【受付嬢日記1】ユリ・ナギサ〜アルカさんと眼があって〜
アルカさんと目が合って。
何かが変わるかも、と思いました。
アルカさんと目が合って。
焦燥と絶望の中に、光が差しました。
アルカさんと目が合って。
見えないはずの明日が、見えました————。
誰も明日なんて見えてない。今を生きるだけで、精一杯で。
突然景色が変わったの。そんなの嘘だと、思うでしょう?
家族や友人、恋人も、どこに居るかもわからない。
何をしてるかもわからない、生きているかさえも。
こうして存在することで、誰かの人生を邪魔してる。
誰かの負担になっている。誰かの重荷になっている。
海の向こうの果ての果て。帰れる場所は、無いなんて。
結局どこへ行こうとも、何も変わらないね。
ならいっそ、もう壊してほしい。
甘え、希望、欠片さえもあとかたも無く。
独りになれば、こんな私だって……強くなれるはずだよね——?
だからやめてください。期待させて、消えていって、また夢見させるの。
そんな風にあなた振り回すから。涙のカーテン、二度も。
私何も持ってない。返せるものも、渡せるものも、何の力も。
それでもこの手を引いてくれるの? あなたが変えてくれるの?
ダメだね、また私あなたに夢見てる。こんな世界壊して、ください——。
6話
スタークさんが連れて来たお客様は……男女のペア? カップルでしょうか?
チャンさんが一緒に飲みに行くみたいです。お酒って飲んだことないけど、そんなに美味しいものなのですか?
8話
いらっしゃい、アルカさん。お二人とも頑張ってくださいね。
チャンさんに言われた通り二重障壁にしたけど、ここまでする必要あるのでしょうか? 失礼ですが、さすがにそこまで強そうには——。
9話
アルカさんの攻撃が凄過ぎる! 二人掛かりの障壁をあんなにあっさりと……!
——それにしても、剣を重ねる二人はとても楽しそうでした。そうですよね、やっぱりチャンさんも、そうやってやりたいことをやって、笑って生きてって欲しいです。本当にいい人だから。
急に舞い込んできた私たちのせいで、本当にごめんなさい。
10話
いきなりの爆発にはびっくりしたけど、巫女さんもアルカさんが心配だったのね。クスッ。
チャンさんがいない間に、アルカさんにはひと通りの経緯は説明できた。
〝厄災〟っていうのが、なんで起きたのかはわかりません。罪深いアズリア人のせいだって言う人もいます。起きたことが規格外過ぎて、誰にも何の説明もできないけど……とにかく、チャンさんは関係ないですよね。あなたが被害を被る話じゃないです。
——どちらにしろ、アズリア人はアズリア人の力でやっていくべきだと思います。とにかく私はもう、自分のせいで誰かの人生が変わってしまうのは、絶対に嫌なんです。
11話
輪廻教の使徒の方は、どうしても好きになれません。いいことばかり言って、実際のところは何を考えているのかわからないから。
だってそうでしょう? そうでなきゃ、各地で報告されている過激派の説明がつかないじゃないですか。確かに私たちが今、助けてもらっているのは事実です。でも、いつかは自分たちだけで——。
12話
やっぱり、そう都合良くはいきませんよね。たまたま出逢った旅の人。私が勝手に期待しただけだもの。同じアズリアの出……お互いこの先色々と苦労するとは思いますが、どうか身体に気をつけて。どうかお元気で。
——襲撃? なぜ? ここは最南地区……他国が侵入してくるはずが——。
まさか……輪廻教? やっぱり、狂ってる。この世も輪廻教も狂ってる。一体アズリア人が何をしたっていうの? 大事な場所も人も全て失って、挙句の果てにこの仕打ちなの? それでもこうして、なんとか生きていこうとしてるっていうのに……!
また、私たちからすべてを奪うの!?
13話
チャンさんの指示により、13番隊は各々持ち場へ散らばっていきました。私も逃げるように言われたけど、黙って後を着いてきました。
だって許せない。自分たちの思い通りにならなかったからって、こんなことするなんて。最南地区の人間として、アズリアの民として、一人の人間として。
東門で見つかって、初めてチャンさんに怒鳴られました。あとにも先にも、これっきり。
でも嫌です、退きません。私だって、戦えます。
14話
——チャンさんが単騎で外に出て、もうだいぶ時間が経ってしまった。向こう側の状況は確認できないけど、戦闘が続いているのはわかります。
怖い、どうしよう。私が来なければ良かった? そしたらそんな風に、独りで迎撃するなんてことはなかったのですか? 結局私は自分のわがままで、事態を悪化させただけなのですか?
怖い、どうしよう……! 誰か……誰か助けて——!
——えっ? アル……カ……さん? なんで? どうして、ここに? 夢——?
……違うんですね、夢じゃないんですね。あれっ、どうしよう。前が見えない。
ごめんなさい、後は任せます。ごめんなさい、ごめんなさい。
15話
アルカさんが、全てを救ってくれました。本当に凄い人です。風みたいな人。吹いては消えて、また吹いて。私は出逢ったことのないタイプの人です。
報酬は喜ばしいことです。てすがなぜ——チャンさんは向こうにいるのですか? また……そういうことですか——?
16話
こんな時にまで、アルカさんは私たちのことを考えてくれてます。ご自分のことだけでいいのに。ありがとうございます。
……え? お金はいらない? なぜそんなことを——なんですか? 私の方なんか見……て——。
うそ……そんな、まさかこの人——あの話を、今——。
17話
アルカさんは、全てを変えてしまいました。私の感じた通りになりました。無色に近いほど淡く、遠い遠い夢のような儚い一瞬の妄想を、現実のものにしてしまいました。
この涙は、なんでしょうか? チャンさんが嬉しそうだったから? 私の小さな願いが叶ったから?
——いいえ、違いますね。私、男の人に泣かされたの、初めてです。しかも2回も。今回は……見られてませんよね?
18話
私も連れて行ってくれるんですね。本当に何とお礼を言ったらいいか……。でも、やっぱりお邪魔じゃないでしょうか? 私なんて邪魔になることはあっても、何かのお役になんて立てるかどうか——。
いいえ、あなたはきっと怒りますね。そんなことを言ったら。私は私のできることを——。
あなたと目が合うと、何かが変わる予感がします。絶望が希望に変わります。自分がちっぽけな存在なんだなって、わからされます。
あなたと目が合うと、たまに泣かされてしまいます。
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