よん。
あれから莉子は輝にくっついてばっかり。
「ねーねー!あれとって!」
莉子が指さしてるのはUFOキャッチャーに積まれてる中の猫のぬいぐるみ。
「いいよ」
輝は100円を入れて機械を動かす。
そして猫のぬいぐるみを1回で取った。
機械は猫のぬいぐるみを離し、出口へ落とす。
出口にコロンと出てきた猫のぬいぐるみ。
そのぬいぐるみを手に取る莉子。
「うわあ♪ありがとお★」
私はそんな2人を見ていられず、ほかのゲームを見て回った。
私の目に飛び込んできたのはきれいなピンク色の時計。
・・・可愛い♪
私はその時計に夢中になった。
取りたいけどむずかしそう・・・。
「何見てんの?」
ひょいっと出てきた輝の顔。
私は一瞬ドキッとしてしまった。
「あ・・・あの時計可愛いなあって思っただけ!」
私は時計を指さす。
「・・・じゃあ俺が取ってやるよ」
「いや!いいよ。つか莉子は?」
「アイツならなんかうざいからまいてきた」
輝は100円を入れ、機械を動かす。
また1発で取った。
出口にコロンッと出てきた時計。
「ありがとお♪」
「喜んでくれてよかった」
ニコッと笑う輝。
その笑顔がとっても可愛くて、とても愛しくなった。
輝は満足そうな顔で私の顔を見る。
「なんかほしいのある?」
「ううん!これで十分!」
あんまりお金・・・使わしたくないしね。
「ね〜甲乃さあん」
また莉子が甘えた声を出して輝にくっつく。
なんかむかつくンですけど・・・。
「何?」
「早くカラオケいこー?」
輝が“どうする?”って顔をして私の顔を見る。
「よし!カラオケ行こ!」
私は輝より先に言う。
「さっすが美海!行こ?」
莉子は輝の腕を引っ張った。
「ちょっ・・」
莉子は輝の言葉を聞かず、ゲームセンターから出て行った。
私も必死でついていく。
置いて行かれたら莉子、輝に何するか分かんないし!
着いたのは【ミレミカラオケ】。
ここは私と莉子がよく来るカラオケだ。
「ココ、よく美海と来るんだよ。ねー?」
莉子が急に私に話をふってきた。
「う、うん!」
私は少し動揺しながら答える。
「へ〜。イイ店だね」
輝は莉子じゃなくて私に向って笑顔を見せた。
なんかちょっぴり嬉しい・・・♪
私達は店内に入った。
輝がレジで予約を取る。
私と莉子はそれが終わるまで近くの椅子に座っていることにした。
「イイよね〜甲乃さん」
莉子がボソッと言った。
「・・・え?」
「美海が好きになったの、分かる気がするな〜」
それ・・・どうゆう意味?
頭混乱しすぎて分かんないよ〜!
私は頭を抱える。
「終わったよ」
予約を取り終わったのか輝が私達に近づいてきた。
「何してるの?」
頭をかかえて不思議な行動をしている私に問いかける輝。
「へ?!いや!なんでもない!」
私は顔を真っ赤にしながら答える。
輝はそんな私を見て笑いだした。
「はははっ。美海おもしろっ!」
「あはっ。あははははっ」
私もつられて笑いだす。
なんか輝といたらすごく楽しい♪
「ねー早く行こうよ!」
そんな私達の間に機嫌わるそうな莉子が割り込む。
「そ、そうだね!」
私は2人を先に行かせた。
なんか・・・疲れる・・・。