レーモン・クノーと読書家連中に憧れて
いったいそれがなんの番組だったのか、よく覚えていないのですが……食いしん坊万歳だったか、鉄腕dashだったか、その時歴史が動いたのか? ええと、たぶん、嵐にしやがれ、だったような? そこに誰かが出演していて……ええと誰だったでしょう? 修造? 昌宏? 洋右? それとも、正剛? そう、正剛です。楢崎正剛。ただ……それはキーパーでなくて、楢崎でもなかったような……たぶんそうだったんじゃないかと思います。つまり松岡正剛。たった五~六分間しか出演していなかったのに、なぜそれが鮮明に記憶されているのやら……なにか、こう、多読、しかも「しるしる」する性質の……しるしるとは何だったかというと……青と赤のラインマーカーでキーワードを丸で囲むような? 本を汚すこと? ああ、そうだったかもしれませんが……。
その方とシャウエッセンがわたしの脳内で……荒唐無稽な……。喧嘩をはじめました。そう、そうです、相手はシャウエッセンで、そいつは多読は害悪だと言い張っていて……え? ショウペンハウエル? ああ、そうだったような……なかったような……あまりに香ばしいかおりがするものですから……。え、なにが香ばしかったかって? それは、ええと……、主張が、でして、とにかく、多読万歳の正剛と、多読死すべしのショウペンハウエルが喧嘩をはじめたんです。わたしですか? わたしは……たしか、まわりで観ていたとおもいます。ええ、アドラーとドーレンと一緒だったような……。
たしかに彼らと一緒だったんじゃないか、と思うのですが、のめりこむようにききいっていました。でも、正剛とショウペンハウエルがいきおい哲学めいたことばをはきだしはじめると、アドラーとドーレンは烈火のごとく怒りだして、そう……戦争をはじめました。わたしも2人といっしょになって闘っていて……。
ええと、それで、これが何の話だったかというと、ええと、ええと、ええと……そう、農薬にかんするエッセイをよんでいて、アドラーとドーレンが怒りだした話です? とっさにわたしは、この本を二人におしえて、怒りをなだめたのだったような……。
●畝山智香子『ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想』化学同人社、2009年.
http://www.kagakudojin.co.jp/book/b56069.html
わたしは発売日に運よくちいさな学生街の本屋にうずくまっているのをみつけて、よんだのだったような……。つい先日、有楽町交通会館にある三省堂にも陳列されていたような……。内容は、農薬にかんするトンデモ話をばっさり客観的に切り捨てていて、消費者の先入観だけの「安全・安心」を的確に解説していたきがするのですが……さだかではありません。
ショウペンハウエルと松岡正剛が唯一意見を一にしたことですが、駄文に時間を奪われてはならないといっていた気がしますが……。そういう中で、この本はまさに良質な知識を正しい視点から適切な視点で習得できる良書であったような……。たしかそういうかんじで…ええと、ええと、ええと……
2011.2.23作。一部改。
※当初「活動報告」に投稿したもの。