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第135話 異世界でも人には向き不向きがある

 俺も、別のスキルを手に入れられるのでは?




 後天的(こうてんてき)にスキルを入手できると知った時、俺はそう思った。


 そして、俺は別のスキルを入手することを選択肢に入れた。


 ただし、スキルを手に入れるのであれば、"とあること"を気にしなくてはならない。


 それは、生物が持つ()()規模(きぼ)(しゅ)個体(こたい)(ごと)に違う、ということである。


 どういうことかというと、人によって、そのスキルを(あつか)うのに向き不向きがある、ということである。


 魔と気の規模は、種や個体毎に違う。


 種や個体によって、気の規模の方が大きかったり、魔の規模の方が大きかったり、両方の規模が同じくらいだったりするらしい。


 そして、それは入手したスキルの出力に影響する。


 気の規模が小さいのに気系(きけい)スキルを使っても、そのスキルの出力は自身の小さい気の規模に比例して弱くなったり、魔の規模が小さいのに魔系(まけい)スキルを使っても、そのスキルの出力は自身の小さい魔の規模に比例して弱くなったりする、ということである。


 せっかく手に入れたスキルが不向きな方だったから、大して強力な力にならない、ということになってしまう可能性がある、ということだ。


 ゲームに例えるなら、戦士に魔法を覚えさせたり、魔法使いに剣術を覚えさせたり、しないだろ?ということだ。


 ちなみに、人間の魔と気の規模は、個人差でかなりバラバラになっているらしい。


 気の規模はからっきしだが魔の規模は大きい、逆に魔の規模はからっきしだが気の規模は大きい、気と魔の規模が両方とも同じくらい、気の規模の方が少し多い、魔の規模の方が少し多い(など)……様々な気と魔の規模を持つのが、人間らしい。


 そして、人間という種全体(しゅぜんたい)の平均を出すと、魔と気の規模が同じくらいの値になるらしい。


 だから、人間の場合は、人間という種で魔と気の規模を考えるのではなく、個人で考えるらしい。




 さらに、元々の魔と気の向き不向きだけでなく、経験をした時の魔と気の規模の上昇量も種や個体ごとに異なるらしい。


 これは、殺される生物の魔気の規模が大きいほど上昇量が大きくなり、殺す生物の魔気の規模が大きいほど上昇量が小さくなる……という法則とは、別の現象である。


 例えば、同じ経験を2人がしたとしても、1人は魔が10上がり気が3上がるが、もう1人は魔が1上がり気が15上がる、みたいなことがあるということである。


 分かりやすく示すと……


 Aさん:経験1→魔10アップ 気3アップ

 Bさん:経験1→魔1アップ 気15アップ


 こんな感じである。


 ちなみに今、得た経験や魔と気の上昇量を数字で表したが、実際にはそのような数字は分からない。


 どの程度変化したのかについては、実際にスキルを使って、その変化を確認して調べるのが基本的な調べ方らしい。


 (よう)するに、この現象はゲームで言うところの、レベルアップした時のステータス上昇値が、種族や個体によって違うみたいなことである。


 ついでに、殺される方と殺す方の生物、それぞれの魔気の規模によって上昇量が変化する、という法則もゲームに例えると……


 殺される方の魔気の規模が大きいほど上昇量が増えるというのは、強い敵を倒した時ほど多くの経験値がもらえるということで、殺す方の魔気の規模が大きいほど上昇量が減るというのは、レベルが高ければレベルが上がりにくくなる


 ……という感じだと思う。


 ちなみに、経験による上昇量に個人差がある現象に関しても、人間は元々の魔と気の向き不向きと同じで、個人差でバラバラらしい。




 そういうわけで、俺がスキルを入手するのであれば、自分が元々どちらのスキルに向いているのか?自分が経験した時に、魔と気のどちらの方がより大きくその規模が上昇するのか?ということを調べる必要がある。


 しかし、俺は自分がどちらのスキルに向いているのかを調べる方法を、今のところ確立できていない。


 なので、今は新しいスキルを手に入れることは、しないでおこうと思う。


 それにどうやら、スキルというものは"入手限界(にゅうしゅげんかい)"があるようなのだ。


 いくつかのスキルを入手したら、新しいスキルをそれ以上入手できなくなる。


 そういう現象があるらしいのだ。


 だから、そういった面でも、俺は慎重に行こうと思う。






 俺は、このアーテス(てい)で本を読むまでは、前世の俺が住んでいた場所に帰るか、(ある)いは、なるべく文明的な場所に移り住んで暮らそうかと思っていた。


 だが……事情が変わった。


 これからは、この異世界を知り、この異世界でなるべく"幸せ"に暮らすことを考える。


 そのための具体的な方法は、今まで通り情報収集を行うこと。


 そして、経験の"限界値(げんかいち)"を目指すことだ。


 どうやら、経験には限界があるようで、ある程度の経験をすると、それ以上自分の魔と気の規模を上昇させることができなくなるらしい。


 ゲームで言うところの、レベルマックスみたいなものだろう。


 俺は、それを目指すことにする。


 では、何故(なぜ)俺は経験の限界値を目指すのか?


 それは、この異世界で、個人の武力が必要なのかどうか分からないからである。


 スキルは、経験することで、その出力が上昇する。


 俺のスキルも同じことである。


 俺のスキルの出力が上昇することは、俺個人の武力が上昇することも意味している。


 そして、この異世界が地球の現代みたいに、個人の武力を必要としない世界なのか、それとも個人個人が自己防衛することが必要な世界なのか、それが分からない内は、必要であると考えて進めるべきだろう。


 なので、俺は限界まで経験することにした。




(そして……なるべくなら"戦わない方"の経験をする方向で行きたい。そっちの方が効率が良いからな)




 それと……可能性として皆目(かいもく)見当(けんとう)がつかないが、一応の選択肢として、地球に帰る方法も探しておくことにする。

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