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第三話:前編

これは、あるひと時の時間


運命の道の分かれ道にたどり着く前の穏やかなひと時




第三話

ー穏やかな時間:前編ー




母さんに連れられてたどり着いた場所は、他の部屋のドアより少し大きめのドアだった


そのドアの立て札には、食事室と書かれていた


カチャ


「みんな、おはよう」


ドアを開けて入っていく母さんに手を引かれ俺もまた部屋の中に入る


すると・・・・


「「「「「「おはようございます。サリア様、ファルシア様。」」」」」」


毎朝のことながら未だに馴れないんだよなこういうの・・・・


「えっと・・・おはよう」


そういう俺に、笑顔を見せるメイド服の女性達


うぅぅ・・・やっぱりこそば痒い


そう思いつつ、自分の席に向かって歩いていく


すると相変わらずそこには、一人の少年が立っていた


「おはよう。イルガ」


するとそれに気が付いたのか


「おはようございます。ファルシア様」


相変わらず堅苦しい挨拶だな〜〜



イルガ=ギーニスト


先に述べたようにローレンス王国が誇りし大将軍の一人息子で俺の護衛役を務めている奴だ


短く切りそろえた青紫色の髪にスカイブルーの瞳で、青と白を基準にした騎士服を着ている

引き締まった体とまだ幼さが残るが整った顔立ちに鷲の様に鋭い視線だが不思議と恐怖感が沸かない


まぁ〜俺に言わせてもらうと初めての友人であり、幼馴染に代わりはないんだけどね



はぁ〜とため息をついてから



「だから、いつもどうりシアでいいって言っているだろう?」


「しかし、私はファル「シア!」・・・シア」


渋々言うイルガ


「あと、その口調なんとかしろよ。違和感があってたまらないから」


すると、はぁ〜〜と長いため息をつくイルガ

その顔には、諦めと疲労感そしてどこか嬉しそうな表情が出ていた


「わかったよ。シアこれでいいだろう?」


「おう」


うん、うんやっぱりこっちのほうがイルガっぽい


「まったく・・・こっちは、お前の護衛なんだぞ立場をわきまえるのは当たり前だろ・・・それに、口調を直す必要があるのは俺よりお前だ」


「そうですか?それは、失礼致しましたわ。イルガ様」


ふざけてそう言うと一歩下がるイルガ


「悪い。お前が言うと違和感だらけだ」


「だろ?」


少なくとも言うこっちも恥ずかしい

なんたって元は男だからな俺・・・・


それにしても、イルガの顔が少し赤いと思うのは気のせいか?


そんなことを話していると


「シアにイルガ。せっかくの所悪いけれどそろそろ食事にしましょ?」


そういえば、まだ朝飯食っていなかった・・・思い出したらお腹がすいてきたな〜


慌てて席に着く俺とイルガ


「それじゃ・・アースの神々に感謝を・・」


「「「「「「「アースの神々に感謝を!!」」」」」」」


そういって食事を始める俺達


ああ、ちなみにアースの神々と言うのはこの世界を作った神々と言われていて国によってはお祭りがあるらしい

まぁ、簡単に言えばこの世界のいただきますだ。


それは、置いておいて目の前の朝食に手をつける


メニューは、焼きたてのパンにサラダ、スクランブルエックにハムに果物それとスープが付いた洋食風のものだ。


一国のそれも第一王妃とその娘が食べるには質素すぎるかもしれないが俺は今まで食してきたものはこんな物だ。


その理由は、母さんいわく朝からあんなに豪華な物を作るのは勿体ないらしい。


この、言葉どうり他の貴族達(でも全てと言うわけではない)は大抵朝から宴会でもやるのか?と疑うほどの豪華さでやっぱりその大半を残し残りを使用人たちが食べると言った事が続いているらしい。


あと俺と母さんは、使用人や護衛と共に食べているがそれは他の貴族達にとっては信じられない事らしい


何故母さんは全員で食べるのか聞いてみると


「だって、全員で食べたほうが美味しいでしょ?」


そう笑って答えた。


まぁ、たしかに賑やかで良いとは俺も思う


「シア。ギャルベを端に避けるな・・・」


「うっ・・・・」


呆れたように言うイルガに言葉が詰まる


そしてドッと起こる笑い


うぅぅぅ・・・・ギャルベは、苦すぎて無理だ









しばらく時間がたち、口直しに果物をつまんでいると


「ところでシア、今日の予定わかっている?」


そう尋ねてくる母さんに


「・・・っく。うん、午前中は礼儀作法で午後から歴史学と精霊魔法学だったと思う」


口の中に、入ってた果物を飲み込み話す


「そう・・・・確りやってくるのよ?これらは、何時か役に立つ日が来ると思うから・・」


「わかってる。しっかりと学んでるよ」


「礼儀作法は、口調でよく叱られているがな」


イルガの言葉に母さんは、苦笑をする


スルーしよ、うん


「さぁ〜てそろそろ行こうかな〜」


「話をそらすな」


まだ何か言っているいるが、スルースルー


「じゃ、行ってくるね母さん」


「クス、いってらっしゃい。イルガ、シアをよろしくね」


「はぁ〜〜、了解いたしております。」


見送ってくれた母さんとため息をつくイルガ


「イルガ、ため息ばかりついてると幸福が逃げるぞ?」


「誰のせいだ。だ・れ・の」


ジト目で見てくるイルガを口笛を吹いて誤魔化す


ふと視線を動かしたら、キニアさんがイルガを見つめている事に気が付いた


「キニアさん?」


「あっ・・はい。何でしょうかファルシア様」


声を掛けてみてもいつもと少し違う気がした。


「どうかし「シア、時間がやばいぞ?」!!!」


慌てて時計(ボルティグ共和国産)を見るともう時間がほとんどない


「やば!!遅れたら何言われるかわかりやしない!!イルガ行くぞ!!」


「はぁ〜〜。全く、それでは失礼します。」


慌てる俺に対し、落ち着いてるイルガ


くそー、人事だと思って


そう心の中で悪態をつきつつ、急いで準備をする


そのせいか、キニアさんに関することは頭から抜けていた。


慌てる俺を見てくすくすと笑う母さん


うぅぅぅ、何でこんな事に・・・・


「ああもう、それじゃいってきま〜す!!」


そう言って、アルマジロを大きくしたような生き物が引いてる台車に乗り込んだ


その後に、呆れたような表情でイルガが乗ってくる


そして動き出す台車








穏やかな?時間は、まだ始まったばかり








今回は、前編後編(もしかしたら前・中・後になるかもしれません)に分けます。


誤字の修正を致しました

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