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三題噺②  作者: 如月 恭二
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三題噺

友、麦茶、シャワーの三題です。

鍛練(……と言う名のおふざけ)です。

…………鍛練です。

一人称は得意なんですがね、小説書くと大体三人称か二人称に成ると言う……。手直しの範疇に含まれますね、人称が……orz

宜しくお願いします………………。


「……暑い」


夏の日差しが、徐々に西へと傾き西日が強烈になった頃。

私はは布団の上で汗だくのままに、そう独りごちる。

──そう言えば今日は夜勤だったか。


(あ~ぁ……っと、そろそろ行く頃合いか……)


寝惚け頭を胡乱げに回転させ、時計を見遣る。時刻は十六時。

職場へ向かう少し前だと理解する。そこで意識が漸く覚醒し始める。


(ん……シャワーは、浴びる暇が無いな)


冷房を入れるべきだったかと、今更ながらに思考するがすぐに「済んだ事だったか」と他人事の様に思い直す。代わりに清拭用のペーパータオルやら、更衣する為の下着やらを鞄に放り込み始める。


「後は……お茶だな」


水分補給用のお茶も忘れない。

あまりでかい声で吹聴できる事ではないが、職場のお茶の不味さはとうの昔に知っていた。寧ろ、職場の半数以上が「不味い」と評する程だ。

かく言う私も、『カルキの味がして不味い』と言ってしまう人間だった。正直職場の麦茶と水道水とでは、大して代わり映えしないのが困りものだ。

そもそも麦茶そのものが薄い上に、沸騰すらさせていない代物だ。その麦茶がカルキと言う塩素消毒剤の味がするのも或る意味至極当然である。

それ故私は、ディスカウントストアで買ったお茶を──そうでなければ汲んできた湧水を──職場へと持ち込むのだ。

カルキの入っていないとああも違うものなのかと未だに思うものである。そう考えると学生時代、ウォータークーラーに群がった人間達が、何だか異なる趣向を持っていた様に思えてくるのだから不思議なものだ。

無論私もその中の一人でこそ有ったが。


「さて……ん、時間か!?」


思いを巡らせていて何とはなしに時計を見れば、時計は既に十六時二十分である。もう出なければならない時刻だ。荷物の中へと筆記具を無造作にぶち込み、若干乱暴に鞄を担ぐと戸締まりをしてアパートを出る。


(む、LINEが来てる)


早足で歩きながらスマートフォンを起動させれば、友人からのLINEが来ている事に気付く。


(どれどれ……?)


相も変わらず下ネタのオンパレードだ。

口に出すのも憚られる様な文句が書き連ねてある。


(自重を知らないな、こういうものは管理されてこそ成り立ってるだろうに、軽卒と言うか何と言うか……)


『お前も好きだな』と言ってやりたいが、大抵ブーメランになってしまうのが何とも屈辱だ。

取り敢えずは、『自重しろ』とでも打っておけば良いだろうか。しかし、そこで自重しないのが“HENTAI”という人種の厄介なところだ。

だが、無駄と分かっていても『自重しろ』と打つ私も大概懲りないな、と思わず苦笑してしまった。

スマートフォンを鞄に収納して、再び早足で歩く。


「さて、仕事に行きますか!」


誰にともなく、私は呟いた。

そして自身でも何となく感じる、私の気分が少なからず高揚した事を。

その後、心なしか軽い足取りで私は職場へ向かった。







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