プロローグ
初めてなので暖かい目で見守ってください。
音が聴こえる。
木の棒と木の棒がぶつかるような音だ。
下がこんなに騒がしいのに眠気が覚めない
早くしないと集中力が足らずに
やられるかもしれない。
俺は枝を少しかき分け下を覗く。
いつも通り奴が暴れている。
みたところ今日も俺の出番はなさそうだが。
「おーい終わったぞ。」
耳につく大声が響く。
大きく伸びをして木から降りる。
「今日は俺の出番がなかったな。」
「今日は調子が良くなかったんだけどね~」
伸びてる3人を見下しながら笑う。
他の3人はもうとっくに負かされたらしい。
「今日のバトルも私たちの勝ちね。」
「ふん、次の本命の作戦で勝ってみせるぜ。」
何とも三下なセリフ。
いつも以上に笑える感じが何とも。
「さて、今日は眠気覚ましに辛い物
食べて帰らないかい?」
「奢りなら。」
「8人分も大変だな。」
「ゴチになります。」
「負け犬に食わす飯はない。」
なんだよーとか呟きながら去っていく5人。
「ケンジは帰らないの?」
「ああ辛い物ちょうど食いたいし。」
「奢らんぞ。」
「辛い物大食い対決しようぜ勿論自腹。」
「やらんよ?」
行き付けのカフェ(八百万)何気に
(はっぴゃくまん)と読む。
カフェと言うよりBARみたいな感じだが
マスターと仲がよくて言えばだいたい
何でも作ってくれる。
客層もおかしな人ばかりでとても高校生が
来るとこではないが俺とこよりは十分
おかしいので問題ない。
「でさ、今日掴んだよ。お前を倒す方法を。」
「その前に注文はよ。」
「金剛と同じの。」
「カラシ一つ。」
普通にチューブのカラシがふたつきた。
「スーパージャイアントロングパフェ一つ。」
「で、次はいつやるのかな?」
「明後日でいいか?こより。」
「ウマいウマい。」
「OKだそうなんで。」
まあ毎日つるんでるこよりの暇さは
自分がよく知ってる。
俺も毎日暇してるわけだが。
「邪魔したな。」
「何か言うことがあったんじゃ?」
「やっぱり作戦を敵と話すのは良くないと
思ってね。ばらすわけじゃないけど」
「いやカラシ食ってけよ。」
去り際カラシを持って帰るケンジ。
「武器の調整今日するんでしょ。」
パフェを平らげたこよりがウズウズしていた。
「これが花も恥じらう高校生の女の子かぁ。」
はぁとため息をつく。
毎度の事ながらこよりの勿体なさは
どうにかならないのか。
幼なじみの俺からしてもこよりはかなり
カワイイ。レベルが高い。
最近知ったのだがうちの学校のレベル高い
女子の五本指らしい。
運動神経抜群でどこの部活も欲しがってる
レベルで元気も良い。
頭もどうしようもないほど馬鹿ではない。
それなのに何で男共とチャンバラしたり
暴れるのが好きな残念仕様になってしまったのか。
非常に残念でならない。
「なにさ、そのため息」
「なんでもないですよ。今日やるけど。」
「いや、ちょうど暴れ足りなかったからさ。」
「そうかいそうかい。」
「武器の開発研究の手伝いしてあげてるんだから
感謝してほしいぐらいなんだけど?」
俺の家は公園じゃないんだけど。
まあ実際家は武器の開発研究してる工場で
遊具みたいなのはたくさんあるが。
「まあおとなりさんを越えた馴れ馴れしさに
最近ちょっと困ってるんだけど。」
「いーじゃん別に。」
「まあ今更なんだけどさ。」
「今日飯食ってくか?」
「遅くなるならいただこうかな。」
食べてくという合図だ。
だいたい新作の武器の調整は長くなる。
まあ今日は俺の飯当番だから構わんが。
「それじゃご馳走さん。」
カラシを食べ終え代金を置く。
こんな日常だが不思議と嫌じゃない。
平和が一番だ。
と、思っていた。
だがまさか僅か数時間後に
2度と日常に戻ることが出来なくなるとは
思いもしなかった。




