最終話
ああ、いや、どうも、すみません。
ここでね、このフイルムが切れてしまっているのデスヨ。
今のは再現VTR、とでも言いましょうかね。
そんな、私めがア・ウファーヴなどという恐ろしい神に近寄るなど到底できやしませんよ。
え?お前は?一体誰だ、と申されますか?
そんなの、誰でもいいじゃあ有りませんか。
ここでこのフイルムを観た皆さんには沢山疑問がございましょ。
例えば、『アウファレヴァは何者か』とか、『アウファレヴァは何故自殺したか』とかじゃあ有りませんかね?
その疑問があるなら、簡潔に結論を申し上げましょう。
『アウファレヴァはガタンドを支配していたのではなく、ガタンドに支配されていた』のですよ。
そのちっぽけな脳味噌で考えてみれば簡単なコトですよ。
ガタンドは生来この土地に住んでるのです、おまけにア・ウファーヴの本当の姿を知っております。あの少女ですな。
アウファレヴァは『無知にして汚れた選ばれし者共』と名付けられております。谷の中の腐肉が神だ、と言ったら実直に信じやがったのですよ。谷の中の肉はアデリアの監獄で御座います、説明にございませんでした?アウファレヴァの一人でも谷の中の肉が蠢く死骸だ、なんて知ろうものならば、忽ち理性は太平洋まで飛んでいってしまいましょう。かくして全員が発狂してこの世からおさらば、という訳でございます。
はい?今、ア・ウファーヴ達は何をしてるか。
そうでしょうねぇ、欧州…いや亜細亜の端から人々を発狂させて、人類終末を楽しんでおられるのではないでしょうか…
おや、誰かがドアを叩いていますね……尋常じゃあなさそうだ…開けてやらねば……………