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これからも愛美と一緒に戦う!


「な、なんなのよぉ~、この嫌な気はぁ~」


温かく柔らかい光にリリスは顔をしかめてる……。


リリスが弱ってる、今がチャンスかもっ。


「みっちゃん、力を送ります!」


「うん、お願いっ」


愛美は私の一言を合図にハープに軽くキスをすると、ゆっくりとしなやかに弦を鳴らしていく。


「余多の光よ。今この旋律の元に集え」


愛美の呪文みたいな言葉と同時に私の持つステッキに先よりも強い力がスッと宿るのが分かる。


今まで感じたことのない力……これが魔法なの?


ぐれっちょん、必ず私ぐれっちょんの仇は取るから。

だから見守っていて。


愛美から送られてくる力を宿したステッキで、空中に魔法陣を書いていく。



「余多の光よ。今我に力を示せ!」


「な、なにっ!なんなのっ!? この光は……くうぅうっ」


胸を押さえて苦しむリリスに向かって、出現した魔法陣を放つ。

眩しいくらいに光輝く魔法陣を避けることが出来ずにリリスはその光に飲み込まれてしまう。


「今は見逃してあげる……でも覚えてなさいよ……この仮は必ず返すから……」


魔法陣の光の中から人が変わったようなリリスの声が聞こえてくる。


光が消えた後はリリスの姿はもうなかった。


完全にリリスを倒すことは出来なかったけど、私と愛美は勝てたんだ……。


リリスがいなくなると、それまで真っ暗だった、空がようやく晴れてきたの。


「みっちゃん、後はエネルギーを吸収された人を元に戻すだけです。任せて下さい」


愛美はニコリと天使みたいな笑顔を浮かべると、もう一度ハープをゆっくりと弾いた。


そのメロディは凄く心地よくて、心が洗われるみたい……。


「っ……み、つき……ま……なみ」


愛美の心地いい演奏に反応したらしい、ぐれっちょんは今にも力尽きてしいそうな弱々しい声で私達を呼んだ。


私は演奏を終えた愛美と一緒にぐれっちょんに駆け寄ったんだけど、ぐれっちょんの痛々しい姿を見たら、また涙が溢れちゃって……。


「おまえ……ら、よく、やった……な、すげー…な」


「ぐれっちょん、もう喋らないで! ごめん、ごめんね、私をかばってくれたから………こんな…ひっく…うぅ…」


たまらず私はぐれっちょんを抱き締めた。ぐれっちょんの体は少し震えていて、ぬいぐるみのハズなのに凄く冷たく感じたんだ。


やだ……ぐれっちょん、死んじゃダメっ。


「ぐれっちょん、頑張ってください!」


「ぐれっちょん、ダメ、しっかりしてよぉ!」


「なぁ…みつ…きぃ…」


か細い声で私を呼んで、力なく笑うぐれっちょんに私も涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、優しく微笑み掛ける。


「なぁに?ぐれっちょん……」


「く、はぁっ……はら…へった…めし、くれ…」


そして力なく、うなだれて意識を失うぐれっちょん。


そのぐれっちょんをそっと寝かせて立ち上がった。


「さーて、愛美! 今から学校よ。先職員室の窓から先生が出入りするのが見えたしね」


私はひとつ、大きく伸びをすると、髪飾りをほどいて変身を解いた。


愛美は未だに私とぐれっちょんを見比べて、キョトンとしてる。


「あ、あの、ぐれっちょんは……」


「ぐれっちょんなら、そこでお腹空かして寝てるんでしょ。

その内に起きるわよ」


ふん、心配して損しちゃったわ!

それにすっごく紛らわしいんだからっ。


お腹が減ってただけなら、最初からそう言いなさいよね。



……でも、かばってくれて、ありがと。


私は心の中で小さくつぶやいた。


「ほら、そんなとこでボケッとしてたら遅刻しちゃうわよ!」


「みっちゃん、ちょっと待ってください」


慌てて髪飾りをほどいて私服に戻った愛美の手を握って引っ張って、校庭目指して走っていく。


これからも色んな悪魔が現れて、今よりもっと大変なことも起きるかもしれない。


でも愛美となら、どんな事でも乗り越えていけそうな気がするんだ。


だからこれからもよろしくね、愛美!



第一話 END



長い小説をここまで読んで下さってありがとうございます。ようやくウィッチ☆プリンセス、一話を完成させる事が出来ました。

三日坊主の自分がまさか完走(?)出来るなんて、思わなくて驚いています。


私の友人でウィッチ☆プリンセスのキャラ画を担当してくれた方がいるんですが、凄く可愛いくキャラを描いてくれて…小説を完成させる事が出来たのは素敵なキャラ画を描いてくれた友人のおかげだと思っています。


一話ではまだまだ美月と愛美は初心者。一話から早速ガンガン戦うよりも、不馴れで戸惑う感じを出したかったんです。

これから戦う度に成長していくと思うので、二話以降もよろしくお願いします。


二話は早速テコ入れ水着回!


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