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学園入学?

「はい、ここが私の自慢の学園よ!」


そう言って俺の目の前にある建物を指さす冬子さん。(ちなみに移動中の車内で、冬子さんから尊敬する森内王将から学園長と呼ばれるのは恥ずかしいから冬子と呼んでた言われたので、流石にいきなり歳上の女性を呼び捨ては恥ずかしかった俺は冬子さんと呼ぶことで妥協してもらった。うるせー、決してチキった訳では無い。なので、俺の呼び方もあおとでいいと冬子さんに言ったら恥ずかしいのであおと君でと言うことになった。頬を赤らめる冬子さんは可愛かった。)


「えっと、どこまでが学園ですか?」


疑問をこぼす俺、そう!、今俺の目の前にある建物はどれもでかくそして多すぎる。


「ふふっ、それはね、全てよ学園の敷地は何と!、東京ドーム5つ分もあるのよ。」


胸を張る冬子さん、それに伴い大きなものが強調されてるがそれは置いといと、


「全部!全部ですか?えっ!!」

素直に驚く俺。


「ええ!、そういう反応は新鮮で嬉しいわ。

説明するとねこの学園は元々12の学校に別れて

いたのを、私の祖父が全て買取り、ひとつの学園としたのがはじまりよ。」


「12の学校を?失礼ですが冬子さんの祖父さんは

何をされていたんですか?」


「ふふっ、それは私も詳しくは聞かされてないけど投資家だって話は聞いてるわ。ふふっ、」


いや、冬子さん口は笑ってるけど目は全然笑ってないよ。絶対祖父さんってヤバい職業の人じゃん!

その感じ、怖!


「まー、私の祖父の事は良くて早速案内させてね、学園は広すぎて全部は紹介するのは無理だと思う

から口頭だけになってしまう所もあって少しだけ

になってしまうけど」


「これだけ広いと仕方がないですよね。よろしくお願いします。」


それから2時間ほど学園を案内してもらった。

道中誰とも合うことはなく、回ることが出来た場所だけでも相当あったが、それでもこの学園の1割も案内できなかったと冬子さんはガッカリしていた。

これで1割ってヤバい、と俺は内心思っていた。

案内が終わり今は学園長室に冬子さんと2人で俺はいた。


「ごめんなさいね2時間も歩きっぱなしで、疲れたでしょう?座ってなにかお茶でも出されて貰うわ。」


「そんな、申し訳ないですよ。全然対局比べれば

楽勝です。」


「ふふっ、流石ね。でも、これは私のささやかな

気持ちだから、紅茶でいいかしら。」


「それならありがたくいただきます。はい、

大丈夫です。」


数分して冬子さんが入れてくれた紅茶を貰う。


「はい、どうぞ。」


「ありがとうございます。」


「それで、早速だけど私の学園はどうだった?」


「はい、素直に凄いなと思いました。何もかもが

俺の知ってる高校とは違い、どの施設1つを

とっても設備も広さも段違いでした。それに

何より、冬子さんがこの学園を何よりも愛して

いることがわかりました。まるで自分の子供の

ように。」


「ふふっ、そう言って貰えると本当に嬉しいわ。

ええ、私はこの学園を、学園の生徒を、誰よりも、

何よりも、愛しているわ。」


「本当に凄いと思います。ぜひそんなにも冬子

さんが愛する学園に自分も入れてください。」

俺はこの2時間ですっかりこの学園のファンに

なってしまったようだ。キラキラ、学園の説明をする冬子さんを見て、この学園ならたとえ将棋が強くならなくても通う価値はあると思った。


「ええ!、もちろん。あおと君が言って貰えて

嬉しいわ。」


「ありがとうございます。それで、すいません。

自分の方から言っておいてあれなのですが、

少しわがまま言わせて貰ってもよろしい

でしょうか?」


「わがまま?」


「はい、わがままです。具体的には、出席日数

など対局の都合で欠席が超えてしまうこともあると思いますし、何より俺がプロ棋士だとバレないようにしていただきたい。」

俺は少し緊張気味にいう、俺は自分が通う予定の

学校の学園長に、俺だけ特別扱いしてくれと

言っているわけだ。緊張するだろう。


「なーんだ。そんなに緊張して言うからなんだと

思ったけどそんなこと全然大丈夫よ!」


「えっ?いいんですか?結構無理言ってると

自分でもおもうんですが?」

どうやら俺の緊張は杞憂で全然大丈夫なようだ。

良かった。緊張して損した。


「うん、全然大丈夫よ。なんなら、そこのところも含めて今から説明させてもらうわ。この学園と

他とは違う制度について。」


「制度?」


「そうよ。この学園唯一の制度。その名も

(星翔学園学園長特別待遇制度)

略して「12星制度」と言うわ。」


「いや、全然略せてない!、それは一体どういう

ものなんですか?」


「ふふっ、それはね、私が特に応援したい!と

思った生徒に対して絶対な支援をするものよ。その人数が、毎年3学年合わせて12人だからこの名前

がついたわ。今この制度の対象になっている子

たちは、私が自ら発掘した子もいるし、自分から

私にアプローチしてきた子もいるわ。ちなみに

支援の内容は、大まかに言って全て!」


「全て?」


「そう、全てよ、この制度を持っている子の

全てを私は尊重するわ、あっ、もちろんほかの

生徒のことも全て尊重するけど、具体的には、

学費はもちろんこの学園で生活する3年間に

出てくるお金を全てこの学園が負担するわ。

あと、言ってくれればだいたい、というか、

全て実現するわ。」


「ざっくりというか、凄いですね。」


「そうよ。だってそれ以外に説明つかないもの。」


「それだったら、今までにこの制度を使って

好き勝手した人とかもいたんじゃ...?」

俺の言葉を待たず冬子さんが言う


「私の目が見えるうちは、そんな人選ばないわ」


「すみません。生意気言いました!」

怖かった。ブルブル、流石、投資家?の祖父を持つ冬子さんだ。絶対祖父さんの職業投資家じゃねー、

俺は確信するのだった。


「ふふっ、ごめんなさいね。とっ、言うことで、

この学園にはそんな制度があるのだけど、

あおと君、この制度受けて見ない?」


「えっ、自分がその制度に選んでいただいても

いいんですか?」


「ええもちろん。最初からそのつもりだったし、

実績もあるし、人柄も素晴らしい。この制度を

使うにふさわしいと私が判断したわ。」


「ありがとうございます。そんな制度に自分が

選んで貰えるとは嬉しいです。でも、俺は別に

お金に困っているわけではありませんし...」

俺はこの制度をもっとふさわしい人がいると

思い辞退しようと......


「ちなみにこの制度を受けると、あなたが

プロ棋士だと言うことは私しか知らないように

情報を隠しますし、学園にあなたしか使えない

専用の部屋も用意します。もちろん、好きな時だけ学園に来てもらえれば大丈夫ですし、あなたが

この制度を受けていることも他の生徒から隠し

ます。他になにかありましたらなんでもすぐに

実現させていただきますよ。」


「ぜひ、受けさせていただきます。」

辞退できませんでした。だって、美味しすぎる、

あまりにもメリットがありすぎちゃう、男って

言うのはすぐに目の前の餌に食いついちゃう

もんなんだよ!


「ふふっ、そう言って貰えて嬉しいわ。それでは

改めてあおと君がこの学園の制服を着て学園に

通ってくれるのを、楽しみにしているわ。また、詳しいことは入学式までに言うわね?色々、手配

させていただくこともあるから、帰りは送るわ。」


「はい、よろしくお願いします。」


と、言うことで俺はこの学園に入ることになった。


「あっ、ちなみにだけど、この学園が始まって

から男子でこの制度を受けたのはあおと君が

初めてだわ。」


という最後の冬子さんの発言を聞いてちょっと

制度を受けたことを後悔したのは別のお話。

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