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世界の端にて
「一体どうすれば……」
頭を抱える。
もう私と彼だけではあの方を止められない…
それに、今の私には以前のような力は……
答えが出ない苦しみが、自身の胸を締め付ける。
「どうすればいいの……彼らはまだ…生きている…のに」
投げた言葉は、返ってこない。
策がない。
完全に行き詰まった。
「………あれは…」
もはや考えることさえ放棄しそうな彼女の前に、眩く輝く1つの光が現れる。
「あれは…!」
託すしかない。
その一心で、その光を手元に呼び寄せる。
「お願い……耐えて…!」
丁寧に、時間をかけて、確実に、
その身に余る何かを細工する。
「…は……できた…できた!!」
あまりの嬉しさに喜びを隠せない。
よし…!
これでまだ望みはある…
私たちはまだ戦える……!
硬直していた空気が動き出す。
でも、まだこのままではだめ……
念には念を入れて…よし!
最大の愛を込めて、光を手放す。
「私の世界をどうか…どうかお願い…。あなたなら…きっと為せる…!」
光は遠く離れていく。
まるで親の元を離れるように。
「お願い…」
悲痛な叫びは暗闇に消えた。