初めてボールを触りました!
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昂大はマネージャーの果子と一緒に彼女たちがキャッチボールをしているのを見ていた。
(ほうほう、さすが経験者はすぐに馴染んでるなぁ。問題は未経験者たちだ、が。まずは詩乃だ。ほう、歩夢の真似をしながら投げてるのか。初心者にしては歩夢の球をよくとっている。元サッカーゴールキーパーだけあって球を止めるのはうまいな。つぎは実と紗菜だが、この2人は未経験者コンビか。それにしてもおもろいコンビだなぁ。紗菜が低めに投げた球を実がうまく救い上げて実が変な方向に投げても紗菜が反射神経でとっているとは......最後は真冬だが、キャッチボールは少し不格好だが一応普通にはできている。妹と昔やったことがあるのか?ともあれ一番心配していたが第一段階はクリアだな)
「よし、ポジションは固まった。果子、このメモを後で皆の前で読んでくれるか」
「はい」
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へぇ、野球のボールってこんな感じなんだ。サッカーのボールとは大きさも硬さも全然違う。とりあえず歩夢と同じような投げ方で投げてるけどこれであってるかなぁ、と思っていると
「全員集合!」
清水先生の合図が聞こえた。すると、みんなが先生のいるスコアボード付近にあつまった。
「えー、これから練習メニューの発表にはいる前に皆にひとつ言っておきたいことがある」
清水先生は少し間を開けて言った。
「えー、来週の午後、君たちにはうちの男子硬式野球部と練習試合をしてもらう」
「「えええええええええええええええええええええええええええええ!?」」
ここにいる女子部員の誰もが先生のその言葉に驚いた。いきなり全国クラスのチームと練習試合なんて......先生は一体なにがしたいんだ?
「もちろん買ってくれとは言わない。今回の目的は試合形式になれてもらうこと。それともう一つ、相手はこんな初心者だらけのチームに全力でかかってこない。おそらく主力2、3人以外は1年か普段控えにも入っていない選手で組んでくるはずだ。そこで君たちにはその選手達を引きずり落としてほしい。つまり、主力選手を出さざる負えない状況にしてほしい。今回は、勝つ野球ではなくて、負けないような野球をしてほしい」
ここまで先生が話したところで夏稀が手を上げた。
「先生、スタメンはどうするんですか」
「おっとそうだな。打順はまだ決めていないが、ポジションはさっきのキャッチボールをみて大体は決まってる。経験者は基本いままでと同じポジションになっているはずだ。じゃあ律子、読み上げ頼む」
「わかりました」
そして彼女に伝えられた全員のポジションは、
キャッチャー 私 ファースト 実 セカンド 梨沙 ショート 紗菜 サード 珠代 ライト 真冬
センター 真 レフト 夏稀
だった。私キャッチャーかぁ、やっぱりゴールキーパーやってたからぁなぁ。まぁボールを止めるのは本職だからなぁ。
「みんなこれで大丈夫そうか?じゃあおまちかねメニュー発表だ、果子よろしく」
「はい。えーと、じゃあ発表するね。まずは平日のメニューから。アップ→キャッチボール→素振り→トスバッティング→フリーバッティング→ノック→シートノック→ストレッチでいくよ、土日はこれに筋トレ、柔軟、三角ベースで紅白戦をいれるからね。当面の間はこれで行こうと思う。練習の内容はやってるうちにわかるようになる。」
そして昂大は真面目な顔になって言った。
「それと、詩乃」
「は、はい!」
「君にはキャプテンをやってもらう」
「でも私野球経験ないですよ」
「いいんだ、この中で一番冷静だと俺が判断したからな」
「みんなも詩乃がキャプテンでいいよな?」
「「はい!」」
まさかの満場一致だった。かくして木下詩乃キャプテンが誕生したのであった。
読者皆さん、そしてちな鷲の皆さんこんにちは。狗鷲戦士です。
まずは悲しいお知らせから、茂木、骨挫傷。いやぁ、スペるとは思ってたんですけどね?なんとAS明けまでには戻ってきて欲しいです。
それと、とくに嬉しいお知らせはございません。
ついにポジションが決まった女子部員たちですが、まだ練習してません。たぶん2話くらい同じ日を続けてます。ですが安心してください。次回からはきちんと野球します。本当です。さらに語録を全然使ってませんね(謝罪)これならタイトル詐欺と言われても(以下ry
つぎに、タイトルの事なのですが、悩んだ挙句、これからは詩乃視点の日記タイトル的な感じで行きたいと思います。ちょくちょく清水監督の語りが入りますが一応詩乃視点の物語ですからね。
最後に、ここまで呼んでくださった日本国民のごくわずかの皆様、本当にありがとナス!次回もよろしくお願いします。