第09話 飛翔は誰の仕業か?
(布が飛翔した……あれは、いったい何なんだ?)
俺は、先ほど起きた、布が独りでに飛翔した、という現象について、思考を巡らせる。
(布が勝手に飛んで行った……これは、変えようのない、確かな事実だろう)
(しかし、問題は、なぜ勝手に飛んで行ったのか?ってことだ)
(風?いや、ここは室内だ。風など吹くはずが無い)
(だとしたら……誰かが、この現象を起こした?)
俺は、布の飛翔現象が、人の仕業ではないか、と考える。
(誰かが起こしたのだとしたら……まず、考えるべきなのは、誰の仕業なのか、ということだ)
(容疑者、という言い方は、おかしいかもしれないが、今回の容疑者の動機は、今の周囲の状況をほとんど知らない俺にとっては、考える余地もないことだ)
(なので、とりあえず、身近な人物を疑ってみるか)
(まあ、身近な人物、といっても、二人しかいないけどな)
(俺の母親と父親だ)
(まず、母親の可能性だが……それは無いな)
(さっき、俺に布を掛け直す時、母親は「なんでスイの布が床にあるの?」みたいな顔をしていたからな)
(彼女が犯人なのだとしたら、あんな顔は、しないだろ)
(となれば、残るは、父親だが……ん~、母親を容疑者から外すことができる時点で、父親も、母親と同じ俺の親である、という関係から否定できる気がする)
(というか……)
(俺が、やった気がするんだよなぁ……)
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