いち。
「これからもずっと友達だよ!」
「うん!!あたりまえ〜♪」
この日に交わした言葉が本当になるとおもっていた。
「美海!あっち見よ?」
「うん☆行こ行こ」
私達は並んでアクセサリーの売っている店へ走った。
私達は今、女子高生に人気のデパート【ミライケ】に来ていた。
1年に3,4回はココに2人で来ているのだ。
「わぁ〜♪可愛い〜」
一緒に来ている友達の莉子がリボンのチャームが付いたカチューシャに見とれている。
私もカチューシャを見てみる。
「ホントだ!むちゃ可愛い♪」
「買おっかな〜〜。・・・でも高校生でカチューシャはないかあ」
「うん・・・。ちょっと抵抗あるカモ」
莉子は少ししょんぼりしながらほかのアクセサリーを見て回った。
私も少しブルー。
「あ!」
莉子はなにか見つけたのか私に近づいてきた。
「美海!!じゃあさ、ピアスはど?」
莉子が私の目の前にハートのピアスを差し出し、にっこり笑う。
「うん!いーかも★」
私がそう言うと莉子の表情が明るくなった。
すると、莉子がピアスが置いてあったところにむかった。
・・・え?買うんじゃないの?
莉子がまた戻ってきた。
「はい♪」
そして私に莉子と同じのピアスを手渡した。
「え?」
「おそろにしよーよ◆親友っていう証拠◇」
おそろ・・・。親友っていう証拠・・・。
私は嬉しさが込み上げてきた。
「うん♪そしよ」
莉子は私の返事を聞くとにこっと笑った。
ホント・・・莉子って可愛いなあ。うらやましい・・・。
そう思いながらレジに向い、お金を払った。
私達はさっき買ったピアスをつけた。
「美海かわいー♪似合ってる」
「そう?ありがと☆つか、莉子の方が似合ってるよ!」
「ホントに?!ありがとお♪」
莉子はピアスをしてる方の耳に髪をかけた。
ピアスが陽に反射してキラッと光る。
ホントに・・・ホントに似合ってる。
私なんて・・・。
ボーっと歩いていて気付くと莉子の姿がなかった。
「え?!莉子?!」
もしかして私・・・迷子?!
うそ?!どうしよっっ。
私はパ二くって頭は混乱状態。
その時。
「あの・・・。すいません」
誰かに声をかけられた。
私が振り返るとそこにはすっごくカッコイイ人が立っていた。
「え?・・・何でしょうか・・・?」
「・・・」
男の人は黙ったまま。
え?どうしちゃったの・・・?
「キミ・・・」
「え?」
「キミすっごく可愛いじゃん!」
「え?ぇぇえええ?!」
“すっごく可愛いじゃん”
そんなの・・・初めていわれた・・・。
私は思わず顔を赤面させてしまう。
「あのさ、芸能界に入ってみる気ない?」
「芸能界・・・ですか」
「うん。ど?」
芸能界のことなんて一度も考えたことなんてなかったから分かんないよ。
「えっと・・・まだよく分からないです」
「そっか〜・・・。じゃあ電話して?はい」
男の人は内ポケットから名刺みたいなのとペンを取り出し、名刺の裏に何かを書きだした。
そして書き終わったのか、私にその名刺を差し出す。
私はその名刺を受け取った。
裏を見ると、携帯の電話番号が書かれていた。
これって・・・男の人の番号?!
「じゃ。電話待ってるよ」
男の人はウインクをしてどこかへ行ってしまった。
・・・それよりも・・・あの人カッコよかったなあ〜。
名刺をもう一度見ると、表に名前が書いてあるのを見つけた。
あの人の名前は【甲乃輝】。
なんか・・・ドキドキする・・・。
♪〜ピロリロリン
携帯にメールだ。
一瞬ドキッとしてしまった。
カバンから携帯を取り出し見てみると、莉子からのメールだった。
『美海どこ〜?!\(゜ロ\)(/ロ゜)/』
この内容を読んで気づいた。
“私は迷子になっているんだ”・・・ということを。
私は返事をうった。
『なんかトイレの前!』
そーしん!っと。
莉子に送信してから約10分後。
「美海〜!!」
遠くから莉子の声が聞こえた。
「莉子!!」
私は必死で手を振った。
莉子がどんどン近づいてきた。
「美海〜。心配したよお」
莉子は息切れしていた。
私のことを必死で探してくれていたのだろう。
「ごめんね。ぼーっとしてたらいつのまにかはぐれちゃってて」
「まあ見つかってよかった」
「・・・莉子。あのね」
私はさっき甲乃さんに出会ったことを話した。
「そうなんだ〜。ンー・・・、いーんじゃない?」
「え?」
「芸能界。入っちゃいなよ」
スラッと言う莉子。
「ええ?!つか、そんな簡単なことじゃないんだよ?」
「分かってるよ〜。でも美海ならいけるって★」
いつものようにニコッと笑う莉子。
「まあ考えてみる」
私達はそのまま【ミライケ】を出た。
そしてどこも寄らずにまっすぐ家に帰った。