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世界の終り、そして本当の現実の始まり 3

彼女の説明によると、人間はもともとこの世界に住んでいたのだが、度重なる戦争や紛争で精神的にも追いつめられていった。


町は死んだような目をした人間であふれかえり、食料もろくに取れない状態に陥っていた。


そして人間はそんな不の感情に堪えられなくなり、BWの世界に逃げ込んだらしい。


にわかには信じがたいことであったが、目の前で衰退しきった彼女を見るとあながち嘘ではないように感じてしまう。


しかし、そうすると一つの疑問が浮かんでくる。。。


なぜ彼女は、BWに行かずにこの世界に残ったのだろうか。


現実から逃れてBWに入ったほうがよっぽど彼女も幸せだったにちがいない。


あの世界は何も起こらないが、とても穏やかで幸せだった。


緑が生い茂り、空はいつでも青く、何不自由なかった。


そんなことを考えているとふつふつと彼女への怒りが込み上げてきた。


なぜ僕をこんな世界に連れ戻したのか。


BWにいたほうが絶対に幸せなのに・・・


「ごめんなさい。BWから連れ戻すようなまねをして」


彼女はうつむきながら、再び僕にあやまった。


実は、一通りこの世界のことを説明をしてから彼女はずっとこの調子なのだ。


こうもずっとあやまられていると、怒りもなくなり、罪悪感がおそってくる。


「もういいですから。そろそろ僕をこの世界に連れ戻した理由を聞かせてもらえますか?」


彼女はゆっくりと顔を上げ、覚悟を決めたかのような顔をして話はじめた。


「いま、人間はあの塔の中に全員閉じ込められています」


「そして、塔にはすべての人間を管理するためにBWの開発に携わったメンバーが数十います。私もそこのメンバーの一人でした」


なるほど、そういうわけか。


BWに人間を送り何不都合なく生活を送らせるには誰かが犠牲になり、皆を管理するしつようがある。


「絵見さんはそこを抜けたんですか?」


「ええ。この世界に嫌気がさしたっていうのも抜けた原因の一つです」


「でも、あの塔にはもう一つ壮大な計画が隠されていたんです」


「人類を科学の力で進化させようとする計画」


「その名も新人類計画」


「新人類計画のためにたくさんの人を実験台とし、殺しました」


もうたくさんだ。


なんなんだよいったい。


新人類計画?しらないよ。


まさか、僕にそれを止める手伝いをしろっていうのか!


冗談じゃない!


なんで僕なんだ。ほかにもいっぱい人はいたはずだろ!


こんなことなら死んだほうがましじゃないか・・・


今まで、たまっていた不安感が爆発したかのように僕の頭の中は絶望感でいっぱいになった。
























指摘や感想などもらえるとうれしいです。

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