堕天使=悪魔冒険者登録する。
堕天使=悪魔レダとドラゴンが、赤ん坊を拾った翌日の朝目覚めて、
「あぁ!昨日は、濃いい1日だった。」
ベッドの上で、昨日の事を思い出しながら、大きく伸びをうっていた。
どれ、エル(赤ん坊)とドラでも起こしに行くかと、一糸纏わぬ姿でベッドから降りると、身体中が光に包まれ光が消えると、紺色と白のエプロンドレスを身に纏っていた。
レダの寝室の隣の部屋は、ドラちゃんとエルディオス(赤ん坊)の部屋で、この2人が同室なのは、エルディオス(赤ん坊)がお腹を空かした時、速やかにドラちゃんが食事(聖龍の血液)を与える事が出来る様にとの配慮であった。
レダが隣の部屋を訪れた時、丁度、エルはドラの指を吸っていた。
「ドラちゃん、少し質問なんだけど、お主の血液で、エルに加護が与えられたのだが、あまり沢山やり過ぎて、眷属化とかならないよな?」
ドラちゃんが一瞬、ハッとした表情をしたのを、レダは、見逃さなかった。
「よし、山羊か何か、乳を出す家畜を購入するか!」
「どうして?」
「儂としては、普通の人間を目立たない様に、観察したかったのだが、この子は、転生紋に、聖龍の加護とスペシャルギフトのオンパレードになっておるじゃないか!これでは、儂もお主も、目立ってしまうではないか!」
「目立つの駄目?」
「儂は、堕天しておるからな、闇堕ちはしておらんが、天界の者達の認識は、堕天使=悪魔じゃから、あまり奇跡の力を使うと、追手がかかるかもしれんのじゃ。」
「成る程、納得。」
「それから、この後、御近所回りして、冒険者ギルドに行くぞ。」
「なぜ?」
「まず、御近所は、いきなり家を出現させておるからな、変な噂が立たんように、挨拶がてら、チョイと記憶の改竄しに行くのじゃ。
そんでもってギルドの方は、怪我した冒険者に来て貰う為に話しをつけに行く、分かったら、準備をせい。」
「分かった。」
◇ ◇ ◇ ◇
ドラとエルを連れての御近所回りが済み、ギルドで診療所を立ち上げた事を話し、診療所の紹介や怪我人の斡旋を頼むと、最初は、ヒーラーとして、クエストに参加してヒーラーとしての実力を見せた方が良いと言われた。
事実、腕のいいヒーラーは、冒険者を引退して、診療所を始める人が多いらしい。
まぁ、最初は、客集めでクエストに参加してもいいと言ったところ、何故かヒーラーとして冒険者登録させられてしまったのは計算外だった。
ギルドを後にして、鞄を2つ購入して、3人で昼食を摂りに入った食堂で、購入した鞄に無限収納を付与した後、夕方迄の時間を、ドラと薬草採取に充ててこの日の予定は、全て終了した。
明日は、採取した薬草で薬を作る予定だが、エル(赤ん坊)は今日も1日中よく眠っていた。
ここまで、スムーズにいったと思われるレダの思惑とは裏腹に、昨日、数人のナンパしてきた冒険者達の股関を繰り上げた事が、陰で噂になり、レダの診療所には、冒険者の訪れる未来がない事をレダは、まだ知らない。