定理4:【覚醒】
高度一万メートル。
絶対零度に迫る極寒の成層圏は、今や致死性のマナの奔流と鼓膜を粉砕する轟音が渦巻く、灼熱の溶鉱炉と化していた。
王都の空を物理的に押し潰すかのように居座る巨大な鏡面の立方体、ウェザー・リポート。
その無機質で圧倒的な威容に立ち向かうのは、白銀の流星と化した、アスナ・クライフォルトだ。
彼女が成層圏に到達した瞬間、立方体の表面に無数の幾何学的な紋様が浮かび上がり、重厚なハッチが一斉に開け放たれた。
そこから射出されたのは、王都の地脈通信網を食いちぎる魔導カラスの大群。
さらには、空間の歪みに溶け込み視覚とレーダーを完全に欺く光学迷彩型のステルス・キラー機群、そして、自律思考を持ち多角的なレーザー網を展開する鏡面ビットの群れが、アスナというたった一つの生命を完全に消去するためだけに空を埋め尽くしたのだ。
ミサイルとビームの弾幕が、彼女の視界を物理的に真っ白に染め上げた。
常人の反射神経であれば悲鳴を上げる間もなく原子の塵と化している絶対死の豪雨。
だが、アスナの背中から噴出する青白いプラズマの炎が極限まで膨張し、彼女は急加速で弾幕のわずかな隙間へと機体をねじ込んだ。
全身の骨格がミシミシと軋み、内臓が重力加速度によってひしゃげるほどの強烈な負荷が竜人の強靭な肉体を襲う。
だが、彼女の黄金の瞳は全く揺るがず、ただひたすらに敵の急所のみを睨み据えていた。
『アスナ君!大丈夫か!右舷と頭上からステルス型の熱源反応が迫っている!データをそちらのバイザーにリンクさせる!そのまま押し通れ!』
地上からモニターを凝視するエラーラの、魂の底から絞り出すような熱い通信が耳元で響き渡る。
「エラーラ、私を誰だと思っているのですか!」
アスナはエラーラの指示よりもコンマ数秒早く反応し、ブースターの側面に仕込まれたワイヤーアンカーを一気に射出した。
何もない虚空に向かって放たれた強靭なワイヤーは、光学迷彩を纏って忍び寄っていたステルス機の装甲に深々と突き刺さる。
「お前たちは、規制局の取り締まり対象です!」
アスナはワイヤーで捕縛したステルス機を巨大な鉄球のように空中で振り回した。
遠心力によって加速されたステルス機は、密集して迫っていた魔導カラスの大群に真正面から激突し、大爆発を引き起こす。
爆炎が新たな爆炎を呼び、敵の密集陣形に巨大な風穴が空いた。
アスナはその隙を逃さず、メインスラスターを全開にして爆炎のトンネルの中を超音速で駆け抜けていく。
『アスナお姉ちゃん!左前方から自律ビットの包囲網が展開されてるよ!』
グリッチの歓喜に満ちた悲鳴のようなサポートが飛ぶ。
『アスナさん!魔力回路のバイパス、全て開いたわ!思いっきりぶっ放してやりなさい!』
『リミッターは私が物理的に叩き割っておきましたわ!手早く片付けてしまいなさい!』
ナラティブとアリシアのバックアップを受け、アスナはブースターに搭載された全ての違法兵装を同時展開した。
肩部からは高圧縮マナの散弾砲が、腰部からは空間圧縮弾が、そして両翼からは極太の荷電粒子砲が一斉に姿を現す。
バイザーの視界が真っ赤なロックオン・マーカーで埋め尽くされた瞬間、アスナは自らの竜の魔力を機体に直接流し込み、咆哮した。
「全門開放、全弾発射です!」
絶叫と共に、ありとあらゆる破壊のエネルギーが嵐となって撃ち出された。
重力の網を物理的な熱量で焼き切り、周囲を取り囲んでいた自律ビット群をチリ一つ残さず蒸発させる。
空に極彩色の爆発の花が乱れ咲き、アスナはその業火の中を舞う死神のように、次々と敵の戦力を削り取っていった。
『無駄な足掻きだ!』
通信回路に強制的に割り込んできたのは、シュピーゲルの無機質で醜悪な声だった。
『いかに装甲を纏い、力任せに暴れようとも、私の計算と論理の枠を超えることは決してない!お前のその抵抗すらも、私のシナリオの一部なのだ!』
「黙りなさい!貴方のその吐き気を催す独りよがりな論理など、私がこの拳で粉々に砕き散らしてやります!私はもう、過去の弱い私ではない!王都魔導規制局のキャリア官僚、アスナ・クライフォルトです!」
アスナの黄金の瞳がさらに激しく燃え上がったその時、立方体の表面が不気味に波打ち、鏡面装甲の奥から尋常ではない魔力が極限まで圧縮されるのが見えた。
これまでの兵器とは全く次元が違う。
星をも容易く両断するであろう、絶対包囲殲滅のための超極太レーザー砲が、アスナの機体を完全にロックオンしていた。
回避は不可能。防壁を展開しても紙屑のように消し飛ばされる圧倒的な破壊の光。
『アスナ君!直撃する!』
エラーラの切羽詰まった声が響く。
アスナは瞬時に決断を下し、機体の操縦席の奥深くにある、赤く塗られた強制パージのレバーを力の限り引き抜いた。
機体の両翼を構成していた巨大なサブスラスター、重厚な追加装甲、そして全ての武装ユニットが、爆砕ボルトの起動と共に一斉にパージされる。
直後、空を真っ白に染め上げる絶対殲滅のレーザーが放たれた。
だが、パージされた分厚い装甲と重火器群が強固な物理盾となり、一瞬だけ、本当にコンマ数秒だけ、ビームの直撃を食い止めたのだ。
そのほんのわずかな死角を突き、極限まで軽量化されたアスナの本体ユニットが光の檻から間一髪で脱出する。
パージされた武装群がレーザーの熱量によって大爆発を起こし、アスナはその凄まじい爆風を背に受けてさらに加速し、ウェザー・リポートの絶対防衛ラインを完全に突破した。
放たれたアスナの残存火器の最後の一撃が敵の砲門を残らず一掃し、極寒の成層圏に一瞬の静寂が訪れる。
勝った。
地上でモニターを食い入るように見つめるヴェリタス探偵事務所の全員が、確信した。
その時。アスナの網膜に投影されたバイザーの視界に、突如として真っ赤なエラーコードの文字が滝のように走り抜けた。
「……え?」
それは物理的なミサイルでもビームでもなかった。
シュピーゲルが最初からこの防衛ライン突破という結末すらも予測し、空間の死角に巧妙に仕掛けていた、極めて嫌らしい時間差の論理トラップ。
愛という名の呪詛を極限まで圧縮し、精神と物質の両面から対象を破壊する不可視の論理崩壊波が、無防備なアスナの背後から音もなく、しかし、確実に直撃したのだ。
「わあああああああああああああっ!」
アスナの悲痛な絶叫が通信機を通じて王都の空に、そして探偵事務所のスピーカーから痛切に響き渡る。
論理波はアスナの搭乗するブースターの残存機能を完全に破壊し、動力源として搭載されていた違法魔力結晶を臨界点へと強制的に引き上げた。
巨大な、あまりにも巨大な爆発が空を純白に染め上げた。
太陽が王都の真上に墜ちてきたかのような凄まじい閃光と爆風が、下界の雲を完全にドーナツ状に吹き飛ばす。
「アスナああああああああッ!」
普段の冷徹な仮面を完全に投げ捨てたエラーラの、自らの魂が引き裂かれたかのような絶叫が事務所に轟いた。
モニターに表示されていたアスナの生命維持シグナルが、無慈悲な警告音と共に完全にロストし、画面が砂嵐に変わる。
『所詮は単なる人間じゃないか!ハハハハハ!』
スピーカーから、シュピーゲルの醜悪な高笑いが王都中に響き渡る。
『逆境に抗い、足掻くその姿、最高に美しかったぞ!だが、これで終わりだ!愛の前にひれ伏すがいい!』
ヴェリタス探偵事務所は、深い絶望の闇に完全に沈み込んだ。
ナラティブは力なく膝から崩れ落ち、愛用の鉄扇を床に落として、アスナの名前を呼びながら声を上げて咽び泣いた。
アリシアは信じられないものを見るように目を見開き、両手で顔を覆って立ち尽くし、計算機を床に落として粉々に砕いた。
グリッチは端末の真っ暗な画面を見つめたまま、小刻みに肩を震わせ、その狂気の瞳からすらも光が完全に失われていた。
誰もが、アスナの敗北と、強大すぎる悪への果てしない怒りと、大切な家族を失った絶望的な悲しみで、心が完全にへし折られていた。
完全に、敗北した。
もう、終わりだ。
希望の光は、いま、潰えた。
全ては、あの狂った哲学者の論理の中に飲み込まれてしまうのだ。
誰もがそう思い、深い絶望の淵に沈みかけた、まさにその次の瞬間であった。
王都の空を覆い尽くす巨大な爆炎の中心、激しく渦巻く黒煙と灼熱の炎のその最奥に、ふらりと立ち上がる一つの人影があった。
『……な?』
シュピーゲルの醜悪な笑い声が、王都の空に亀裂を走らせる。
涙に濡れた顔を上げたナラティブが、震える指で天空を指差した。
アリシアが粉々になった計算機の破片を握り締め、画面を凝視する。
グリッチの目に、再び狂気と歓喜の光が宿る。
逆光の爆炎の中、その人影はゆっくりと、しかし圧倒的な生命力と力強さで、真紅のマナを強烈に帯びた巨大な竜の双翼をバサッと大きく広げた。
機動を制御するための拘束具であったブースターの残骸は完全に消え去り、そこには煤に塗れながらも、怒りと決意に満ちた黄金の瞳を爛々と輝かせるアスナの姿があった。
熱で焼け焦げた制服のインナーから覗く白い肌には、竜人としての頑強な鱗が浮かび上がり、極太の尻尾が空気を打って乾いた破裂音を鳴らしている。
「アスナ!…………君は!」
エラーラがモニターにすがりつくようにして、魂の底から歓喜の絶叫を上げる。
「私は……」
アスナの声は、もはや通信機を通さずとも、空気を直接震わせて地上の仲間たちの魂へと直接響き渡っていた。
巨大な竜の翼。鋭く研ぎ澄まされた両手の爪。大気を打つ極太の尻尾。そして、迷いを完全に断ち切った黄金の瞳。
「魔導規制局の官僚にして……誇り高き、飛竜よ!」
アスナは、覚醒した。
アスナの圧倒的な宣言と共に、極寒の成層圏で凄まじい肉弾格闘戦の幕が切って落とされた。
もはや、ミサイルもビームも、小手先の兵装も一切必要ない。
アスナは自らの魂の熱量と怒りをそのまま拳に乗せて、ウェザー・リポートから際限なく繰り出される無数の防衛兵器群を、純粋な暴力で物理的に粉砕していく。
音速を置き去りにする異常な踏み込みで、新たに射出された重装甲の騎士型防衛ユニットの懐に潜り込む。
左手で金属の塊である敵の分厚い胸部装甲を強引に鷲掴みにし、自らの身体の数倍はあるその巨体を頭上へと軽々と持ち上げる。
そのまま右手の拳を限界まで後ろに引き絞り、鋼鉄の装甲ごと渾身の力で真正面から殴りつけた。
メキィッ!という凄まじい破壊音と共に魔導合金の装甲が完全に陥没し、アスナはそのまま敵の内部へと右腕を深々と突っ込んだ。
「お前たちの空虚な論理など、私の拳の前では紙切れ同然です!」
引きちぎるように中身の重要回路と魔力線を力任せに引きずり出し、機能停止した残骸を迫り来る別の敵機へと投げつける。
圧倒的な、暴力。
理不尽なまでの、生命力。
これが、真の竜の姿。
恐怖という概念を持たないはずの機械の防衛ユニット群が一斉に後ずさりして距離を取り、遠距離からのレーザー砲撃と誘導ミサイルによる弾幕展開へと戦術を切り替える。
だが、アスナは両腕を前方に突き出し、竜の根源たる灼熱の熱量を極限まで高めた。
「焼き尽くす!」
両腕の先から放たれたのは、先程までのミサイルなど比較にならないほどの、超高圧縮された真紅の火炎弾の凄まじい連射だ。
それは大気中の酸素を燃やし尽くしながら敵の陣形に次々と直撃し、魔法障壁ごと分厚い装甲を瞬時にドロドロのマグマのように融解させ、次々と撃墜していく。
しかし、シュピーゲルの執念と悪意はまだ終わらない。
アスナが火炎弾を連射するその死角から、光学迷彩を解いた二機の特化型白兵戦ユニットがアスナの左右の腕に強引に組み付いた。
強力な魔力ロック機構が作動し、アスナの火炎を放つ両腕が完全に空中で固定される。
そして正面から、アスナの胴体を真っ二つに両断せんと、巨大なプラズマブレードを構えた最強の重装甲刺客が音速で迫る。
両腕を封じられ、回避不能の絶体絶命の危機。
『散れ!出来損ないのバグめ!』
シュピーゲルの勝利を確信した醜悪な叫びが響く。
だが、アスナの黄金の瞳は全く揺るがなかった。
彼女は大きく息を吸い込むと、迫り来る敵を正面から見据え、口を大きく開いた。
喉の奥で、両腕から放ったものとは全く次元の違う、星の核にも等しい究極の熱量が極限まで圧縮される。
地鳴りのような轟音と共に口から放たれた極太の火炎弾が、正面の敵をプラズマブレードごと完全に飲み込んだ。
超高熱の奔流は、最強の刺客を一瞬にして蒸発させ、背後の雲海すらも真っ二つに切り裂いた。
そのままの勢いで、アスナは両腕を固定していた二機の敵機体を、竜の圧倒的な膂力でギリギリと握り潰す。
断末魔の機械音と共に、二機の敵はただのスクラップの塊と化して空へ散った。
「これで……最後です!お前の妄言も、全て終わらせます!」
アスナは垂直飛翔し、重力を完全に振り切って遥か上空へと到達する。
そして、眼下に広がるウェザー・リポートの巨大な本体、その中枢たる鏡面のメインコアに向かって、流星の如く超高速落下を開始した。
大気圏の摩擦熱で全身が赤熱し、自らが巨大な火球のようになる中、アスナは両手の鋭い爪を前面に突き出し、防御フィールドごと立方体の分厚い装甲を強引に引き裂く。
幾何学的な紋様が悲鳴を上げて砕け散り、アスナはそのまま巨大な中枢ユニットの核を両手で鷲掴みにした。
「うおおおおおおおおッ!」
凄まじい推進力と重力加速度を利用し、アスナは敵のコアを掴んだまま斜め下へと一直線に急降下を続けた。
目指すは地上。王都の郊外に広がる、人気のない荒れ果てた荒野へと、アスナは敵のコアを掴んだまま巨大な隕石の如く激突した。
大地を根底から揺るがす大轟音。
王都の市民たちが地震かと錯覚するほどの衝撃波が吹き荒れる。
だが、アスナの突進は止まらない。
「わああああああああああああッッッ!!!」
絶叫しながら敵のコアを地面に激しく叩きつけ、そのまま自らの飛行推力と強靭な脚力を使って大地を深く抉りながら、百メートル近くも一直線に荒野を引きずり回した。
岩盤が砕け散り、土砂が津波のように舞い上がり、異常な摩擦によって激しい火花と黒煙が上がる。
そして、ついに立ち止まった。
静寂。
アスナは、その、ボロボロになった巨大なコアを軽々と頭上へと持ち上げ、再び顎門を大きく開いた。
超至近距離からの究極のドラゴンブレスの充填が開始される。
「はーーーっ……ぁあああ!……あああ……!」
周囲の空気が熱で歪み、小石が宙に浮き上がるほどの「圧倒的」なマナの奔流。
完全なる死の気配を前に、コアの内部からシュピーゲルの見苦しい絶叫が響き始めた。
『ま、待て!論理的に考えろ!じゃあ、そうだ!私の存在は、この世界わー維持するための必要悪として機能している!あっじゃあ、私を破壊すれば、じゃあ、生態系のバランスが崩れ、未知のバグが発生するかもしれない!私を生かしておくことこそが最も合理的な愛の形……だよ?』
デタラメな命乞い。詭弁の極致。自らの罪を一切認めず、ただ生き延びるためだけに言葉を弄する究極の外道の姿。
『チッ!……お前をここまで強くしたのは私が与えた逆境だ!これは愛だったのだ!娘よ、私への無礼を謝るのだ!もしくは、感謝をするのだ!そうすれば、命だけは助けてやる!』
「…………ああぁぁ……!」
アスナは無言のまま、ただ静かに、しかし確実に炎を充填していく。
だが。
その黄金の瞳の奥に、ほんの一瞬だけ、微かな迷いの影が射した。
その一瞬の逡巡を、エラーラは見逃さなかった。
雑音混じりの通信機越しに、エラーラの鋭い声が王都の空気を切り裂いて飛ぶ。
『──決断するんだ!』
アスナの瞳がハッと見開かれる。喉の奥の炎がさらに熱を帯びる。
エラーラはモニター越しに、魂の底から叫んだ。
『考えるな!魂で視ろ!アスナ!目の前にいるのは何だ!君は過去ではない!未来に屈するな!今の君は、君自身の現在だ!』
その言葉が、アスナの中の最後の迷いを完全に焼き払った。
彼女の帰る場所は、あの狂った哲学者の血塗られた箱庭ではない。
毎日ドーナツを取り合い、借金に追われ、理不尽な爆発に巻き込まれながらも、確かに体温の通い合うあの騒がしい探偵事務所こそが、彼女の真実の居場所であり、彼女が自ら選び取った真の家族なのだ。
『アスナ!全部、燃やし尽くして、帰ってきなさい!』
ナラティブの熱い叫び。
『アスナさん!今夜の夕食はハンバーグですわよ!』
アリシアの温かい声。
『お姉ちゃん、やっちゃえ!王都の魔力、全部お姉ちゃんの炎に回しといたから!』
グリッチの狂気の激励。
アスナは、一切の迷いを捨て去り、明日へと向かって、究極の熱を解放した。
「……消えなさい!」
アスナの口から、超至近距離での究極のドラゴンブレスが発射された。
それは全てを浄化し、全ての悪意を根絶する絶対の業火。
シュピーゲルの命乞いごと、コアユニットを完全に飲み込み、融解させ、原子の塵へと完全に還元していく。
平行世界のシュピーゲルと、地上のシュピーゲル、そしてウェザー・リポートの演算機は完全に同期されていた。
そのため、コアの消滅と同時に空の立方体は音を立てて崩れ去り、地上で拡声魔法を喚き散らしていたシュピーゲルもまた、自らの論理の崩壊に耐えきれず、断末魔の絶叫と共に完全に消滅した。
全てが終わり、荒野に静寂が訪れる。
アスナは大きく息を吐き出すと、真紅の翼と極太の尻尾をゆっくりと仕舞い、いつもの細縁眼鏡をかけた官僚の姿へと戻っていった。
煤だらけの服のまま空を見上げると、そこには、美しい王都の星空が広がっていた。
主題歌:HEATS 2021
https://youtu.be/E7QuhzJqDp8?si=QRW2HAiwJKx0mN4x




