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 プレハブの引戸をノックすると、中からカップ麺をプラスチックのフォークで啜る軍服に身を包んだ男性が出迎えてくれた。


「おや?」モグモグ、ずぞぞ「んっ」モグモグごくん「レイラ中尉の言ってた生徒じゃないですか?」


 なんともだらしのない食べ物を口に入れたまま喋る軍人さん。

 プレハブの奥ではガタガタとパイプ椅子がひっくり返りそうな騒音を立ててレイラ先生がバタついて顔を出す。


「来たな少年!!」


 で、俺ともう一人いるのを見て笑顔が真顔に切り替わった。

 慌ただしい人だな。


「ん? なんだそいつは」


「はぁ、クラスメイトの笹凪です。整備の手伝いなので、人手は必要かと思いまして」


 じーっと笹凪を観察しているレイラ先生。

 しかし、中尉なんだ。

 相変わらずカップ麺を啜る軍人がのほほんと言った。


「あ、中尉。そろそろ時間なんで自分らは行きますね」


「あ、おい、ちょっと待て!」


「待てませんよ命令ですからっ」ずぞぞっ、ぐっぐっぐっゴクン「ご馳走様でした」


 ツユまで綺麗に食すのは体に悪いですよ。

 壁際のゴミ箱にプラスチックのフォークごとカップを投げ捨てると、中でポーカーか何かをしていた他の二人に言う。


「そろそろ行くぞ。積荷が届く前に松本基地に着かないといけないからな」


「もうそんな時間か?」

「んーじゃ行くかねえ」


「それでは中尉殿。留守番よろしくお願いします!」


「あ、うん・・・」


「それとご愁傷様です!」


「要らんわ、さっさと行け!!」


「じゃあな坊主たち! このお姉さんには気をつけるんだぜ」

「なにしろ手が早いからな!」


「余計な事言うんじゃないさっさと行け!!」


「「「おーこわ」」」


 三人は小走りに格納庫に向かうと、外に停車していたジープに乗り込んで正門から出て行った。

 レイラ先生を見ると、美人な顔を疲れに引き攣らせている。


「まぁ、連れてきてしまったのでは仕方がない。訓練用オクスタンの整備を手伝ってもらうぞ二人とも」


「「はい!」」


 お、笹凪もいい返事だな!

 せっかくクソゲの世界に来たんだから、唯一の魅力であるロボット兵器は間近で見ないとだしね!

 デザインは確か、細身の長身スタイルの機体だったな。いかにもやられメカ的な。

 だがそれでもロボットだ!

 一見の価値はあるっ。


『はぁ・・・折角の夜な夜な大作戦が・・・しゅん・・・』


 ・・・レイラ先生不穏な事呟いてるけど、聞こえなかったことにしよう・・・。






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