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最終話 しにたくない!!
「嫌だ……死にたく、死にたくない!!」
戦争、火の矢が飛び回り、周りの人間がだんだんと死んでいく。
無念そうに断末魔を上げて、人形のように死んでいく。
次は自分がああなるのではないかと思ってしまい、足が震える。
嫌だ、死にたくない。まだ、生きて……生きていたい!!
「助けて、助けて!!」
同じ言葉を連呼し、何を血迷ったのか矢が飛び交う戦場へと走る。
それを恰好の獲物とみられ、これでもかというくらいに矢が身体に突き刺さる。
首に刺さり、心臓に刺さり、血に塗れる。
「嫌だ…… にた ……死に く……」
首に刺さり血の泡を吹く。
心臓に刺さり血が湧き水のように溢れ出る。
もう致命傷なのに、死体蹴りのようにさらに矢が突き刺されられる。
薄れゆく意識の中、最後に見たのは敵の旗印と壁のように並んだ盾だった。