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第参話:人の大切なものと戦わせる、これが一番面白い

草木も眠る丑三つ時、彼は動き出した。

街中の屋根を飛び回り、とある建物の前で止まった。

そこの窓にガムテープを貼り付け、彼はガラスを割った。

その後窓の鍵を開けた。

彼は躊躇いなく入り、寝室へ向かった。


「くっははははは、殺し合い《ゲーム》の始まり始まり~♪」


戦争が待ち遠しいかのように、自作の歌を歌う。勿論声は抑えられているが・・・。

寝室へたどり着くと、そこに紫の粉をばら撒いた。

勿論彼は、その粉を極力吸わないように気を付けた。

袋の中の粉がなくなると同時に、寝室に寝ていた人等が痙攣し始め、口から泡を吹き出す。

そして、寝ていた人達の顔から、血の気が引いた瞬間、彼の後ろの扉が開く。


「おかえり~、転生者さん」


「貴様、誰だ!?」


そこに居たのは、金色の髪にブルーの瞳、そして妙な文字の書かれている剣を持った青年━━━デウスが立っていた。

彼はそれを見、不気味に笑った。


「忘れたのかぁ?テメェをこの世界に送った人間をよぉ。ひゃははははは!!」


「・・・・・・思い出したぞ、糞外道!」


デウスは手に持っていた剣を振り上げ、彼に思い切り振り下ろした。

彼はそれを腕で受け止め、手に持っていた小型ナイフをデウスの顔面に突きつけた。

だがそのナイフをデウスは、弾き返した。


「なるほど、反射能力か。大方、神様から貰ったんだろ?」


「どうだ糞外道、衝撃を反射する能力に、斬りつければすぐに死ぬ剣、なのだが何故か、貴様には効かないようだ」


デウスの攻撃、能力を見、彼はこのようなことを考えていた。


あーあー、馬鹿だなこいつ。能力を相手に教えるのはアホのやる事なのによ。

とりあえず分かった事は、あの剣で生物を斬りつければ、痛覚を刺激し、そのショックで死ぬといった奴だな。

怖い剣だな。なるほど、通りで負けなしな訳だ。

反射に即死の剣、こんなんなら誰でも勝てるな。

ま、その能力にも弱点は存在するんだがな。

反射は寸止めで終わるし、痛覚を刺激するのは、俺には痛覚が存在しないからな。

ま、それを相手に教えるつもりはないが・・・。


そのような事を考えていたら、デウスは彼に向かって剣をなぎ払った。

彼はそれをジャンプで避け、先ほど粉をかけた相手の様子を見た。


頃合いだな。


彼がそう思うと、粉をかけた相手が動き出した。

デウスはそれを見驚いたが、すぐにどういう物を彼らにかけたか理解した。


「卑怯な、グッ!」


彼らはデウスに襲いかかった。

だがその敵を攻撃せず、デウスは避けた。

隙だらけなのに、子供でも攻撃できたハズなのに。

何故、何故攻撃しなかったのか、それは至極簡単な理由だった。

そう、粉をかけた相手は、デウスの家族なのだ。

いくら人間が狂ってたとしても、育ての親を殺す事等出来るはずがないだろう。

勿論彼、ピトフーイはそれを知っていた。

知っていて、彼らにかけたのだ。

何故なら、ピトフーイはほぼ全ての人間の弱点を知っているからだ。


そう、生みの親は殺せない。育ての親も殺せないという、ほぼ全ての人間に存在する弱点。

ピトフーイはそれを、躊躇いなく実行した。


「どうだいガキ、俺様特製の”ゾンビパウダー”は?」

「最低だな、あいかわらず。だが、そうでなくては殺しがいが無い!」


デウスは家を崩壊させない為に、一旦外へ出た。

ピトフーイはそれを見、ゾンビパウダーに操られたデウスの親と一緒に外へ出た。


「殺せ」


ピトフーイの命令により、デウスの親はデウスに攻撃を加えた。

と、同時にピトフーイもナイフを構え、デウスに向かって走り出した。

デウスはゾンビパウダーによって操られた親の攻撃を避けた。

それを見、スキを作ったと思ったピトフーイはデウスに向かってナイフを振り下ろした。

だがデウスはそれを避け、ピトフーイに斬りかかった。

のだが、刃が当たる寸前に、横から火の玉が打ち出された。


「火ッ火ッ火ッ火、一人で殺りあうなんて酷いぜ」


「・・・なるほど、”ゾンビパウダー”で親を操り、実の息子を殺させる。勿論息子は親を殺せない。そしてパウダーの効力が切れた時、親は自分の行いに絶望し、自殺。

非道い殺り方ですね」


そこには、右手から煙を出しているパイロと、寝ぼけ眼のフォースが居た。


「まあ、前はすぐに殺してたが、流石にこいつはそうはいかんのでね。

まあ、こいつ《ゾンビパウダー》の実験としても丁度よかったからな」


ピトフーイはデウスの攻撃に対し、デウスの両親を盾にした。

勿論デウスはすぐさま起動を反らしたが、それは同時に大きな隙を作ってしまった。

ピトフーイはデウスの顔面に思い切りナイフを突きつけた。

血飛沫がピトフーイの服に掛かる。その血飛沫の掛かった服を見、露骨に嫌な顔をし、デウスの腹を思い切り蹴った。

勿論寸止めではあるが、デウスの能力により外向きの反射を内側に変換する。

それによりデウスの腹に衝撃が伝わった。


「がっ・・・!」


その声を最後に、デウスは脈を止めた。

ピトフーイはデウスの死体と、デウスの使っていた剣を持ちを担ぎ、ギルドへ向かった。


その道中、ふとある事を思い出した。


「あ、果実忘れてた」




「姫様~、ランセルトン王国が、あの少女を捕えたとの情報が・・・」


アテナが新聞を片手に、姫に新聞に載っていた情報を教える。

それを聞き、姫は一人の兵士を呼んだ。


「アプルス、準備を・・・。ついにあの国が捕らえたようよ、永かったわ」


「ハッ、姫様! しかし、ピトフーイはどうなされますか?」


ピトフーイは今、ギルドの依頼を受けている。

もっとも、すでにその依頼は達成しているのだが、彼女等がそれを知る術など無い。

姫は少し考えたあと、アプルスにこう伝えた。


「ピトフーイが帰ってきた時に知らせればいいでしょう。と言う事で、貴方には残ってもらおうと思っています」


「ハッ、姫様」


姫は口の橋を僅かに上にあげた。


━━どのようにしてあの女を捕まえたかは知らないが、こちらとしては好都合。あの女を捕まえてやる。


姫の笑い声は、誰にも聞こえなかった。

そして、ピトフーイがこの世界に来て初めての、戦争が始まった。

えー、ゾンビパウダーについて知らない人のために、簡単な説明をしようと思います。

ええ、書く内容がないんです。


ゾンビパウダーとは、ゾンビ・パウダーの起源はナイジェリアの少数民族であるエフェク人やカラバル人にあるとされる。

西アフリカ社会では伝統的な刑法としてこの毒が用いられており、これが奴隷達により西インド諸島に持ち込まれた。

一般に『ゾンビ・パウダーにはテトロドトキシンが含まれている』と言われている。

この毒素を対象者の傷口から浸透させる事により仮死状態を作り出し、パウダー全量に対する毒素の濃度が丁度よければ薬と施術により蘇生し、濃度が高ければ死に至り、仮死状態にある脳(前頭葉)は酸欠によりダメージを負うため、自発的意思のない人間=ゾンビを作り出すことが出来る。

ゾンビと化した人間は、言い成りに動く奴隷として農園などで使役され続けた(wiki調べ)。

まあ、この小説では粉末にしたカエンダケ、サキシトキシン、テトロドトキシンなど自然毒と、アジ化ナトリウム、クロロホルム、サリン等人工毒を調合したあと、

この世界に生息する魔草と一緒に調合して作っています。なのでいい子は作らないようにしよう。


ちなみに、親たちはこのあとどうなったかは、お楽しみです。


誤植・ご指摘などがありましたら、お気軽に感想欄に書いてください。

では次の投稿を、あまり期待せずにお待ちくださいませ。

短くってゴメンね。

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