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 艦体に被弾し各所から火花を散らす護衛艦蒼龍は、CIWSで敵機を追いながら微速後退を続ける。

 生きのいい野生のタコのように宇宙を自在に泳ぐ敵戦闘ポッドは弾幕を掻い潜って断続的にビームを照射し確実に当ててきていた。

 残存し随伴する三機の三三式煌角の一機が、右手の銃マシンガンを打ち付けながら特攻を敢行し、練度の高さで触手を撃ち千切りながら肉薄して左手に持つスパイクシールドの先端を敵機に当て、内蔵されている格闘兵器、炸薬スパイクを打ち込んで撃墜した。

 誘爆に巻き込まれないようすぐに距離を取るが、別の戦闘ポッドが触手だけを向けて彼の機の背面スラスターパックをビームで焼き切られ爆散する。


「十八番機、ロスト!」


 オペレーターの報告に里中艦長が一瞬の黙祷を捧げる。


「長谷川・・・すまん・・・。対空防御! なんとしても耐えろ! 主砲、当てずっぽうで構わん敵の予測域に照準無しで撃ち込め!」


「主砲回頭!」


「テー!」


 急速回頭した主砲が狙いもそこそこに三連射を行い、避けきれなかった戦闘ポッドが掠めて動きが乱れる。

 すぐに随伴機が銃マシンガンを浴びせて撃墜した。


(あと二機・・・。単機で艦船を落とせるほどの火力を持つ敵を相手に、よくここまで持ち堪えたものだが、もはや限界か・・・)


「レーダーに感!」


 オペレーターが叫ぶ。

 その目に希望を輝かせて艦長向き直って言った。


「ガメリカ軍です! ローグキャット十機、援軍に駆けつけてくれました!!」


 五芒星の形の骨組みの先端をローグキャットに掴ませて、ガメリカ宇宙軍の高速揚陸艇が戦線に駆けつけて一斉に飛翔し、両手で持つレーザーバルカンポッドを乱射して逃げ惑う敵戦闘ポッドを撃墜していった。


「間に合ってくれたか・・・! しかし・・・」


 もはや時間の問題と見切りをつけて、敵揚陸艦は地球に降下してしまった。

 突入角を無視した垂直降下。

 里中艦長は深くシートに寄りかかって息を吐く。


「直接大気圏を降下するほどの敵か・・・。我々が戦っている敵は、あまりにも強い・・・。あとは、地上軍を信じるしかないか」






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