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第壱話:魔法の世界と言えば、デ●●●ー?馬鹿、黒い服の人が貴様を迎えに来るぞ!!

四畳半の部屋、其処に似合わぬちゃぶ台に若干フケが見える、ちょっと太った青年が、ジャムビンの蓋を開けようと顔を真っ赤にして頑張っている。

力んだ結果、そのビンが偶然空いてた押し入れに入ってしまった。

そしてそれを追いかけたのだが、ビンを右手で捕った瞬間、彼を光が包む。



「あー、これどうしちゃいます?」


「せっかく呼び出したんですし…そうですね、とりあえずあのジャムを食べてみたいですね」


「あのー、これどういう状況ですか?」


ジャムビン片手に、パジャマの青年が女座りで、魔法陣の真ん中に居た。

そして彼の目の前には、長髪のゴスロリ風の女性と、貧乳で長髪の少女が居た。

そして何故か彼は、結構痩せていた。

そりゃもう痩せた。大分と痩せた。


彼女らは知らなかったが、召喚された生物はカロリーが意外と飛ぶのである。

どんくらいと飛ぶかと言うと、普通の体型の人がガリガリになるくらいである。

分かりにくい?イメージしろ!


「あ、すいません。これどういう状況ですか?」


「簡単に言うと、貴方、召喚されました」


「なるほど、理解した。あ、そうだ。パン頂戴。朝食まだなんだよ」


「あっ、すいません。では食堂へ移動しましょうか」


ゴスロリ服を着た女性が、大きな椅子から立ち上がった。

それを見、彼はあれ、ここ何処だ?と、今になって疑問に思った。

もっとも、すぐに食欲に負け、そのことを忘れたが…。


彼女らは食堂へと移動すした。

途中、彼が扱けて顔面を思い切り打ち、鼻血が止まらなくなってしまった。

だが、貧乳の方の両手に、光が灯り彼の鼻へと近づけた。

そして、鼻血が止まったのである。

それには彼も心底驚いた。何故なら、彼の住んでいた世界ではありえなかったからである。

もっとも、彼はRPGを大分とやりこんでいたので、すぐに治癒魔法と理解した。


「━━━━で、貴方を呼んだのです。聞いてますか?」


「うん、あんたが姫様って事と、この世界ではブルーベリージャムが無い事は分かった」


「全然聞いてないじゃないですか!あっ、アテナ、そのパン私にもください」


貧乳の幼女はアテナと言うようだ。

そしてさっきまで顔を真っ赤にして怒っていたゴスロリの女性が、パンを食べた瞬間笑顔になった。

ブルーベリージャム、凄いね。彼はそう思った。


「ブルーベリー、ですか……。この絵に描いてある木の実、たしかランセルトン王国周辺に実ってましたね。今度、採りに行ってきますね、姫様」


「ええ、お願いします。で、貴方を呼んだのはこの世界を救ってほしいからでして…」


そして、彼はこう思った。

俺、凄く場違いじゃね?つうか、なんで俺?俺、凄く弱いんだけど?


「なるほど…あっ、水おかわりお願いします」


メイド服を着た女性が、水の入った瓶をガラスのコップに傾け、コップに水が注がれた。

それを彼は勢いよく飲みほし、ジャムの甘さを洗い流した…が、若干舌に残った。


「って、本当に聞いてます?しまいにゃ怒りますよ?」


「アー聞いてる聞いてる。あれでしょ?この国にはブルーベリーが実ってないんでしょ?」


「それはどうでもいいのです!」


ゴスロリ服の少女、姫は顔を真っ赤にして怒った。

それを彼は眺め、少しほのぼのした。が、姫は手に持っていた食パン(食べかけ)を彼に投げつけた。

それを両手でキャッチし、ジャムを姫様が投げたパンにつけて口に運んだ。


「世界を救ってほしいって事でしょ?」


「しっかり聞いてるじゃないですか!」


彼は何故か昔から、瞬間記憶能力が備わっていた。

だが何故か、野郎の言葉は覚えられないのだが…。

彼は普段から疑問だった。何故、野郎の言葉は記憶に残らないのかと。

そして、興味が無いからという結果に至った。


「で、何すればいいの?」


「………はあ、簡単に言うと、とある国との戦争を手伝ってほしいのです。

今のままでは明らかに戦力不足、なので強力な助っ人を異世界から呼び寄せようと思ったのですが…。

まあ、人は見かけによらないと言いますしね。貴方は何ができますか?」


「あ、もう無くなっちゃいました~。どうしましょう、姫様~」


ゴスロリ服の姫は、拳を握り怒りを我慢しているように見えた。

いや、実際我慢しているのだろう。それはそうだ、全然話を聞かない人間と、食いしん坊の幼女。

それはもうストレスが溜まるであろう。


「まあ、瞬間的にものを記憶できる能力と、物を作るのが得意だな

後少々毒学を…」


「まあ、それは凄いですね!で、姫様。どういった能力なのですか?」


「あんた、魔道書保管庫の保管主の娘でしょ。なんで知らないの」


「そりゃ、私魔法学一筋ですので~」


彼は若干カビの生えたパンに、メイドから貰ったマーガリンをそんなに!?というくらいつけ、それを口へと運んだ。

それを見た姫とアテナは、胸を押さえた。

何故なら、常人なら見るだけでも胸焼けするくらいだからだ。


「なるほど、ならそこは何処にある?あいにく俺は、全然魔法に詳しくないのでな」


「というか、異世界から召喚されたのに怒りを感じないんですね」


「そりゃそうさ、あの世界では俺の能力はあまり生かされないからね」


それを聞き、彼女らはその世界にすごく興味を持った。

それもそうだろう、自分の知らない世界の話なのだから…。


「そうですか。その事について是非詳しく聞きたいですが、今は疲れてるでしょう。今日はゆっくり休みなさい」


そう言われても、彼は何処で寝ればいいのか全くもって解らないのだ。

その事について聞こうと口を開こうとした瞬間、姫と呼ばれた少女がいきなり席を立った。


「ついて来て下さい」


彼女がそう静かに言ったので、大人しくついて行く事にした。

彼女が向かった先は、男が大量に居るホモが見たらすごく興奮するだろうと言った場所だった。

そして姫と呼ばれは少女は、一人の少年をこっちへ呼んだ。


「今日から貴方のルームメイトとなる人です。よろしくお願いしますね、アプルス」


「はい!とりあえずお前、風呂に行くぞ!フケが多すぎだろ常識的に考えて…」


アプルスと呼ばれた少年は、彼の手を握り風呂場へと向かった。

彼の家は水が止められてしまっていたので、風呂に入れなかったのだ。

近くに銭湯や温泉も無かったので、もう1週間も入ってなかったのだ。


「…なあ、ちょっと体細くないか?こんなんでは、ろくにつばぜり合いも出来ぬぞ?

あっ、アレースさん。お疲れ様です!」


そこは大きな風呂場だった。

そう、銭湯のような感じの…。


アプルスと呼ばれた少年があいさつした先には、いかにも斧を使って豪快に戦っているであろうといったような中年?いや、青年が居た。


「おう、新入りか?まああんま固くならずに気楽に楽しんでくれ!ガッハッハッ!」


「あ、はい」


アレースと呼ばれた人は、笑いながら全裸で風呂場を出ようとしたのを、アプルスと呼ばれた少年が慌てて止めた。

それを横目に、彼は風呂場へ向かった。


そこは緑の宝石のようなのがところどころに見られた事以外は、普通の風呂場だった。

まずは頭を洗うため、彼はシャワーを探した。

緑の宝石のようなのが入っているところに、シャワーがあった。

仕組みは元居た世界と同じだったので、とりあえず頭を洗う事にした。


そして頭を洗い終わり、体も洗い終わった瞬間にアプルスと呼ばれた少年が彼の隣に座った。


「なあ、お前の名前はなんていうんだ?」


彼はこの世界が、日本と明らかに違うのが解っていたので、何かいい名前が無いか思考を駆け巡らせた。

そしてふと、ある毒鳥と化合物の名前が浮かび上がった。


「……ピトフーイ、ピトフーイ=テトラクロロエチレン」


「変な名前だな」


彼も自分で名前を言ってみて、変だと思った。

ピトフーイは自分が気に入ってる鳥の名前なので、とりあえずその名前を自分に付けてみたようだ。

そしてこれからは、彼の事をピトフーイと呼ぶ事にしよう。


「俺は先に上がるぞ。少し調べたいのがあるのでな」


「魔法か?やめとけ、あれは天才しか覚える事ができないぞ」


「残念、俺は瞬間記憶能力。簡単に言うと、俺の見た事は全て脳と言う本に書き記されていくんだ」


アプルスと呼ばれた少年。いや、もうアプルスと呼ぶ事にしよう。アプルスはなにそれ?といった顔をした。

そして自分の能力は、あまり有名じゃないだね…と悟った。


「あ、今日徹夜で麻雀する予定だからよかったら来い」


「麻雀のルールは知らん、なので俺は寝る!」


「まだ8時ぞ!?」


ピトフーイは昨日、徹夜でRPGでレアアイテムが出るまでやっていたので凄く眠いのだ。

そしてピトフーイは、自分の部屋が解らないので偶然其処へ居たアレースさんに教えてもらい、布団に潜りこみ意識を手放した。

その後、深夜3時に起きたのをアプルスに驚かれたのはまた、別のお話。

知ってる人は知っている、初めての人は初めまして。ナムです。

私は小説を書いてるのですが、ふと思ったのです。


「女性分が足りない!」と。


はい、どうでもいいですね。

まあ、気に入ったらお気に入りに入れといてください。

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