姉さんからの贈り物
なかなか、暇がとれない・・・・
冒険者ギルドを後にして、学園の寮に戻ると、寮の前に1匹の猫がいた。
トラだった、カルナ姉さんの猫のトラが、小さな袋を首からぶら下げていた。
そして僕の足元に身体を擦り寄せてくるので、背中を撫でながら袋を外そうと首元に手を伸ばすとトラは自ら頭を下げて袋を僕の足元に落とした。
拾い上げると中には、カルナ姉さんからの手紙が一通と紫色に透き通ったリングが入っていた。
封筒を開けると二枚の便箋があり、一枚目の便箋には、前回こちらに来た時に渡し忘れた指輪をトラに持たせた、それから、トラは暫くそちらで預かっておいて欲しいと。
そして二枚目の便箋には、前に貰った刀の詳細と指輪の使用法と効果が書かれていた。
指輪には、先日カルナ姉さんから頂いた刀専用の収納魔導具だった。
丁度よい機会なので明日使ってみる事にしようと思い部屋に戻り刀を収納しようと思ったのだが、足元のトラを見て、寮母さん、猫を許してくれるだろうか?と現実的な悩みにぶち当たってしまった。
恐る恐る食堂の裏口から、顔を出して寮母さんに尋ねてみると、以外にもOKがでた。
寮母さんが言うには、使い魔と言う事にしておけば、何も問題無いらしい。
そんな訳で、僕は堂々とトラを寮に連れ帰る事が出来た。
使い魔として申請が出ていれば、食堂には連れて来る事はできないが、餌も寮母さんが用意してくれるらしいので、早速申請を出す事にした。
言われてみれば、食後に餌の入ったお皿らしき物を部屋に持ち帰る先輩を見た事があった。
こうして、トラは無事に部屋で預かる事が出来た、ちなみに、トラの夕食は、鶏のささみのボイルしたものが5本だった。
夜、ベッドに横たわるとトラはモソモソとベッドに這い上がり枕の横で丸くなり眠りに就いたようだった。
僕自身も、今日は朝から濃い1日だった事もあり、吸い込まれる様に眠りに就く事が出来た。
明け方、寝苦しく顔がこそばゆいと思い目を覚ますと、胸の上にトラが、そしてそのしっぽが顔の上にあり、僕の寝息でしっぽの毛が僕の顔をサワサワと撫で回すように揺れていたのだ。
まだ朝日が昇り始める頃で、東の空が明るくなり始めたばかりだったが、昨日の疲れのせいで、ぐっすりと眠れたので、身体に変な疲れは残ってはいなかった。
少し身体を動かそうと、昨日のうちに刀を収納した指輪をはめて、寮の外に出て、素振りをすることにした、念じると手の中に刀が現れ、また、念じ方で鞘ごと、または、刀身だけ、鞘をベルトに差した状態等、思い思いのかたちで出現させる事が出来てとても便利だった。
刀自体は、今日初めて鞘から抜いたのだが、僕の体格には少し長い成人用のサイズだったが、見た目程重くもなく、長さを感じさせないくらいに扱いやすく、不思議な程に手に馴染んでいる、その上、魔力を流すと刀身に流れる魔力が刀よって増幅されているかの様に感じる。
それは多分、カルナ姉さんの鱗や生え代わりで落ちた角を材料にしているため、赤ちゃんの頃に僕が飲んでいたドラコンの血液が関係しているのかなと思った。
なんにしろカルナ姉さんは、常に僕の事を一番に考えて行動しているように思える。
ちなみに、指輪に収納魔法を付与したのは、レダ姉さんらしい、僕は本当によい姉さん達に恵まれたと感謝しながら、朝食までの時間、素振りに専念した。
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