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ホーネリアン強襲揚陸艦、ブリッジ。
戦隊長が生物的な玉座に肩肘を突いて苛立たしげに敵地上部隊の抵抗を睨んでいた。
「棒立ちの人型相手に何を手こずってるんだ? おい。奴隷」
操艦コンソールに座りシステムを操作する小柄なメス型のホーネリアン、働き人が無機質な表情で、やはり無機質に言った。
「地球人は陣形を整えて対空防御をしてます。それぞれがカバーし合っています」
「こっちの武器が当たってんのに一機も落とせてねえってのはどう言う理屈だ!?」
「地上では大気の影響を受けてビームが減退するので、通常の35%の威力しか、」
「ああ!? 鬱陶しい!」
戦隊長は玉座を立って働き人の座る座席の後ろに立ち頭を掴んでコンソールに叩きつけた。
「お前のコントロールが悪いんだろうが、二機も落とされやがって!」
つと額から血を流しても表情を変えずに働き人は言った。
「現状の戦力でも、撃滅可能。損害必須。地球人に中心となる士気兵がいます」
「あ? そう言うことは早く言えよ。そうかそうか、スーパーロボットの適性者が居るのか!!」
戦隊長は踵を返すと、乱暴に言い放つ。
「ロトン・ロトンを出せ! 俺が自ら行く。狩りの時間だ!!」
そしてイソギンチャクのようなゲートを開けてブリッジを後にした。




