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1. 追放された宮廷魔法士

 1. 追放された宮廷魔法士




「今日であなたはクビです。今までフローレンス王宮の宮廷魔法士としてお勤めご苦労様でした。」


 朝の朝礼時間。他の宮廷魔法士もいるさなか、私にそう告げるのは宮廷魔法士を束ねている筆頭魔法士のシャーロット=マリーゴールド女史である。彼女は、私の上司であり、この国で最も偉大な魔法使いと名高い人物である。


「はい?納得できません!私が何をしたと言うのですか!」


「しらじらしい。あなたは昨日この王宮の禁書庫にある禁書棚に勝手に入り込んで貴重な古代文献を持ち出してると聞いてます。」


 その言葉に周りにいた同僚たちがざわつく。私はそんなこと知らない。だって昨日は休みだったし。それにそもそも王宮の書庫には、許可なく入ることも持ち出しも禁止されてるし、その古代文献なんかには興味もないし、そんな事しても意味はないはずなのに……。


 そんな言い訳が頭をよぎるが口に出せなかった。目の前にいる筆頭魔法士の女史は紛れもなくこの国の最高位の魔法使いだ。反論すればそれこそどうなるかわからない。続けてシャーロット女史は言ってくる。


「にわかに信じがたいのですが、この二人が目撃しているのです。エレイナ、アストン。あなたたちは彼女が禁書庫から古代文献を持ち出すのを見たのですね?」


「はい…見ましたわ!この目でハッキリと。」


「間違いないですよ!オレも見たんで」


 そう嘘を話すのはエレイナ=キャンベルとアストン=ナミルという二人だ。二人は貴族出身でこの国でも指折りの才能を持つ魔法使い。筆頭魔法士であるシャーロット女史のおこぼれをもらいたいのか、いつも彼女にすり寄っている。特にこの二人は平民出身の私のことをよく思っていないようで何かとつっかかってきた。


 2人の証言により、周りの宮廷魔法士たちも私を見る目が変わってくる。みんなあの2人が言うならそうなんだなと思っているようだ。


 納得いかない。


「嘘をつかないで!私がそんな事…」


 その時エレイナの平手が私の頬に炸裂する。


 パンッ!! 乾いた音が響き渡る。私は何が起きたかわからず呆然としてしまう。


 痛い?なんで?どうしてこんなことに……。理解できない。


「嘘?いい加減にしなさい。見苦しいわよあなた?あなたのような身分の低い人間が古代文献を読んで、魔法の知識を得て私たちと同じ立場になれると思ったのかしら?身の程を知りなさいな。」


 その言葉に周りの同僚の魔法士たちまで笑い出す。身分の高いものは身分の低いものを見下す。それはどこの国でも一緒のこと。


 ましてやここは王族が住まう場所なのだ。平民出身の魔法士などいても邪魔にしかならないだろう。だから、誰も助けてくれない。


 悔しかった。自分が何もしていないのに、突然辞めろと言われ、挙句の果てには殴られたのだ。だがここで逆らえばどんな目にあうか分からない。私は唇を噛みしめながら黙り込むしかなかった。


「アイリーン=アドネス。あなたは平民出身でしたが凄く優秀でした、それにフローレンス王国第一王女のクリスティーナ様のご友人でもある。それに免じて解雇処分で許しましょう。本当は極刑でもいいくらいの罪です。」


「さっさと荷物をまとめて出ていきなさい犯罪者。」


「もう2度とオレたちの前に現れるなよな?」


 そしてそのまま私は理不尽な理由で宮廷魔法士を辞めさせられた。

『面白い!』

『続きが気になるな』


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