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レオの知識(4)

 何故だろう?

 僕の知っている事を誰も知らなかった。


 でも、僕が何故それを知っているのか、分からなければ、理由も思いつかない。

 それを考えると、途端に思考に霧がかかった様に脳が考える事を拒絶するかの様だった。


 思い直し、知っている事を説明する事にした。


 まず、物質を構成する物の最小単位として、原子、分子の話しを説明するのだが、理解出来たのか皆の表情を見て、質問すると、言ってる事は何となく解る様な気がするが、それが本当なのか、判断がつかないと言われた。


 確かに、この人達のこれまでの常識の範疇に無い概念の話しだから、仕方ないのかも知れないが、次の話しは、更に信じられないと言われると思いながら説明を始めた。


 原子を構成する原子核=陽子と電子について、話し終わると、予想通り皆が、信じられないと言った顔をしていた。


 どうやら、気体、液体、個体の全てが、電子と陽子(この場合は原子核)の数の違いで、異なった物質に成ると言う事が信じられなかった様だ。

 仕方ないので、信じなくてもいいから、一応の知識として憶えておいて欲しいと、無理矢理説明を締めくくり、その後は、水を例に上げ、ほぼ全ての物質は、気体、液体、個体の姿をとる事が出来る事等、中学生レベルの科学の授業をおこなった。


 しかし、ここで我に返った様に疑問が浮かんだ。


 中学生、中学って何だ?

 不意に自分の脳裏に浮かんだ言葉の意味を疑問に思った。

 僕は、何を知っているのだろう?僕の知っている常識は、この世界に無い概念の常識だった。

 一体何故、僕は、教えて貰ってもいない事柄を知っているのか?

 この知識は何処で得たのか?


 その事を考えると、激しい頭痛に襲われ意識を手放した。




 レオが意識を失い倒れた事で、一時は騒然となったが、サファイアとノーナを部屋に戻らせ、ルナとアレイシアと私達の3人でレオを、部屋に寝かせ、一旦私の部屋に3人で集まった。


「一体ダーリンは、どうしたのじゃ?」


「アレイシアには、詳しく教えておこう、転生者のレオの前世は、多分じゃが、高度に物質文明の発達した、地球と言う星に暮らしていた人間だと思う。

 儂も、その星に暮らした事があるので、何となくじゃが、目星を付けておった。

 その星に魔法は無く、科学と言う錬金術に近いものがあったのじゃ、1度に何百人もの人を乗せて空を飛ぶ乗り物や、星の裏側と時間差無しに会話が出来る通信技術等、およそ、この世界とはかけ離れた優れた技術を持った世界に暮らしていたレオは、前世の知識を持って、この世界の魔法を再構築して、あの様な桁外れの魔法を作り出したのだと思うのじゃ。」


「ダーリンの前世は、判ったが、何故ダーリンは倒れたのじゃ?」


「それはじゃな、レオが、いきなり前世の知識で、この世界の文明に進化をもたらさぬ様に、魂に鍵を掛けて封印されておるのじゃ。

 この世界にはまだ早い知識や文明、自分の前世を紐解こうとすると、あの様に脳に負荷が掛り意識を失ってしまうのだろう。

 それは、この世界にとっての安全装置でもあるのじゃ!」


「では、ダーリンの魔法の解説等、もう聞けぬと申すのか?」


「それは無いと思う、現にレオが魔法として、使用しているのじゃ、それに関しては大丈夫だろう。

 ただ、レオの知識がこちらの概念に無いものだった事で、レオ自身が自分の前世に触れようとして封印に触れたのではないかと思うじゃ!」


「では、どうすればいいのじゃ?」


「レオから、もたらされた知識を、授業の中に組み込んで、知識の擦り合わせをすれば良いのではないですか?」


「そうじゃな、ルナの言う事が良いかも知れぬが、いきなりこの世界の概念を真っ向から、否定する様な知識は、誰も受け入れてはくれぬじゃろう。」


「じゃあ、どうすればよい?」


「アレイシア、お主が頑張らねばなるまい。

 お主は、この国一番の魔導師なのだから、レオの魔法を新しい概念として、お主の力で認知させれば良いのではないか?」


「しかしダーリンの魔法は、妾にも解き明かせん!」


「そこは、いちいちレオに教えて貰えば良かろう、レオと2人っきりの個人授業は、お主の望むところであろう!」


「2人っきりの個人授業と聞けば、急にやる気が溢れてきたのじゃ♡

 しかし2人は、妾がダーリンとねんごろになっても良いのか?」


「心配するでない、今さら1人や2人増えたところで痛くもないわ(笑)」


「もう既に、沢山居るのか?」


「ユ·スの街から、この学院にレオが入学する時、何人の女が涙を流したと思う。」


「主に、おばさん達だけどね(笑)」


「年増にももてるのか?」


「家の、診療所で、女の子供を産んだ、おばさん達が、レオを、気に入って自分の娘の婿にとモテモテだったのじゃ!」


「ならば、ユ·スに帰さねば良かろう!」


「あっちには、レオ直々に勉強を教えてもらった、レオの生徒が、沢山居るが、皆この学院を受験すると言っておるぞ。」


「どれだけ、人気が有るのじゃ?妾は、頭が痛くなってきたぞ。」


 3人の話しは、深夜迄続いた。



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