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終わりと始まりの右ストレート

中学最後の春休みも終わり、俺は今日から高校生になる。

新しい制服に身を包み、新しい通学路を歩いている。まだ学校に着いていないというのに、五感で感じる全てのものが新鮮で俺は浮足立つ。

今日は高校の入学式だ。今後俺がどんな高校生活を送るかが決まるかもしれない大事な一日なのだ。俺がこれから通う高校は俺の住んでいる地域からは少し離れていて、俺と中学校が一緒な人間はほぼいない。そんな初対面な人間がほとんどな環境に飛び込むわけなのだから、第一印象は大切だ。

今朝は早起きして身なりは入念に整えた。どこかの記事で見たが人の第一印象は見た目だけで大方決まるらしい。


「よし、問題ないな」


俺は歩きながら制服の乱れがないかを確認し、整える。

中学までは学ランだったが高校からはブレザーの制服なせいで少し落ち着かない。特にネクタイのせいで少し圧迫感がある。

どうしてここまで気合が入っているかというと、簡潔に言えば高校デビューを成功させるために他ならない。

中学時代はとても悲惨だった。小学六年生のころ、一人の友人がとある一冊の本を俺に貸してきた。それが俺とライトノベルとの初めての出会いだった。そして速攻でハマった。

多感な小学六年生がラノベにハマり、その後どうなったのかは想像に難くない。当時の俺はラノベ主人公になるために発言、行動、仕草、思考、全てを模倣した。そして徹底的にそれらを行った俺は中学に入学するころにはぼっちになっていた。どこにでもあるくだらない話だ。

その後もブレーキなんて忘れてしまった俺はアクセル全開で卒業式まで駆け抜けた。

そして卒業式が終わり、ようやく俺は気づいた。俺のやってきたことに意味なく、俺がラノベ主人公の真似をいくらしようとも一番重要なヒロインは現れることはない!

友人キャラでさえ登場してこないのだ。ヒロインなんか夢のまた夢。

夢は覚めた。これからは普通の人間として普通の高校生活を送ってやる。友達だって彼女だって作ってみせる。俺は生まれ変わったのだ…。

これから始まる新たな俺の人生に胸の高鳴りを抑えられない。今日から始めるんだ。

そんなことを考えているうちに目的地である高校の目前まで来た。

…通学路イベントはなしと。

いや、そんなことは分かっている。この世界は二次元ほど甘くはない。運命的な出会いなんてなくても自分の手で手繰り寄せてみせる。


「ふっ、やってやるさ」


そして俺は澄み渡る晴天のもと、校門をくぐった。


     ◇


おい、噓だよな?


高校デビューを決意して俺が校門をくぐったあの日から十日が経った。

俺の友達は?俺の未来の彼女はどこなの?

窓側の真ん中に位置する自分の席で俺は突っ伏しながら自問自答を繰り返していた。

反省点はいろいろある。まず一番に俺が俺を過大評価し過ぎていたことにある。よくよく考えてみれば分かることだが、中学三年間を会話らしい会話をしないで一人で過ごしてきたんだ。そんな人間にまともなコミュニケーションが取れるわけがなかった。

俺に話しかけてきてくれたやつもいたが、どれも俺がテンパってしまい、まとも受けごたえができずに終了。

そんな俺が自分から話しかけにいけるはずもなく静かに撃沈。

俺は最後の願いを登校二日目に行われる予定だった自己紹介にかけた。共通の趣味や、その他の共通点を持つ人間をそこで見つけられれば、そこをきっかけに繋がりが作れると思ったからだ。

だが、その最後の願いも儚く散ってしまった。

このクラスでは自己紹介は行われなかったのだ。ホームルームが始まったと思えば、クラスの俺が所属する1年A組の担任である女教師が「自己紹介は行わない。してもしなくてもこのクラスで形成される人間関係はすでに決まっているからな」などと言い出し、その時間は各自自由に周りの生徒とコミュニケーションをとる時間に回された。そこでも俺は何の成果も得られなかった。我ながら情けなさすぎて泣けてきた。

先生、俺がぼっちになる未来は決まっていたっていうことでいいんですか?

俺は顔を上げ、窓越しに外を眺める。

すると一羽の小鳥が飛んできた。


「お前も一人か」


俺は周りに聞こえないぐらいの声量で呟く。

しばらく小鳥を眺め、勝手に仲間意識を覚えていたところに同種の鳥がもう一羽飛んできて、小鳥の横に止まった。

二羽の鳥は嘴と嘴を合わせて露骨にイチャつきだす。

それを見た俺は窓を勢いよく開けて目障りな二羽の鳥を追っ払った。


「ケッ、人をおちょくりやがって」


俺が窓を閉めて再び席に座ると一人の女子生徒が話しかけてきた。


「何してるの?」


声の主の方を見るとそこには柏木(かしわぎ)()()の姿があった。

この女子生徒は入学初日から目立っており、ブロンド色の髪に、整った立体的な顔立ち。スタイルもそこそこ良く、コミュニケーション能力も長けているため、すぐにクラスの人気者になった。そんな目立つ彼女だから俺も名前を覚えている。若干ギャルっぽい。


「い、いや、邪魔な虫がいてな」


「鳥を追っ払っているように見えたけど」


まずい。一部始終を見られていたのか。


「と、鳥の横にいたんだよ。デカくてキモいのが」


「ふーん。そうだったんだ」


なんとか誤魔化せたみたいでよかった。。仲良しな鳥たちが妬ましくて追っ払ったなんてことが知られたら絶対に軽蔑されるからな…。


「たしか、新田くんだったよね?」


「そ、そう。新田(あらた)将也(まさや)。我将軍也…!で将也。なんちって」


「…」


俺のボケに柏木が沈黙する。つらい。なんで余計な事言ったの俺。頼む、誰か俺を殺してくれ!


「ふふっ、新田くん面白いね」


セーーフ。


にしても何だったんだあの謎の間は。つらすぎて心臓張り裂けそうだったぞ。


「ねね、私たちまだ連絡先交換してなかったよね?交換しよ!」


「え、あ、あぁ。ちょっと待って」


ん?何が起こっているんだ。事態を呑み込めないままに二つ返事で返してしまったが、今連絡先を交換しようって言った?あんたクサイ通報しようの間違いではなくて?

おっと慌てるなよ、将也。ここは真摯にスマートに行こうじゃないか。たかが一個の連絡先だ。女子とかそういうのは意識する必要はない。


「じゃあこれ、俺のメアド」


よし、スマートだ。今日初めてどもらずに会話できたぞ。


「え、やだ新田くんってば。メアドって。今どき連絡先って言ったらロインとかでしょ」


…うん、もう恥ずかしすぎて顔があげられないです。


「い、いやいやさすがに冗談だよ。ちょっと待ってね」


すかさず俺は柏木にばれないようにロインとやらをダウンロードする。

早く終われ、早く終われ…。

そうこうしているうちにダウンロードが完了した。


「ね、まだ?」


「あ、はい、これ」


俺はロインのアカウント登録を爆速で終わらせ、友達追加とやらの画面を表示する。


「おっけー、ありがと。てか新田くん初期アイコンじゃん。なんか寂しくない?」


「え、そう?めんどくさくて設定してなかったわ。アイコンにしたいような写真もないし」


普通は初期アイコンじゃないのかよ。まぁ確かにどのアプリでも何かしら設定したりするか。


「へー、じゃあこっち向いて」


「え、なに急に」


パシャッ!

柏木は手に持っているスマートフォンで写真を一枚撮った。


「今送ったから写真確認してみてよ」


自分のスマホの画面を確認してみると柏木から一件のメールが届いていた。それを開くと一つの写真が表示された。


「新田くん、驚いて口開いちゃってんじゃん。ウケる」


柏木が手元の写真を眺めながらクスクス笑っている。確かにアホみたいな顔してるな。なんだか小恥ずかしい。


「さっきアイコンにしたい写真ないって言ってたからさ。それアイコンにしてもいいよ。その代わり、それ使うときは私に一言連絡してね。それじゃ」


柏木は手を振って自分の席へと戻っていった。

しばらくして俺は我に返る。一瞬の出来事であったが俺の心に残したインパクトはとても大きく、放心してしまっていた。先ほどの出来事が現実だったのかどうか疑ってしまう。

それを否定するように手元のスマートフォンには俺と柏木のツーショットが映し出されていた。

柏木のアカウントを見つめていると口角が勝手に上がっていく。他のクラスメイトにばれないようにと俺は口を掌で押さえて隠した。

やばい、初めてのクラスメイトの連絡先だ。しかも女子!

こんなことが起こってニヤけない男はいないだろう。

俺はひとしきりスマホの画面とにらめっこした後、この画面を額縁に入れて自室に飾ることに決めた。


    ◇


「おい、新田」


その日の放課後、一刻も早く例の画面を額縁に飾るべく帰宅しようとしていたところ、教室を出る前に担任の松浦先生に呼び止められた。

この人のせいで俺の友人獲得の機会が減った可能性があるのは確かだが、そこまで松浦先生に嫌悪感を抱いてはいない。なんというか憎めないのだ。この十日間彼女を見てきて思ったが、仕事はきっちりこなすし、何より生徒想いであることが容易に伺える。入学初日にはクラス全員の顔と名前は把握していたようだし、朝と帰りのホームルームの前後で必ず誰かしらと会話をしている。それもまだクラスに馴染めていないような生徒たちを中心に。俺も馴染めてない判定なのかよく話しかけられる。今になって思うが、入学初日に自己紹介を俺たちにさせなかったのは何か理由があってのことだったのか。


「すまないが、今日は日直の佐藤が休みでな。代わりに日誌書いていってくれないか。」

今日は急いで帰ってやらなければならないことがあるのだが。


「なんで俺なんですか」


「だってお前暇だろ」


もともと引き受けるつもりでいたんだけどやっぱやめようかな。


「今の一言でやる気なくしました」


「おい、ちょけるなよー。頼むよー」


松浦先生は両手を合わせて顔の横へ持っていき、その方向に首を傾けながらお願いしてきた。


「はいはい、分かりましたよ」


「そうか、助かるよ。今度何か学食奢ってやるかな」


「じゃあスペシャル定食でお願いします」


「ははっ、却下」


先生は笑いながら手に持っていた書類で俺の頭を軽く叩いた。先生とよく話すようになって最近はお互い冗談が増えてきた。この時間は嫌いじゃない。むしろ好きだ。何しろ若い美人の先生とイチャつけるんだからな。


「じゃあ、よろしく頼むよ」


そう言って先生は次の仕事があるのか教室を後にした。

よし、さっさと終わらせるか。

俺は日誌を自分の席へ持っていき、作業を始めた。


   ◇


日誌を書き終えたころ、教室には数人の生徒しかいなくなっていた。いつもはもう少し残っている印象だが、今週から仮入部期間ということもあって人が少ないのだろう。


「…部活ね」


俺は日誌を畳み、それを教卓の上へ置いた。後で松浦先生が取りにくるはずだからこれで問題はないだろう。さっさと帰って額縁作戦に取り掛かろうじゃないか。

俺は教室を出て昇降口へと向かう。

ここ私立恵(けい)(せい)学園の校舎は四階建てで、一年の校舎は四階に位置する。俺たちの下の階は二年生のフロア、その下が三年、そして一階が職員室や印刷室、会議室などに使われている。

毎度毎度思うが、四階から昇り降りするのが何気にキツい。エレベーターはあるが、何かケガをしている人か足が不自由な人専用なので勝手に乗ると怒られる。そのため生徒や階段の昇り降りに支障がない教師は階段を使っての移動が基本になっている。そのため、昇降口で忘れ物に気づいたときは割とへこむ。ああいう小さな絶望が人を大人にさせるのかな。

ようやく一階に着くと昇降口手前で再び松浦先生と対面した。


「おお、新田。さっきは助かったよ」


「いえ、あれぐらいなら任せてくださいよ」


「そうか。それならもう一つだけ頼まれてくれないか?」


先生はお願いとばかりにこちらをちらちら見てくる。


「まぁ、聞くだけなら」


「この鍵な、屋上のなんだが、これで施錠してきてくれないか?この時間には閉め切ることになっているから頼むよ。私はこれから会議があってな。今から行くと遅刻しちゃうかもなんだ」


「スペシャル定食」


俺が一言吐き捨てると松浦先生は少し悩んだ後、口を開いた。


「分かった。デザートもつけてやる」


「契約成立ですね。鍵は職員室横のところに掛けておけば大丈夫ですか?」


「あぁ、それじゃあ頼む。また明日な」


俺は返事をして屋上へ向かう。

また上へ昇るのか。最近運動不足だったし、丁度いいかもしれない。


「はぁ、はぁ、ようやく着いた。なかなかしんどいな、これ」


少し息を整えてから屋上の扉を開ける。中を確認しないで鍵をかけると人がまだ残っていた場合面倒なことになるからな。そして俺は屋上に人がいないかを辺りを見回して確認する。すると、人影があることに気づく。女子生徒のようだ。


「すみませーん。屋上もう閉めなきゃなんで校舎に戻ってくださーい」


俺は女子生徒に向かって呼びかけたが気づいていない様子だった。大声を出すのも面倒なので近づいて呼びかけることに。

俺が女子生徒に歩み寄るとそれが今日一緒に写真を撮った柏木芽衣であることが分かった。柏木は転落防止のために設置されているフェンスに手を当てて黄昏ている。教室で見る彼女とは違い、どこか儚く、今にもいなくなってしまいそうな雰囲気を醸し出している。少し声をかけづらいが遅くなると松浦先生に心配をかけるだろうから、ここは意を決して一歩一歩歩み寄る。

すると柏木が独り言をブツブツ呟いていることに気づいた。


「はぁ、なんか違うのよねぇ。私の思い描いていた高校生活と。クラスのみんなからは人気者扱いされてるけど、実際仲のいい友達はいないし、うちのクラスの男どもは草食系ばっかで全然向こうから寄ってこないし。私が上位存在なのは分かるけど、もっとガツガツ来てもいいわよねぇ。男女ともに一線引かれてるのよ。ほんと居心地悪いわー。今ごろ私の予定だったらな」


「予定だったら?」


「そりゃあいい感じのイケメン侍らせて女の子たちとも順風満帆。我が景星学園一年の星になってる予定だったんだけどねー」


「イケメンは見つからなかったのか?」


「そうなのよ。少なくともうちのクラスにはいないわね。芋ばっか。ほんと参っちゃうわ」


「悪かったな、芋で」


「そうそう芋で…」


ようやくこちらに気づいたのか、柏木は青を通りこして紫じみた顔でこちらを見つめたままフリーズしている。俺が目の前で手を振るが、柏木の目はそれを追従することなく、固まったままだ。


「なぁ、おい、柏木。そろそろなんとか」

「い、いつから居たの!?」


ようやく動きだした柏木だったが大分テンパっている様子で、こちらの言葉を遮って俺を問いただしてきた。柏木は俺の制服の襟を掴み、フェンスへ押し付ける。柏木は半泣きになりながら顔を赤くし、すごく必死なのが伝わってくる。


「なんか違うのよねぇ~。私の思い描いてた高校生活と~のくだりからです」


俺が柏木の真似をして質問に答えると俺を押さえつける柏木の力が一層増してきた。


「ふざけんじゃないわよ、あんた。絶対他のクラスメイトにこのこと言うでしょ!」


「言わねーよ、言う友達すらいないし。誰しも隠し事なんてのはある。それをペラペラ喋るほど俺は腐ってねーよ。だからこの手を放してくれ」


俺は正直に自分の考えを言葉にしたが、柏木の力は緩まることなく、今も俺を押さえつける。


「絶対嘘よ。もういい、あんたを殺して全部なかったことにするからぁ!」


柏木は泣きじゃくりながら襟を掴んでいた手を俺の首へ伸ばす。


「お、おい、馬鹿、やめろ…」


次第に呼吸が苦しくなってくる。本当にこのままだと絞殺されるかもしれない。ていうかこいつ力強すぎだろ。本当に女子か?


「お、俺を殺しても何もなかったことにならないぞ。俺が死んだら死体が残るだろ」


「あんたを殺したら埋めるから大丈夫」


こいつ本気だ。完全にやろうとしているやつの目だ。

しょうがない。女子相手に手を出したくはなかったが許せ。

そして俺は空いた両手を柏木の両脇へと運ぶ。より布と身体の距離が近くなるようにブラウスの中へと手を忍ばせる。


「ちょっと、あんた何やって」


くらえ、俺のこちょこちょ攻撃を。これを耐え抜いたものはいない!

俺は容赦なく柏木をくすぐり始めた。ブラウスの中は柏木の体温で生暖かくなっており、すごく生々しさを感じる。

…いや、いけない。邪念は捨てろ。生か死がこの両腕にかかっている。今俺が持ちうる全てを出せ。もうこの先この腕が動かなくなっても生きてやる!


「ちょ、ははっ、やめなさいよ、ちょっ、はふぅ、あっ、そこダメだから。ほんとマジで!」


俺の攻撃は効いているようだ。柏木身を捩らせながらも俺の首から手を離さない。だが確実に力は弱くなってきている。あともう一押しだ。

そして俺が攻撃を続けていたところ、突然なにか違和感のある感触が俺の手に走った。表面は少し硬いが中に柔らかいものが詰まっているのが分かるようなそんな感覚。ポヨンて弾かれたぞ、俺の手が。俺が謎の感触について考え込んでいると俺の首を絞める手がほどかれる。


「はぁ、はぁ、ようやく分かってくれたか。危うく本当に逝くとこだったぞ」


「いくって?イクってこと?あんた一体何してくれてんのよ…」


「は、何言ってんだ。俺は柏木が手を離さないから仕方なくくすぐってただけで」


「私のおっぱい、まだ誰にも触られたことないのに…」


「へ、おっぱい?」


そのとき、点と点がつながった。違和感のあった感触、柏木の発言。俺はどうやら女体の神秘に触れたらしい。


「ご、ごちそうさまです!」


心から溢れ出た一言だった。

俺は言葉とともに頭を下げて感謝の意を伝える。おそらく俺の一言は柏木にとっては間違ったものなのだろう。でもここで謝る奴なんてのは漢じゃあない。神秘に触れさせてくれた目の前の柏木、そしてその神秘を作り出してくれた創造神に今はただ、感謝を。

この後、何が起こるかは大方見当がついている。覚悟を決めた俺は意を決して顔を上げた。


その瞬間、俺の視界が柏木の拳で埋まった。


「ぶはっ!」


柏木渾身の右ストレートが炸裂し、俺の意識はどこかへ飛んで行った。


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