表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/100

【受付嬢日記1】ユリ・ナギサ〜アルカさんと眼があって〜

 アルカさんと目が合って。

 何かが変わるかも、と思いました。



 アルカさんと目が合って。

 焦燥と絶望の中に、光が差しました。



 アルカさんと目が合って。

 見えないはずの明日が、見えました————。





 誰も明日なんて見えてない。今を生きるだけで、精一杯で。

 突然景色が変わったの。そんなの嘘だと、思うでしょう?

 家族や友人、恋人も、どこに居るかもわからない。

 何をしてるかもわからない、生きているかさえも。 

 

 こうして存在することで、誰かの人生(みち)を邪魔してる。

 誰かの負担になっている。誰かの重荷になっている。

 海の向こうの果ての果て。帰れる場所は、無いなんて。

 結局どこへ行こうとも、何も変わらないね。


 ならいっそ、もう壊してほしい。

 甘え、希望、欠片さえもあとかたも無く。

 独りになれば、こんな私だって……強くなれるはずだよね——?


 だからやめてください。期待させて、消えていって、また夢見させるの。

 そんな風にあなた振り回すから。涙のカーテン、二度も。

 私何も持ってない。返せるものも、渡せるものも、何の力も。

 それでもこの手を引いてくれるの? あなたが変えてくれるの?


 ダメだね、また私あなたに夢見てる。こんな世界壊して、ください——。



6話

 スタークさんが連れて来たお客様は……男女のペア? カップルでしょうか?

 チャンさんが一緒に飲みに行くみたいです。お酒って飲んだことないけど、そんなに美味しいものなのですか?



8話

 いらっしゃい、アルカさん。お二人とも頑張ってくださいね。

 チャンさんに言われた通り二重障壁にしたけど、ここまでする必要あるのでしょうか? 失礼ですが、さすがにそこまで強そうには——。



9話

 アルカさんの攻撃が凄過ぎる! 二人掛かりの障壁をあんなにあっさりと……!

 ——それにしても、剣を重ねる二人はとても楽しそうでした。そうですよね、やっぱりチャンさんも、そうやってやりたいことをやって、笑って生きてって欲しいです。本当にいい人だから。

 急に舞い込んできた私たちのせいで、本当にごめんなさい。



10話

 いきなりの爆発にはびっくりしたけど、巫女さんもアルカさんが心配だったのね。クスッ。

 チャンさんがいない間に、アルカさんにはひと通りの経緯は説明できた。

〝厄災〟っていうのが、なんで起きたのかはわかりません。罪深いアズリア人のせいだって言う人もいます。起きたことが規格外過ぎて、誰にも何の説明もできないけど……とにかく、チャンさんは関係ないですよね。あなたが被害を(こうむ)る話じゃないです。

 ——どちらにしろ、アズリア人(わたしたち)アズリア人(わたしたち)の力でやっていくべきだと思います。とにかく私はもう、自分のせいで誰かの人生(みち)が変わってしまうのは、絶対に嫌なんです。



11話

 輪廻教(サンサーラ)の使徒の方は、どうしても好きになれません。いいことばかり言って、実際のところは何を考えているのかわからないから。

 だってそうでしょう? そうでなきゃ、各地で報告されている過激派の説明がつかないじゃないですか。確かに私たちが今、助けてもらっているのは事実です。でも、いつかは自分たちだけで——。



12話

 やっぱり、そう都合良くはいきませんよね。たまたま出逢った旅の人。私が勝手に期待しただけだもの。同じアズリアの()……お互いこの先色々と苦労するとは思いますが、どうか身体に気をつけて。どうかお元気で。

 ——襲撃? なぜ? ここは最南地区……他国が侵入してくるはずが——。

 まさか……輪廻教(サンサーラ)? やっぱり、狂ってる。この世も輪廻教(かれら)も狂ってる。一体アズリア人が何をしたっていうの? 大事な場所も人も全て失って、挙句の果てにこの仕打ちなの? それでもこうして、なんとか生きていこうとしてるっていうのに……!

 また、私たちからすべてを奪うの!?



13話

 チャンさんの指示により、13番隊は各々持ち場へ散らばっていきました。私も逃げるように言われたけど、黙って後を着いてきました。

 だって許せない。自分たちの思い通りにならなかったからって、こんなことするなんて。最南地区の人間として、アズリアの民として、一人の人間として。

 東門で見つかって、初めてチャンさんに怒鳴られました。あとにも先にも、これっきり。

 でも嫌です、退きません。私だって、戦えます。



14話

 ——チャンさんが単騎で外に出て、もうだいぶ時間が経ってしまった。向こう側の状況は確認できないけど、戦闘が続いているのはわかります。

 怖い、どうしよう。私が来なければ良かった? そしたらそんな風に、独りで迎撃するなんてことはなかったのですか? 結局私は自分のわがままで、事態を悪化させただけなのですか?

 怖い、どうしよう……! 誰か……誰か助けて——!

 ——えっ? アル……カ……さん? なんで? どうして、ここに? 夢——?

 ……違うんですね、夢じゃないんですね。あれっ、どうしよう。前が見えない。

 ごめんなさい、後は任せます。ごめんなさい、ごめんなさい。



15話

 アルカさんが、全てを救ってくれました。本当に凄い人です。風みたいな人。吹いては消えて、また吹いて。私は出逢ったことのないタイプの人です。

 報酬は喜ばしいことです。てすがなぜ——チャンさん(あなた)は向こうにいるのですか? また……そういうことですか——?



16話

 こんな時にまで、アルカさんは私たちのことを考えてくれてます。ご自分のことだけでいいのに。ありがとうございます。

 ……え? お金はいらない? なぜそんなことを——なんですか? 私の方なんか見……て——。

 うそ……そんな、まさかこの人——あの話を、今——。



17話

 アルカさんは、全てを変えてしまいました。私の感じた通りになりました。無色に近いほど淡く、遠い遠い夢のような儚い一瞬の妄想を、現実のものにしてしまいました。

 この涙は、なんでしょうか? チャンさんが嬉しそうだったから? 私の小さな願いが叶ったから?

 ——いいえ、違いますね。私、男の人に泣かされたの、初めてです。しかも2回も。今回は……見られてませんよね?



18話

 私も連れて行ってくれるんですね。本当に何とお礼を言ったらいいか……。でも、やっぱりお邪魔じゃないでしょうか? 私なんて邪魔になることはあっても、何かのお役になんて立てるかどうか——。

 いいえ、あなたはきっと怒りますね。そんなことを言ったら。私は私のできることを——。

 あなたと目が合うと、何かが変わる予感がします。絶望が希望に変わります。自分がちっぽけな存在なんだなって、わからされます。

 あなたと目が合うと、たまに泣かされてしまいます。

 

 読んで頂きありがとうございます。


「面白い」 「続きが読みたい」


「まぁまぁかな」 「イマイチ」


 など、素直なお気持ちで構いませんので、下にある☆☆☆☆☆から評価をして頂けると幸いです。


 ブックマークも頂けますと、より一層励みになります。


 どうかよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ