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第四話:中編

近づく分かれ道


しかし旅人はそのことを知らない







第四話

ー運命の分かれ道:中編ー








side:イルガ



ローレンス王国護りし三つの山


右の山:クウレス、中の山:ファレス、そして左の山:ラーレルト


かつて聖少女に仕えた者の中で三騎士と呼ばれた者たちの名がつく山々


その一つファレスにレファルト神殿はある。


というよりもレファルト神殿は、ファレスの中に広がる広大な洞窟のほとんどをさしてそういい、ふもと近くに入り口がありこれをファレスの門というらしい


あと、洞窟といっても中は、明るい。


それこそ全てというわけではないが昼は昼のように、夜は夜のようになる


原因の一つに洞窟内の岩などの材質が何だの光が何だの言われているみたいだが詳しい事は、わからない。


ま、それが神殿といわれるわけでもあるんだけどな・・・・


そして実際顔見世が行われる場所は、神殿内にあるカオミヨ教会で行われる。


そもそも顔見世という文字は、聖少女に仕えた異国の戦士が書いたものらしく・・・・・一応次期統率者の”顔を見て、その者が見ている世界を見よ”という意味があるらしい。


その教会も元々は、聖女とそれに従った白狼を崇めるための場所だったといわれている。


教会の中は、天井までの高さは高くそこにアースの神々が彫られているという。


さらに祈り場として使われる中央ホールと二階位の高さに人が通れる位の通路がある。


中央ホールは、意外と広く五百位の人が入れる広さだ。


その中央ホールをステンドグラスと通路のU状のような形が囲んでいる。


本来このU状の通路は、楽師を配置する場所らしい。


全体的に特に凝った造りはしていないがそれがまた正面からふりそそぐステンドグラスからの光で何処か神秘的な空間を作っている。


そのステンドグラスには、足元で丸くなって身を休める白狼を撫でる白いフードに全身を包んだ人物が僅かに覗く顔と唇に微笑を作っている。


それ以外にその人物を特定する事は出来ないがその全身を包んでいるフードは、確かに女性特有の体のラインを描いている。


それが俺には、何処か・・・・・




「わ・・か・・・若!!」


「うわぁ!!!」



突然の大声に驚いて声を上げ後ろに振り返るとそこには、俺と同じ色の鎧に身を包んだ金髪の青年が苦笑していた。



「クフェル、驚かすな・・・・」



そういう俺に青年=クフェルは、僅かに咎めるような口調で言った。



「若こそ気が緩みすぎでは、ありませんか?」


「俺だってちゃんと集中しているぞ」


「ステンドグラスにですか?」



うっと言葉を詰まらせる俺にまたもや苦笑交じりのため息をする。






クフェル=マーキネス



大将軍直属騎士団”白狼の牙”の騎士将

歳は、十八くらいで短めにした金髪とルビーのような赤い目が特徴的だ。

俺の父の部下で特に武勇の優れた四人の騎士将の一人で剣の名手だ。

戦場では”四将の一角:剣将のクフェル”と言われていて四将の中心格と言える人物でもある。

時たま俺に剣術の稽古を付けてくれるが、未だに一本も取れない。

俺のことを”若”と言う

まじめな性格で面倒見が良く、歳も近い事から俺の頼れる兄貴分みたいなもんでもある。





「まったく・・・・いくらまだ始まっていないとわ言え気が緩みすぎですよ?」



そう言って俺と同じように目の前のステンドグラスに視線を向ける。



「”白狼と聖女の安らぎ”ですか・・・・わが国のシンボルであり守護獣でもある白狼:ローレンとある聖女が長き戦乱の末ようやく手に入れた平穏な日々をすごす様子を作り上げた作品、聖女のモデルについて詳しい事は解りませんが聖少女から聖女へと成長を遂げた初代王:ルキナかあるいはルキナの母親それとも別の誰か、とも言われています。若にこのような芸術鑑賞の趣味があったのですか?」



そういい俺のほうを向くクフェル


相変わらずの雑学に苦笑をしつつ首を横に振る。



「まさか・・・俺がこうゆう芸術に興味あると思うか?」


「思いません」



あからさまに即答されるとなんか腹が立つが事実なので何も言わない。



「だからこそ気になったのですよ。普段、芸術品鑑賞なんか興味のかけらも無い若が食い入るように見つめているのですから何か思う所があるのかと思いまして・・・・」



相変わらずの鋭さにドキッとしつつどうせ隠すほどのことでもないと自分の思ったことを言う事にした。



「主に似ていると思ってな・・・・・・」


「ファルシア姫殿下にですか?・・・・・」




そう俺が普段興味の欠片もない芸術品に目が行ったのは、そこに描かれている聖女が何処となく・・・・・



(シアに似ているな・・・・)



何故そう思ったのか解らない・・・・歳も見た目も全然違うのに。


何の根拠も無いのに確かにこのステンドグラスの人物は、シアに似ていると思った。




「確かに十歳にしては、大人びてるような印象がありますし・・・・・・それに何処か神聖的というか何というか人を惹きつける魅力がありますからね姫殿下は・・・・・」



そういい再びクフェルもステンドグラスに視線を向ける。


”瞳は、十歳の意思の輝きとは思えないモノがある”それが父のシアに対する印象だ。


それほどまでシアは、周りから見れば不思議な存在なのだろうが俺にとっては初めての友人であり護るべき主に他ならない





だから・・・・・・




「それで、クフェル・・・・・何か用があるんだろう?」




必ずシアは・・・・・





「はい・・・御父上いえ、団長から収集がかかっております。イルガ=ギーニスト騎士将補佐」





俺が・・・・・





「わかりました。直ちに向かいます、クフェル=マーキネス四将」





守り抜く!!!







side:ファルシア



「王位継承ね・・・・・・」


「うん?シア何か言った?」



現在俺と母さんは、移動用の馬車(むしろアルマジロ車?)で移動中だ。


母さんの言葉に何でもない、と答えつつ再び思考の海に潜る



今まで、家の生まれが普通の家とはもしかしたら違うかもしれないがそれでも普通に生活をしていた。


そんな俺が王位継承者候補になるなんて思いもしなかった。


ふと、これはソルティアの陰謀かと思ったが・・・・・・間違いだと思いたい。




ギュム



考えにしたっていると突然顔に柔らかいモノが押し付けられた・・・・・・・って



「うわぁああ!!か、か、かあだん(母さん)!!何をしてるの!!!」


「う〜〜ん・・・・・シアのこと抱きしめてる♪」



そう言ってさらに抱きしめる力を強くする


それによりさらに顔いっぱいに広がる柔らかい感触



そう今現在俺は、隣に座っている母さんに抱きしめられている。


なんか最近このパターンばっかだな・・・・・って心で思ってみる





「・・・・って、母さん・・・・苦しい・・・・・ギブ」


「え?ちょっと!シア!!」











〜しばらくお待ちください〜












「まったく・・・・母さん少しは手加減してよ」


「だからごめんていってるじゃない・・・・・・もうそんな拗ねないでよシア♪」





そういって膝の上に座る俺のほっぺたを突っつく母さん




危うく二つの巨大マシュマロで殺されそうになった俺は、今母さんの膝の上にいる。


別に膝の上に座るつもりは無かったんだが母さんに抱き上げられ膝に座らされた上に後ろから抱きしめられている。


・・・・・背中に当っているモノはこのさい無視しよう・・・・・うんそうしよう。




「くすくす・・・・・ねぇシア?」


「何、母さん?」



俺怒ってますよオーラを放ちながら振り返り顔を見ると真剣な顔つきの母さんがいた。



「緊張解けた?」


「えっ?」




思わず素っ頓狂な声を上げる俺に微笑みながら頭を撫でる母さん




「シア、あなた顔に出さないようにしてたみたいだけどいつもより強張っていたわよ」


「え、うそ・・・」



またも思わず上げる声に相変わらず微笑をたたえた顔で頭を撫でていた手を頬に持ってくる。



「ええ・・・・・ほんの些細なことだけど、私には解るわよ。だって私は、あなたのお母さんだもの」


そういって頬を撫でる母さんの顔は、相変わらず笑っていた。



(敵わないなこりゃ・・・・)



確かに俺は、緊張していた。


だって今までこういう国の未来がかかっているような重要な場所に出た事は無い。


学校の卒業式や記念式典などとは全然違う。


さらにそこには自分の命を狙う存在がかなりの確立でいる事がわかっている



これで緊張するなという方が無理というものだ・・・・・





「あなたが緊張するのはわかる・・・・・だけど忘れないで」


そう一度言葉をきって俺を真剣な顔で見つめる母さん


「あなたは、あなた・・・・周りが何といおうとあなたは、私の自慢の娘なんだから堂々と胸を張っていきなさい」



ね?っと私の顔を見つめて笑う母さん



その顔には、純粋な母親の笑顔があった。


もし俺が何か恥をかいたとしても母さんは怒らないだろうむしろそれが私の娘だと自信を持って言うだろう


昔からの剣術の稽古の一環で相手の心境を見極めるため相手の顔をよく見ろと言われた


だからこそ言える・・・・・これは、純粋な心・・・愛に満ちた笑顔だと。


(本当に敵わないや・・・)





そう思うと同時に理解するなぜ母さんが回りに慕われているかを・・・・・


権力の渦の中にいながらも変わる事の無い純粋さと優しさ・・・・・


だけど、その中にある確かな強さと意思・・・・・


それが第一王妃としていまだに国の人々を魅了するサリアであり、俺の母さんでもある。




それにしたって・・・・・


(やっぱり似ている・・・・・”母さん”と)



育つ環境、容姿何もかも違うが・・・・・・・・似ていると思う





(これは、勘違いなのかはたまた偶然なのかな・・・・・・なぁ、ソルティア)





目を瞑り投げかけた言葉に当然返事は無い・・・・・・だが


気のせいか僅かに微笑んでいる美女の姿が一瞬脳裏を過ぎたのは・・・・・・


だが今の俺にはそれでいい・・・・



今やらなきゃいけない事は別にある



「ねぇ、母さん」


「う〜ん。なぁにシア?」



そういう俺に帰ってくるのは、相変わらずの母さんの声・・・・・けどそれでいい


俺は自分の思いを口にするだけだ。



「精一杯胸を張ってみるよ」


「うん・・・・頑張れ」


そ言う母さんの表情は、優しい笑顔だった。


















「ところで、母さん。いつになったら放してくれるの?」



「目的地に着くまでだめ♪」






ギャフン




どうもお久しぶりです。



怪我や故障その他もろもろの理由で更新できなかった期間150日以上・・・・さすがに読んでくれている人がいないと諦めかけていましたが感想があったときはかなり嬉しかったです


ありがとうございます。


しかし、まことに勝手ながらこれからももしかすると更新が遅いかもしれませんがなにとぞ我が道を行くをよろしくお願いいたします


それでは、失礼します

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