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ヒーロー道開幕

俺は佐藤太郎、普通の日本の高校生だ。

今日も学校に向かために駅のホームで電車を待っている。

電車が来る音がしてちらっと電車のほうを見た。

その瞬間誰かに後ろから押された気がした。

気づいた時には目の前に電車が来ていて、次の瞬間には俺は赤ん坊になっていた。


きれいなお母さんらしき人物の胸がすぐそこにあり、必死に吸った。

こんな幸せなことはないと思いながらほかの場所に目をやるとそこは明らかに日本ではない光景が広がっていた。


そこから数日が経ち日本ではないどこかに転生していること自覚した。

外国のどこかなのか、それともなろう系のような異世界なのか。

だが言葉がわからないうちは考えても仕方がないと思い赤ん坊生活を堪能した。


そんなある日父親が暖炉の火をつけるために魔法を使用したのを見た。

それを見た瞬間この世界は自分が知っている世界ではない場所だということを確信し、魔法が使えるうれしさと日本に戻れないかもという不安な気持ちに板挟みになった。


「アイン・ラドミール」


これがこの世界での俺の名前らしい。

少しずつ言葉がわかるようになってきて、四歳になるころには本を読んで魔法の知識をつけ、練習をしていた。

異世界に来た事実を受け入れたのだ。

魔法が使えるとわかった瞬間から俺の目標は決まっていた。

この世界でアベンジャーズのようなチームを結成することだ。

もちろん俺はニックフューリーではなくアベンジャーズのメンバーとしてだ。

まだアイアンマンか、それともスパイダーマンかなりたいものは決まっていないので、どれでも対応できるようにそれぞれの能力に見えるように魔法を練習しようと思った。


この世界は多種多様な種族がいるらしい。

俺が住んでいる村、サージの村の近くでも魔物がたまに出てくる。

村の西にあるカサド大森林から作物や家畜を狙って人里に来るらしい。

七歳になるころには、そいつらを狙って魔法の練習を積み重ねていた。

とはいっても最初は基礎の魔法だ。最初から独自のやり方で身につくとそれを後で矯正するのは大変だ。基本に忠実が大切なのだ。

だが、こんなことをやっているのが親にばれると外に遊びに行けなくなるかもしれないし、窓に鉄格子をはめられるかもしれない。

なので遊びに行くと嘘をついて、カサド大森林に行って魔物を魔法の練習台にしていた。


魔法の練習をして一年が経った。

カサド大森林は広く、一年でかなりの魔物を狩ったが全然いなくなる気配がない。

俺は八歳になり、基本の魔法はある程度使えるようになった。


そろそろヒーローの技を練習しよう。

最初はスパイダーマンだ。魔力を糸のように細くして木に飛ばし糸を短くなるよう魔力を調節すれば自然と体は引っ張られる。

また魔物相手には魔力をゴムのようにして相手にぶつけ拘束し、無力化する。

殺傷能力がないことが難点だが、無力化した魔物をナイフで殺した。


そんな風に魔法の練習を続けながら同時にこの世界の勉強もしていた。

転生系の王道といえば、子供のうちにたくさん勉強し、めちゃくちゃ強くなり、

神童と呼ばれるようになると決まっているのである。


そのようなテンプレがあり、なおかつ俺にはアベンジャーズ計画があるので他の種族のこと、この世界のことを知るのはとても重要なのだ。

アベンジャーズにはソーのような神やハルクもいる。

それを人間族だけで集めるのは不可能なのだ。


その計画を実現させるためにこの世界の知識を片っ端から頭に入れた。

この世界には魔力があり、魔法が普及していること。たくさんの国があり種族がいること。家にある本では情報が少ないがそれでも少しでもと勉強した。

今住んでいる国はアドリア王国というらしい。アドリア王国の東に位置するリーウェン領の中のさらに東にサージの村はある。


村は人口百人ほどで村のみんなとてもやさしい。

畑を挟んだ隣の家には同年代の女の子が住んでいた。

これがまたとてもかわいいのだ。

長い黒髪にきりっとした顔つき俺好みの少し気が強そうな感じの子だ。

もちろんまだ話したことはない。話したいのはやまやまだが、きっかけがないのだ。


二年が経った。

魔法もそれなりに扱えるようになってきた十歳のある日、今日も魔法の練習をしようとカサド大森林に続く川の横の道を歩いていると橋の上に彼女がいた。少し寂しげな表情を浮かべていた彼女に見とれていると何か衝撃波みたいなものがこちらに向かってくるのを感じた。

その瞬間急に立ちくらみのようなものを感じ、そのまま道に躓いた。

「やばい。」

そう思ったときには川に落ちていた。

ちなみに俺は泳げない。めちゃくちゃカナヅチだ。

水の中で意識が遠のいた。


「大丈夫!?」

急に横から声がして意識が戻ってきた。声のするほうを見ると彼女が俺の肩に手をやり助けてくれていた。

俺の目には彼女が天使のように映った。

川から助けてもらい呼吸を整え一息ついた。


しかし普通は俺が彼女を助けるのがテンプレではないのか。

そんなことを思いながら彼女に助けてもらった礼を言った。


「ありがとう。本当に。」

「俺の名前はアイン。」

「気にしないで。私の名前はレーネ。」

「急にフラフラになってそのまま川に入っちゃったから驚いたよ。」

そんな会話をしながら彼女を見ると服が濡れて胸がすけている。

なんてラッキースケベなんだ。ありがとう神様。

初めて神に感謝をした。

「ありがとうレーネ。ごめん。俺のせいでびしょ濡れだ。」

「いいのよ。それじゃ。」

そういって彼女は立ち去った。

俺も家に帰って風呂にでも入るかと思って、彼女と同じ道をたどった。


しかし一つ問題があった。

彼女が前にいてものすごく気まずいのだ。彼女のあとをつけてるいみたいになっているし。そんなことを思っていると

「なんでついてくるのよ。」

「いや俺も家こっちだから。ていうか家隣だろ。」

「え、そうなの?」

いや、なんで知らないんだよ。幼馴染の男の子が隣の家だったらふつう知ってるだろ。

と心の中でツッコミながら少し走って彼女に追いついてたわいもない会話をしながら家に帰った。


レーネかわいかったなぁ。

今日のことを思い出しながら夜はスパイダーマンになるために魔物を狩っていた。



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