堕天使=悪魔とドラゴンは風呂に入るのだが、サービス回ではない。
今回は短いです。
ドラちゃんと家に入り、何も無く閑散とした室内を見て、ベッド、テーブル、ソファー、絨毯、等の家具を出現させた。
室内のインテリアが揃ったところで、ソファーに腰掛け、一息着いたところで、エルディオス(赤ん坊)が嫌に大人しい事を不思議に思い、様子を見ると、気持ち良さそうに寝ている。
考えてみると、ドラちゃんの血を飲んでから、目を醒ましていない。
家の中を探検しているドラちゃんを呼んで、お前の血は毒じゃないだろうな、と念を押して聞くと、
毒ではないと言うので、鑑定する事にした。
すると、異世界の記憶、聖龍の加護という項目を見付けたので、
「ドラちゃん、聖龍の加護ってのが有るんだけど、これ何?」
とドラちゃんを見ると反対向いて目を反らした。
「ドラちゃん貴女、自分の血液は、栄養豊富で人が飲めば薬になるとか言ったけど、そりゃ加護を与えれば、怪我や病気も治るわよね。
これって、もしかしたら、血液の中に常にハイポーションやエリクサーが流れてる様なものなんじゃないの?
それに、よくよく見れば、髪の毛の色、こんな色ではなかったと思うのじゃが?」
「加護、与える、思わなかった。
髪の毛の色、綺麗になった!」
どうやら、嘘はついてない、と言う事は本当にしらなかったんだな。
しかし、髪の毛の色は、こちらに置いておいて、聖龍の加護となると、勇者、賢者、聖者の行く末は、魔王討伐一択の未来かも知れんな。
「もう面倒じゃ、ドラよ、付いて参れ、一緒に風呂に入るぞ!
儂が人間の風呂の作法を伝授してやるぞ!」
ドラちゃんは、人の姿になって、やることなす事、全ての事が新鮮なのだろう、風呂と聞いて目を輝かせてる。
脱衣場で、
「ドラよ、今暫く服を着たまま、ここで待っていて貰えるか?
まず、儂がエルディオス(仮名)を風呂に入れて身体を洗う、それが終われば、脱衣場で待つドラに渡すので、バスタオルで優しく拭き上げて、服を着せてから、お主は風呂に入って欲しいのじゃ良いか?」
「ん!分かった。」
ドラちゃんの了解を得たので、まだ眠ったままのエルディオスの服を脱がせると、何か違和感が………
「ん?胸の痣が………育ってる!!
身体は全然育ってないのに!」
エルディオスの胸の痣をよく見ると、少し色が濃くなって、痣の回りに薄く色が滲んだようになり、見ようによっては、太陽のように見える。
「ギャウ?」
「人の言葉をしゃべらんか!
取り敢えず、もう一回、鑑定してみる。」
「赤ちゃんは、 どう?」
「何か読めないのが、2つ増えてる。
もう意味がわからん、儂としては、極普通の人間を観察したかったのじゃが、間違いなく、極上の特異点ではないか!
関わった時点で責任重大かも知れんな。」
結局のところ、何も判らないままに称号なのか?スキルなのか?文字化けして読めないものが2つ増えていた。
結局、何か増えているものの確認が出来なかった。
解らない事に頭を悩ませるよりも、何も考えずに風呂に入る事にした。
風呂に入れるとエルディオス(仮名)が目覚めた、胸に転生紋がある以外、全く普通の赤ちゃんである。
なので、普通に育てよう、周りに住む人に教えを請いながら、普通の子供として、いずれ、この子が自分で自分の進む道を選択するその日まで。