(仮題)おじさん再び
ガタイのいいおじさんが、僕らの進行方向に歩いて行った後、アレイシアさんをはじめ、同行者全員に頭を撫でられたり、ハグされたりと、目抜通りの中央でされていたので、道行く人々の注目を浴びて赤面してしまった。
みんなも、注目されている事に気付き、足早にその場を立ち去る事にした。
数分歩いて、目的地の冒険者ギルドに到着すると、アレイシアさんが、受付に行き、
「冒険者登録をしに来た、後の5人じゃ!」
と僕らを指指したのだが、受付のお姉さんと目が合うと、明らかに態度を変えて、
「あの小さい子供もなのですか?」
と僕を見て言った。
その言葉に、アレイシアさんは、一瞬不機嫌そうな顔をしてから、無理に笑顔を作り、
「ダーリンこっちにくるのじゃ!」
と僕を呼び、僕の左手を掴み、受付のカウンターの上に乗せ、S級魔導師のブレスレットを、これでもかと受付のお姉さんに見せた。
一瞬、何事か分からない様な顔をしたお姉さんは、ブレスレットを凝視すると、
「失礼しました!上の者を呼んで来ます。」
と慌ただしく席を離れて、奥へと走って行った。
暫くすると、
「なんだ?騒々しい、儂は今、とても気分がいいんだ、あまり騒ぎ立てられると、いい気分が台無しじゃないか!」
と文句を言いながら出てきた、ガタイのいいおじさん、僕の顔を見ると、
「さっきの少年!」
と冒険者ギルドに来てから指を指されるのが、3回目になった。
「なんだ、凄いお客って、この少年の事か?」
おじさんが、受付のお姉さんに聞くと、
「そこの5人が冒険者登録したいらしいのですが………」
「その5人組か、些か若く見えるが、年は幾つだ?」
「ダーリンが10歳で、この2人が12歳、そしてこっちの2人が13歳じゃ、それから、妾の年は聞かぬがよい。」
アレイシアさんが、全員の年齢を説明してくれた、最後に自分の年齢を隠すのは、淑女の嗜みなのだろう。
僕達の年齢を聞いた、ガタイのいいおじさんが額に手を当てて、
「その少年以外は、登録しても構わないが……………」
「これを見ても、そう言えるのか?」
アレイシアさんが、おじさんの言葉を遮って、再び僕の左手をカウンターの上に乗せると、おじさんは目を見開いて、
「嘘だろ!」
と言ったまま固まってしまった。
受付のお姉さんが、動かなくなったおじさんの肩を揺すりながら、
「ギルマス、しっかりして下さい!」
と言ったところで、我に返り、
「ちょっと、全員奥に来てくれ。」
ギルマスと呼ばれたおじさんに、案内され、奥の部屋に通され、ソファーに腰かけると、アレイシアさんが3枚のカードを出して、
「お主がギルドマスターなら、解るな、これが妾の身分証明書じゃ、不足に思うなら、スーリヤお主も見せるが良い!」
すると、スーリヤさんも、2枚のカードを出しながら、
「君達も、出した方がいいよ。」
と言われ、魔導師ギルドで発行して貰ったカードを出すと、僕のカードの上にアレイシアさんが、もう1枚、赤地に金色の文字が書かれたカードの置いた。
ギルドマスターと呼ばれたおじさんは、テーブルに置かれたカードを丁寧に1枚づつ確認すると、
「信じられん!アレイシア殿とスーリヤ殿とな?
魔導師ギルドのトップ2じゃないか、しかも残りも全員、上級魔導師じゃないか!それに、この少年が賢者?嘘だろ?」
「どうじゃ、これでも、登録出来ぬか?」
「これを見せられては、拒む事は、出来ぬが、いまいち信じられん。
良かったら、その実力を試させて貰えんか?」
「良いが、腰を抜かすでないぞ(笑)」
と言ったアレイシアさんの笑顔が怖い。
ギルドマスターの案内で地下の、練習場へと連れて行かれ、そこで魔法を見せる事になった。
「ダーリンあまり本気でブッ放すと、ギルド会館が崩壊するかもしれんので、程々にせんと皆生き埋めになるかも知れんぞ(笑)」
「そんな事言わずに、アレイシアが、結界を張れば良いのでは?」
スーリヤさんの提案にアレイシアさんは、
「恥を忍んで言うが、レオの魔法は、妾の結界では防ぎきれんわ!」
「「えっ?」」
ギルドマスターとスーリヤさんが目を見開いて僕を見ていた。




