる。

他には魔方陣や触媒を使った特殊な魔法も存在する。

勇者召喚も特殊な魔法の内の一つだ。

練度を上げていけば、無詠唱や多重魔法陣、強化詠唱なども使えるようになり、一般的には基礎及びその応用が出来るようになってから5年から30年の月日が必要とされている。


また、魔法は下位魔法、中位魔法、上位魔法、高位魔法、最高位魔法と分けられており、下位で100人に1人中位で1万人に1人高位で1億人に1人、最高位魔法に至っては個人での使用は不可能と言われている。

他にも禁忌魔法や神聖魔法などが存在するが、基本的に高位魔法以上の魔力の他に形は違えど何かしらの形で代償を支払う事になる。

中位魔法以上の使い手なら仕事には困らず生きていけると言われ、宮廷魔道士になることも可能だ。

高位魔法を使いこなせる者はたった一人で国家戦力にも勝り、高位魔法の使い手の一言で世界が動くことも珍しくなく中にはそれが原因で滅んだ国もいくつか存在した。



_____________________________________________________________________________________




本の中身はここで途切れていた。

次のページからは白紙が続き何も書かれついなかった。

この魔道書は図書館にあったどの魔道書よりも魔力が強く、今のこの体では無理にページを開こうとしても精々二、三ページで限界そうだったのでコートの内ポケットに入れるにとどめた。

図書館内には本の有無を確認する魔道具が存在したがこの程度ならいくらでも隠蔽は効く。

机や床に積まれた本は使用者が出て行けば勝手に元の位置に戻る魔法がかけられているので放って置いても問題はない。

もう、勇者達との顔合わせまで時間もないので部屋まで帰ることにした。


≪転移≫


視界が一瞬にして白く染まり次も瞬間には既に自室として与えられた部屋の中にいた。

時間になればリエルが呼びにくるとのことなのだがまだきていないようなので少しでも体を慣らそうと思い、軽く準備運動をすることにした。

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