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常磐さん②
「ごめんなさいね。急に考え込んでしまって、
どうやら森内君は私が考えていたよりよっぽど
頭がいいみたいだわ。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。さっきも思ったん
ですが、僕の名前知っていらっしゃるんですね?」
「失礼ね。クラスメイトの名前ぐらい覚えて
いるわ。」
「そんなんですね。常磐さんは僕らになんか
興味なんかないと思っていました。」
「たしかに。興味はないけれど、色々知らないと
不便なこともあるし、それに、私が必要ないと
思った人のことはすぐに忘れるわ。」
「なるほど。それはじゃー、僕はまだ常磐さんに
必要だと思われているってことでいいんですか?」
少し意地悪のつもりで聞いてみる。
「ふふっ、そうね。残念だけど、必要なくは
ないって程度かしら。」
「そう。それは残念。」
大袈裟に手で残念な様子を表す。
「なら、常磐さんに必要だと思われるように
これから頑張らないとね。」
「べつに、私に必要だと思われたからと言って
何も無いけどね。
「そんなことないさ。常磐さんみたいに綺麗で
カッコイイ人に必要だと思われたら嬉しいからさ。」
俺がそう言うと、常磐さんの顔が少し暗くなった
ように感じた。なにか返答をミスってしまった
かもしれないな。




