ユリアの帰省
フワッとしたドレスを最後に来たのはどれくらい前だろうか、スカスカした足がどうも慣れなくて下にズボンを履いてきてしまったが長いボリュームのあるドレスだ。バレる事はないだろう。
領地内でお父様が用意してくれた宿に転移して
変装を解く。白みがかった綺麗なシルバーの髪がフワッと現れる。この髪型と髪色も久しぶりね...着替えた所で馬車がやってきた。
やってきた馬車に揺られながらお兄様へのプレゼントは果たしてこれでよかったのだろうかと悶々と考えているとあっという間に家に着いた。
「おかえり、ユリア!元気にしてたかい?僕は今領地を継ぐ為の勉強中だよ」
馬車のドアが開いた途端話しかけてきたのはお兄様だ。毎年お兄様の誕生日にだけは帰ってきていたので実に1年ぶりだ。
お兄様のエスコートを受けながら馬車から降りるとお父様が玄関で待っていた。
「やぁユリア、1年ぶりだね。毎月出しているテストの回答が素晴らしいのだけけどあの問題を解いているのならば冒険者としては大変なんじゃないか?」
そう、お父様が言っているテストとは貴族の嗜みや最近流行りの話題、流行りのお茶菓子や社交界デビューした令息、令嬢の名前など沢山の問題が書かれている答案用紙だ。これに回答すれば舞踏会に出なくても良い、しかし点数が悪ければ冒険者をやめて家に帰ってくる。これが私がお父様とずっと冒険者をする上で約束した事だ。
きっとお父様は私がいつ冒険者から令嬢に戻ってもいいようにしているのだろう。
お兄様の誕生日会は家族でするのと貴族としてする誕生日会と2回行う。勿論私は貴族としての誕生日会には不参加だ、何故なら療養中の身だからだ。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
「明日はユリアの大好きなシェフが作るディナーだよ」
え、マジ?
おっと...思わず前世が飛び出してしまった。
あのシェフの作る料理はどれも口がとろけるほど美味しくて1度食べたらやみつきになる。
『本当ですの?』
「ふふ、ユリアは冒険者をしているのに口調が綺麗なままだね。変なやつに狙われない?いつでも帰ってきていいからね。」
ハハッ...とてもあれだけ嫌がってた学園に楽しく通ってますなんて言えない...
そんな和気あいあいとした話をしながら私は久しぶりに自分の部屋に戻った...
ガチャ....
部屋間違えたわ
バタン
『ねぇメアリー、私の部屋ってどこだったかしら?』
「ここに御座いますよ」
嘘だろ...嘘だと言ってくれ...
私が部屋の中を覗くとそこには...




