にい。
私は家に帰り、リビングにむかった。
部屋には誰もいない。
それよか、家内にも誰もいない。
どうせどこかへ出かけているのだろう。
こんなのいつものことだ。
私はカバンをソファーの上に置き、キッチンへ向かう。
そして冷蔵庫を開け、牛乳を取り出す。
♪〜ピロリロリン
その時、メールが来た。
私は取り出した牛乳を置き、ソファーに小走りで向かう。
そしてカバンから携帯を取り出しメールをチェックする。
メールは莉子からだった。
『今日は楽しかったネン♪また行こー!』
『私も!絶対行こね(>ω<)/』
メールを返信した。
はあ・・・・。
私は牛乳のことを忘れ、ソファーに座りこんだ。
その時にカバンの中から甲乃さんにもらった名刺が出てきた。
・・・そうだ。私・・・誘われちゃったんだっけ。
どうしよう・・・・。芸能界・・・。
お母さんたちに相談したほうがいいのかな。
もしかしたら!
芸能界に入れば甲乃さんに逢えるカモ!!
よーし!!そうと決まれば電話だ。
私は携帯を手に取り、名刺の裏の番号を見ながら番号をうっていく。
プルプルプルッ。
プルプ・・・ッ。
「はい?」
で・・・出たっ?!
「もっもしもし!」
私はなぜか慌てる。
「・・・誰?」
「あっあの、私・・・今日の昼ごろ会ったものですが・・・」
「あ!もしかして可愛子ちゃん?!」
か・・・可愛子ちゃん?!
なんか・・・うれしい。。。
「は・・・はい・・・?」
「やっぱりー☆電話してくれたんだあ」
「はい。芸能界のこと・・・考えがまとまったので」
私がそう言うと甲乃さんは黙りこんでしまった。
「あの・・?甲乃さん?」
「ごめん・・・」
「え?」
「芸能界の話は嘘だったんだ」
・・・・ええええ?!
な・・・何ソレ?!
私必死で考えたのに〜!
「ど・・・どうゆう事ですか?!」
「ホントはキミともっと話したりしたかったんだ・・・。ごめん!」
そう・・・だったんだ。
・・・それって、甲乃さん、私のこと・・・?
「・・・別にいいですよ。私ももっと甲乃さんと話したいし☆」
「ありがとう!あのさ、メールしない?アドレス教えてよ」
「はい」
私はアドを教えた。
これで甲乃さんともっと関われると思うと嬉しかった。
「じゃあまた後でメールするよ」
「はい。待ってます」
プツッ。プープープー・・・。
電話が切れた。
♪〜ピロリロリン
電話が切れた瞬間に莉子からメールが来た。
『ねーねー♪恋のほうはど?』
恋・・・か・・・。
『私・・・甲乃さんのこと好きみたい』
メールを送信した。
♪〜ピロピロピロ
すぐに電話が来た。
「もしもし」
「あ!美海?甲乃さんって誰?!」
あ・・・その話か。
「あの芸能界に入らない?って言った人だよ」
「うそ?!あの人好きになったの?!で。進展あり?」
「さっき電話してて、アド教えたの」
「まぢでー?!すごーー!!」
そ・・・そう?
まぁ甲乃さんに出会えた時点で奇跡だしね。
「でさ!芸能界入りはどうなったの?」
電話の向こうの莉子はなんだかウキウキしているようだった。
「ン・・・。あれはうそだったの」
「え?そうなの?残念だったね〜」
「ううん。別にいいの。甲乃さんとまた話せたし」
そうだよ。甲乃さんが嘘言ってくれたおかげでまた話せたんだもん。
こんな嬉しいことはないよ。
「そっか。あ!ごはんだ!じゃね!!」
「うん」
プツッ。プープープー・・・。
電話が切れた。
はあ・・・。今日はいろいろあって疲れた・・・。
ん?何か忘れてるような・・・。
・・・あ!!牛乳!!!
私は急いでキッチンに向う。
牛乳・・・大丈夫だよね?
私はコップを引き出しから取り出し、おそるおそる牛乳をコップに注ぎ入れる。
コップを口に近づけ、一口飲んでみる。
あ・・・。おいしい。
・・・無事でよかった。