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道を行く

作者: 武田道子

道を行く



もうこんなに遠くまで来てしまった

正しい道だったのかどうか

右に曲がり、左に曲がり、

迷子になったり、誰かのGoogleマップになったり

いくつもの角をまがり

いくつもの信号で立ち止まり

誰かが手を引いてくれた

誰かの後をついて行った

大きな橋を渡り

小さな橋を渡り

水溜まりを飛び越え

水溜まりに着陸し

じゃり道で転んで膝に小石が刺さり

ツルツルのアスファルトでスケートして尻餅をつき



遠くなった道はすっかり霞んで見える

本当にその道はあったのかなかったのか

幻覚、シンキロー、物語?

田圃の畦道を通って近道をして怒られ

学校帰りにどこかの家の桑の実を食べた

口の周りと指先は紫色に染まった

嘘はかんたんに見破られ

でこぼこの田舎道、泣きながら

ガタガタ自転車をこいで

暗い道をお使いに行かせられた

遠い道は今でもあるだろう

何十年も前に私がつけた

足跡と自転車のタイヤのマーク

踏みつけられ、舗装され

懐かしい道は姿を変えた

ただそこに道がある

私も通ったことのある道



真っ直ぐに前を見ている

道の終わりは天へ続くそうだ

道の初めは天から続いているそうだ

初めも終わりも遠すぎて見えない

それでは今の道は?

自分だけの自由な道

行けるところまで行くしかない

行けるところまでの私の(みち)

その道を行く


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