第四話 世界のことについて
最初は俺の純粋なる疑問から始まった
…そういえば、ヴェガ…人間が4人しか観測されてないとか言ってたよな…こっちの世界じゃ亜人とかが当たり前なのか…?せっかくだし聞いてみるか
「なぁヴェガ」
「ぁんだよ?」
ちなみにヴェガはヴェガルって呼ぶのがめんどくさくなったので愛称呼びしてるだけである。1文字しか減ってないけど
「そういや人間が4人しか観測されてないとか言ってたけど、この世界の構図?ってどうなってんだ?暇だし教えてくれよ」
そう言うとヴェガは驚いたような表情を浮かべた後、二へっとは少し口角を上げて俺に近寄ってくる
「おぅし!ならいろいろ喋るか!アタシも暇だったしな!」
正直、この世界に来てから世間知らずにも程があったから、世界のことについて知れるのは少し嬉しかった。ヴェガにまともな説明ができるかは分からないけど…
「ほんじゃあまず、この大陸の国について。小国はそこらにあるからいちいち名前なんて覚えなくていい。とりまこの国を覚えときゃいぃってのはいくつかあるから今から言う国は頭ん中残しとけよ」
「うぃっす。なんだか先生みたいだな」
少し授業を受けているみたいだった。ヴェガの喋り方とか本当に居そう。ただまぁ…こんなワクワクしないけど…
「まず、エルグラント王国。先代王エルグラントとかいうどーも自己顕示欲の高ぇ王が居た南側に位置する国だ。この国はとにかく情報網が優秀で、各所に基地が置かれてる。個々の戦闘能力は微妙だけど随分と面倒だから気を付けろよ」
ふむ、とにかく数でごり押す系かな?ま、実際に対立しなけりゃ問題なさそうだし、味方につけられたら結構デカそうだな。支部も多いってことは救援要請さえすればすぐに来るってことか。敵になると一瞬で厄介になるな…
「そして次、ラグナス帝国。この大陸のど真ん中にある最大の国だな。経済と軍事力がイカれてて領域もアホみたいにデケェから世界中でも上位に君臨する国だ。こっから四大英雄とか呼ばれる輩が排出されたって歴史があったり。この国と戦争をしたら絶対負けるらしいぞ。」
ほへぇ〜…そんなデケェ国が…にしても四大英雄…なんか響きがかっけぇな。歴史って事はもう死んでんのか…会えないのはちぃと残念だなぁ…
「んでラスト、エルディ竜国。最東にある国で、邪竜エルディオールを崇めている国だ。ほぼ国民は狂信状態らしい。迂闊に東に向かうと死ぬから気を付けろよ」
「お、おぉ…」
最後にえぐいの持ってくるな…国全体が宗教…か。俺あんま宗教とか好きじゃねぇんだよなぁ…
「ちなみに、俺らが今いるここって東西南北なら何処なん?」
「ここは…西だと思うぞ?」
「ッシャア!」
「どこに喜ぶ要素あったんだよ…」
ふぅーこれで1番ヤバそうな国と関わらずに済みそうだ…
「そしたら次、竜についてだな。まず、竜はLv分けされてて、Lvは5段階まである」
「ほう」
「まずLv.I。1m以下の体長の奴らがここに分類される。産まれたばかりのガキンチョか突然変異でクソ小さいかのどっちか。ガキンチョなら多分ワンチャンお前でも勝てる」
「不確定すぎるなぁ…どんだけ俺のこと弱いと思ってんだ」
「しゃーねーだろぉ?実際お前弱ぇんだから」
「チッ…何も言い返せねぇのがうぜぇ……」
実際、俺はこの世界じゃ勝てるモンスターを探す方が難しいレベルのクソザコだからその言葉を言われたらなんも言い返せないのだ。
「んでLv.Ⅱ。1.1〜5m以下の体長の奴らがここ。この辺まではガキンチョレベル。まぁまぁ磨かれたパーティーなら余裕で勝てるだろうな。そしてLv.Ⅲ。5.1〜15m以下がここ。個体によっちゃだいぶ面倒な強さをしてるくらいだな。精鋭パーティーが2組くらい協力したら勝てるくらいだな。そしてLv.Ⅳ。15.1〜25mがここ。軍隊とかを用意して戦うレベルだな。ラグナスの軍隊がLv.Ⅳを討伐した時は結構騒がれてたらしいぞ」
「へぇ〜そんなLv.Ⅳって強いんだ。討伐したら騒がれるくらい…か」
「ま、アタシからしたら雑魚だけど」
「そりゃそうだろ…」
「そしてラスト。Lv.Ⅴ。25.1m以上がここに分類される。国家の近くに出没したらその国を捨てろとまで言われるレベルだな。まぁ強そうに見えるけど四大英雄とかいう輩共がほとんど討伐しちまったからLv.Ⅴはこの大陸からはアタシみたいなやつを除いて消えちまったな」
「強すぎんだろ四大英雄。そいつら本当に人間か?」
「ん?そうだぞ?お前と同じ純人間」
「ガチかよ………神の贔屓もここまで来るとおもろいな…」
「そしたら次は竜の種類。特別な種類が善竜、邪竜、死竜。一般的な種類は属性+竜だから省略するぞ」
「先生!善竜、邪竜、死竜ってなんですかー!!」
「ぁん?いいか?善竜はその名の通り人類に良い影響をもたらす竜で、邪竜は人類の敵な竜。そして邪竜の中でも更にやばい奴が死竜になるぞ。ちなみにこれは竜人になれるやつだけが付けられるぞ」
「ほぇ〜…あ、ヴェガって何竜なの?」
「アタシ?死竜だけど」
「ヤベェじゃねぇか!?」
「別にアタシなんもしてねぇけどな〜…親父が色々やってただけで」
「へ、へぇ…親父さん怖いな…」
ってことは俺…今まで死竜ってやつと暮らしてた…ってことか…でも、全然気付けなかったな。まぁ…今まで死竜みたいな素振り(?)を見せてこなかったししょうがないか…
寝てる時にヴェガの寝相が悪すぎて首を絞められた過去…
ルンルンで散歩してたら前見てなくて頭ぶつけてた過去…
竜化したらよく分かんない木の枝に翼が引っかかって飛べなかった過去…
これのどこがヤバそうな竜に見えるんだ?こりゃあ気付けねぇや!
「今なんか失礼なこと考えてねぇか?」
「いや、何も考えてませんよ。ナニモ…」
「…ってか、死竜ってこの世界に何体くらい居るんだ?」
「死竜か?……この大陸にはアタシ含めて2体居るけど…この大陸以外は知ったこっちゃねぇ」
「あ、知らないのね。てっきり全部知ってるものかと」
「あのなぁ…言っちゃえばアタシはただの竜。この世界のことを全部知ってるみてぇな解釈してんじゃねぇぞ?」
「あぁ、はい…」
「ちなみに、死竜はヴェガ以外にあと一人居るって言ってたけど…後一人はどんな奴なんだ?死竜って言われてるくらいだからヤバい奴なのか?」
「あ〜…まぁ随分と狂ってる奴だったなぁ…一回会ったことあるけど、小国を暇潰しで消すくらいに利己的な畜生だし、性格もそこそこ終わってたな…」
「お、おぉ…ヴェガがそんだけ言うってことは本当にやばいんだろうな…」
「あぁ。四大英雄にどつかれてからは少し大人しくなったけど……英雄共が死んでからはやりたい放題やってやがる」
ぅぅん…随分とめんどそうな竜だなぁ…まるでヴェガとは正反対だな。ヴェガは口調こそは少しアレだが、普通にいい性格をしている。頼りになるし
「そういや最近、めんどくせぇ事に夜棲獣っつー奴がこの辺に来やがったから夜は外出んなよ」
「夜棲獣?なんだそりゃ。聞く感じだと夜行性か?」
「あぁ。日が落ちた時に一斉に動き出すデカめの魔獣だ。狩りが出来なくなったら移動するからそれを待つしかねぇな。どんくらい強いかって言ったら…まぁ1つの集団でⅢのドラゴンくらいだな」
「マジかよ……それ結構強くねぇか…?」
「実際、夜棲獣が原因で壊滅したパーティーもあるらしいしな」
「マジか……ってか、ヴェガって意外と世間のこと知ってんだな。てっきり人類の事なんてなんも知らないのかと」
「あー…それはだなぁ…アタシのダチにセジェドっつー智竜が居てだな。そいつから色々情報を貰ってんだ。セジェドは善竜として知られてっから良く街に出向いたりするらしいんだ」
ほぉーん…智竜か…どれだけのことを知っているのか少し気になるな…
「せっかくだし、機会があれば連れてってくれよ。そのセジェドって奴のところに」
「んぁ?別にいいけど………」
「…?どした?」
「いや、気にすんな。」
「お、おぅ?」
何か隠してんな……ま、細かいことは気にしなくていっか!
にしてもそろそろ剣の使い方とか覚えておかなかれば…いつ襲われるか分かんねぇしなぁ…
………ま、剣を振ろうと決意するまで触んなくていいや。まだまだ俺の人生長いし。急がば回れって言うしな。ただまぁ…体作りだけはしとかなけりゃ、振れなかったら元も子もないし
「ヴェガ、ちょいと外走ってくるわ」
「ん、そんじゃあアタシも着いてくわ。」
「おk、そんじゃ一緒に走るか!」
「おう!」
そして俺たちは巣を後にするのだった




