初めての怒り
初めて本気で怒った常盤さんを見た。確かに怖いがそれよりも何かのために本気で怒る常盤さんは非常に美しかった。常盤さんの怒りは簡単に収まる様子はなく、今も鋭い目線で茂木を睨んでいる。それに茂木は
「ヒィ、ヒィー、」
と怯えている。まるで常盤さんが茂木を虐めているようだ。さっきまであんなに強気だったのにもう完全に戦意を喪失してしまっている。面白いものだ。権力に頼るものほどさらに上の権力にすぐに屈する。自分という意志がない人間ばかりだからだ。そんな人間にはなんの魅力も俺は感じないし心から俺は嫌悪感を抱く。個がない人間程面白くない人間はいないのだ。あくまで俺の主観になるが。話が脱線してしまったが、睨まれていた茂木は恐怖で顔が少し歪んでいて、震えている。可哀想に思えなくもないが、自業自得すぎて何も言えない。そんな状態でも茂木は頑張って話そうとしている。
「わ、悪かったわよそんなに怒るとは思わなかったのよ。少しイライラしていたから誰かに当たりたかったのよ。」
「まずは、森内君に謝りなさい!。」
「はっ、はい!。森内君ごめんなさい。」
反射で言ったのだろうが、茂木は素直に俺に謝った。
俺は大丈夫だよと。表面上は茂木を許すことにした。
心の中では、絶対許してやらないもん。
と言うか常盤さんが怒っているのってもしかして俺がバカにされたからか?まっ、そんなことないか。
そう笑い飛ばした俺だったが、赤く頬を染めた常盤さんには気付くことはなかった。




