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フィリアリアと呼ばれる世界で

ガラス球の中の妖精

作者: 絢無晴蘿
掲載日:2012/12/31



昔、腕のいいガラス職人がいた。

ある日、彼は海色のガラス球を作った。

それは人々の手に渡り、小さな少女の手に渡った。

宝石よりも美しい海色のガラス細工。

少女が光に透かしてそれを見ていると、気づいてしまった。

その美しいガラス球の中に、妖精が閉じ込められていることを。


そのガラス球は、いつの間にか人外の者をひきつける力を持っていた。

それに引かれて妖精が遊んでいると、その中に囚われてしまったのだ。

それを少女は聞くと、そのガラス球を壊そうとした。

しかし、妖精は壊さないでと哀願した。


なんで? これをこわせば、きっとおそとにでられるよ?


でも、美しい宝石が壊れてしまう!

だから、壊さないで。


どこにも行けない妖精に、少女はガラス球ごと一緒に連れていった。

独りぼっちの妖精に、少女は毎日話しかけた。

いつの間にか妖精と少女は仲良くなっていた。



ある時、商人がその妖精が捕まってしまったガラス球の存在を知り、それを欲した。

もちろん少女はそれを嫌がったが、意地の悪い商人は姦計をもってそのガラス球を手に入れたのだ。


妖精が閉じ込められたガラス球。

それは、とても面白い見世物。

しかし、ガラス球は意地汚い客によって割られてしまった。

妖精と共に。


少女はそれを知ってそのわれてしまったガラス球を取りかえして、一生懸命直そうとした。

どうにか元通りになったガラス球。

でも、そこにもう妖精はもういなかった。


ばらばらになったガラス球。

何処までも綺麗に直しても、壊れたことは変わらない。

どこか歪で歪んだ硝子玉に、妖精はもういない。

直したところで、もういない。


妖精は逃げてしまったのだろうか。

それとも、消えてしまったのだろうか。






ぼろぼろ泣きだした少女に近づく影がありました。


優しい子。泣かないで、私の友達。


それは、小さなあの妖精。






少女と妖精のその後のことはきっと誰でもわかると思うから、ここでは語りません。

きっと、笑顔で暮らしたのでしょうね。


おしまい

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― 新着の感想 ―
[良い点]  良い話だなぁと思いました。ガラス球の中の妖精って良いですね! 題材が綺麗です。そしてお話も素敵な後味を残して綺麗に終わる、綺麗な物語だと思いました。絵本にして子供たちに聞かせてあげたいく…
2013/01/01 18:25 退会済み
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